ドッグフードの納豆。納豆菌のビタミン生産や腸内環境改善、ナットウキナーゼの血栓溶解作用

納豆 ドッグフード 犬

ドッグフードの原材料:納豆(Natto)

納豆(Natto)は加熱した大豆を納豆菌で細菌発酵させた食品で、独特のニオイとネバネバとした食感が特徴です。

日本人にとっては一般的な食べ物で、将軍や神様に「納めた豆」という由来から納豆と呼ばれるようになりました。日本人の約7割は納豆を好んで食べていますが、海外では独特なにおいや食感から苦手と感じる人が多いようです。

とはいえ、納豆にはビタミンやミネラル、納豆菌、納豆菌が作り出すナットウキナーゼ、ポリグルタミン酸など様々な効果や作用が期待できる物質が含まれていて、古くから健康に良い食べ物として親しまれてきました。

納豆をつかったドッグフード
  • WauWau 乾燥小粒納豆 80g
  • ドットわん フリーズドライひきわり納豆 25g
  • ドクターズチョイス DRS. CHOICE
  • ウィズミール わん納豆
  • ペットライン メディコート お腹から健康サポート(納豆菌配合)

ドッグフードでも納豆や納豆菌を配合した製品がいくつかあります。また、フリーズドライ加工した納豆の犬用おやつもよく見られます。

納豆菌は自然界で最強の細菌で他の菌を損なってしまうため、他の菌類を扱う工場や製造場所では配合できない場合もあるようです。

納豆の栄養素と犬におけるメリット

タンパク質、カルシウム、鉄、マグネシウム、ビタミンB群やビタミンKが豊富

納豆には植物性タンパク質をはじめ、カルシウムや鉄分、マグネシウム、ビタミンB群、ビタミンKなど様々な栄養素が豊富な健康食品です。

ネバネバの主成分ポリグルタミン酸はうまみ成分が豊富

納豆のネバネバとした粘着成分は「ポリグルタミン酸」から作られています。ポリグルタミン酸はアミノ酸の一種である旨味成分「グルタミン酸」を多く含んでいます。

納豆菌には、ビタミンB群生産、抗酸化作用、腸内環境を整える働きがある

納豆菌は、納豆発酵時に大豆から発生する枯草菌の一種で、栄養価の向上や抗酸化作用、プロバイオティクスとして腸内環境を整える働きがあります。

  1. 栄養価の向上(ビタミンB群の生産)
  2. 抗酸化物質の生産
  3. 善玉菌として腸内環境を整える(プロバイオティクス)

納豆菌はビタミンB群を生産するなどして、元の大豆の栄養価をさらに向上させます。また、納豆菌が生成する成分には、抗酸化物質が含まれることから、体内の酸化ストレスに対抗し、細胞のダメージを軽減することが期待されています。

そして、納豆菌は乳酸菌などと同じプロバイオティクスのひとつなので、腸内環境を改善して犬の健康な腸内細菌叢の形成をサポートます。

ナットウキナーゼの血栓溶解作用は脳梗塞や心筋梗塞、高血圧対策におすすめ

納豆菌はナットウキナーゼという酵素を作り出します。

ナットウキナーゼには、脳梗塞や心筋梗塞、高血圧などの原因になる血栓(血管内に形成された血の塊)の主成分になるフィブリンを溶解する血栓溶解作用があります。

ドッグフード 犬 納豆 ナットウキナーゼ 血栓 効果引用元:Enhancement of the fibrinolytic activity in plasma by oral administration of nattokinase|NCBI

「納豆」と呼ばれる伝統的な発酵食品に強力な線維素溶解酵素 (ナットウキナーゼ、NK) が存在することは、以前に我々によって報告されました。NK(または納豆)の経口投与により、線溶パラメータで示されるように、血漿中の線溶活性が穏やかかつ頻繁に増強され、組織プラスミノーゲン活性化因子が生成されることが確認されました。また、実験的に血栓症を誘発した犬にNKカプセルを経口投与し、血管造影によって血栓の溶解を観察した。得られた結果は、NKは安全性が証明されており、大量生産できるため、塞栓症の治療だけでなく病気の予防にも使用できる可能性のある薬剤であることを示唆しています。

ナットウキナーゼを経口投与した上記の研究では、犬へのナットウキナーゼの投与によって組織プラスミノーゲン活性化因子を生成し、血栓の溶解が観察されたと報告しています。

この研究は対象が犬であることから、対象が人や他の動物で実証された研究や調査に比べて、より上記に近い効果が得られる可能性が高いといえると思います。

納豆の注意点、デメリット、危険性

調味料や他の原材料を確認する

納豆は様々な製品が販売されているので、納豆に含まれる調味料や添加物などを確認しましょう。

また、納豆のタレは塩分や糖分が多く、また保存料などの添加物も使用されているため、タレは入れずに納豆のみで与えてください。

大豆アレルギーの犬には与えない

納豆は大豆からつくられるので、大豆にアレルギーを持っている犬には与えないようにしましょう。

まとめ

  • 納豆は栄養価が高い
  • 納豆菌にはビタミンB群生産、抗酸化作用、腸内環境を整える働きなどがある
  • ナットウキナーゼには血栓溶解作用があり、犬を対象にした調査結果も報告されている
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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。