ドッグフードのハーブ類
ハーブについて
ハーブは料理の香り付けや保存、薬、香料、防虫などに利用される有用植物の総称です。ハーブは古くから薬用植物として利用されていた歴史もあり、健康への作用も期待されています。
ドッグフードでもハーブがよく配合されていて、特にハーブの生産消費が盛んなヨーロッパではハーブを使った製品が多くあります。
ハーブは70種類以上あり、それぞれに特徴的な香りや味が感じられることからスパイスやハーブティー、アロマオイルに利用されています。
ハーブの効果や働き
健康維持に役立つ
ハーブには体を強く健康に保つための作用を持った種類が多くあります。
血行促進や血管壁の強化、消化促進、内分泌の調整、鎮静効果や鎮痙効果、神経系の機能の促進、利尿作用、抗アレルギー作用や抗炎症作用など、体にとって嬉しい効果を持ったハーブがたくさんあります。
使用量が非常に微量なので、期待されている効果がはっきりと現れるかというと微妙なところですが、様々なハーブを組み合わせることで、わんちゃんの健康維持に役立つと考えられています。
保存性を高める
ハーブには、抗酸化作用、防腐作用など、ドッグフードの品質や状態、栄養を保つ働きを持った種類があります。
化学由来の合成酸化防止剤や防腐剤などの添加物を使用するドッグフードもありますが、合成添加物不使用のドッグフードでは、ハーブなどの天然由来の酸化防止剤を使用し、フードを腐敗や酸化から守ります。
ハーブの種類一覧
分類 | ハーブ名 | 働き・作用 |
---|---|---|
シソ科 | ローズマリー | 収斂、消化液分泌促進、消化管平滑筋弛緩、駆風効果、殺菌、鎮頸、利尿、発汗、胆汁分泌、神経系に対する強壮、強心、血液循環、血管壁の強化、昇圧 |
オレガノ | 消化促進、強壮、鎮静、殺菌 | |
セージ | 抗菌、抗ウイルス、防腐、収れん、制汗、内分泌調整 | |
タイム | 抗菌、殺菌、気管支鎮痙、抗ウイルス、防腐、去痰、利尿、強壮、鎮痙、疲労回復 | |
ペパーミント(セイヨウハッカ) | 鎮静、鎮痙、抗菌、防腐、発汗、利尿、中枢神経系(脳)の機能亢進、胃腸の機能調整 | |
マジョラム | 鎮静、鎮痙、消化促進、食欲増進、利尿、強壮 | |
シソ | 発汗(感冒)、利尿、鎮痛 | |
バジル | 消化促進、殺菌、強壮、健胃、消化促進、抗菌、鎮痙、抗うつ、抗アレルギー | |
キク科 | カモミール | 消炎、鎮静、鎮痙、駆風、発汗、保湿、保温、殺菌、筋肉弛緩、抗アレルギー |
マリーゴールド | 抗炎症、解熱、防腐、血流改善 | |
チコリ | 便通促進、利尿、消炎、消毒効果 | |
セイヨウタンポポ(ダンデライオン) | 強肝、胆汁分泌促進、利尿、緩下、抗リウマチ、消化促進、解毒、血液浄化、利胆、浄血、催乳、健胃、強肝 | |
ベニバナ | 貧血、血行促進 | |
マメ科 | フェヌグリーク | 去痰、抗カタル、催乳、血糖値降下、緩下、子宮刺激、滋養強壮、代謝調節、粘滑 |
アルファルファ | 利尿、疲労回復、緩下、強壮、健胃 | |
セリ科 | アニスの実 | エストロゲン様、催乳、消化促進、利尿、去痰、消臭、鎮痙、駆風、殺菌 |
チャービル | 解毒、消化促進、血行促進 | |
パセリ | 利尿、抗炎症、鎮静、血圧降下 | |
イラクサ科 | 西洋イラクサ(ネトル) | 利尿、浄血、消化促進、収斂、強壮効果、滋養、止血、母乳分泌促進、壊血病の予防 |
バラ科 | ローズヒップ | 抗鬱、抗痙攣、催淫、消化刺激、収斂、胆汁分泌、浄化、去痰、抗菌、抗ウイルス、腎強壮、補血、月経調節、抗炎症 |
リュウゼツラン科 | ユッカ | 腎臓・肝臓の解毒、利尿、血圧降下、血行改善、消臭 |
クスノキ科 | シナモン | 消化機能促進、駆風、抗菌、血糖調節、血圧改善、鎮痙、去痰、発汗、収斂、子宮刺激、老化防止 |
スピルリナ科 | スピルリナ | 便秘改善、免疫、血糖調節、鎮静、貧血 |
犬がハーブを食べても大丈夫?
アロマや散歩中の誤食には注意
ハーブの中には、犬にとって危険な有毒ハーブもあります。ただ問題の多くは強い香りや大量の経口摂取によるものです。ハーブをそのまま嗅いだりアロマオイルで香りが部屋に充満することで、てんかんの発作や香りによる中毒症状が犬に見られることが報告されています。
また、家庭菜園やガーデニングでハーブを栽培している方も多く、犬がそのまま食べてしまうと多量摂取になってしまうので、散歩中にハーブを誤食しないよう注意しましょう。
ドッグフードでは害がないことがほとんど
ただ、ドッグフードに使用されるハーブは害がないことがほとんどです。ドッグフードでのハーブの使用量は極少量で、さらに他の原材料と混ぜ込まれた上、加熱加工も加えられているので、毎日食べても毒性を示すことは基本的にありません。
たとえば、ハーブではありませんがオレンジは生の皮にはリモネンという犬にとって有害な物質が含まれますが、加熱加工されることでリモネンは損失し、犬に悪影響はなくなります。
このように通常ではNGと言われるハーブでも、使用量や加熱などの調理過程において有害物質が消失することも多いので、むしろメーカーではハーブによって得られる効果や作用に注目し、目的を持ってハーブ類を配合しています。
まとめ
- ヨーロッパ産フードの使用が多い
- ハーブは70種類以上
- それぞれに効果や作用がある