ドッグフードのコリアンダー。香り成分はリラックス効果や抗酸化作用!食べても大丈夫?

ドッグフードのコリアンダー。香り成分はリラックス効果や抗酸化作用!食べても大丈夫?

ドッグフードの原材料:コリアンダー(coriander)

セリ科の植物の種子

コリアンダーとは、コエンドロというセリ科の植物の種子です。

生産国は主にインドや中国、エジプトですが、とくにインドは世界最大のコリアンダー生産国で、香辛料やハーブとして世界中で利用されています。

パクチーは葉や茎の部分

ドッグフードのコリアンダー。香り成分はリラックス効果や抗酸化作用!食べても大丈夫?

コリアンダーとパクチーは同じ植物であるため混合されやすいですが、コリアンダーは種子であるのに対し、パクチーは葉や茎を指します

種子(コリアンダー)は甘くスパイシーな香りがあり、カレー粉やガラムマサラなどのスパイスブレンドに欠かせない存在です。

一方、葉や茎(パクチー)は爽やかな独特の香りを持ち、フォーやトムヤムクン、サラダなどに使用されることが多くみられます。

コリアンダーが原材料のドッグフード例

コリアンダーが原材料に使用される目的

コリアンダーは抗菌作用があるため、キャットフードの保存性を高めることができます。そのため、人工的な保存料を使用することなく自然由来の成分を重視したキャットフードを製造することができます

コリアンダーが原材料のドッグフード例

コリアンダーはさまざまなドッグフードの原材料で使用されています。

原材料欄にはコリアンダー、オーガニックコリアンダーパウダー、ハーブ(コリアンダー)などと表記されます。原材料欄にコリアンダーの葉と記載があるものもありますが、これはパクチーのことを指します。

コリアンダーの栄養と犬における健康効果

コリアンダー/葉/生の栄養素(100gあたり)
エネルギー18kcal
水分92.4g
タンパク質1.4g
脂質0.4g
炭水化物4.6g
ミネラルナトリウム4mg
カリウム590mg
カルシウム84mg
ビタミンAβ-カロテン1.7mg
ビタミンEα-トコフェロール1.9mg
β-トコフェロール0mg
γ-トコフェロール0.2mg
δ-トコフェロール0mg
ビタミンC40mg

※出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

香り成分にさまざまな健康効果がある

コリアンダーの独特な香り成分は、ゲラニオールボルネオールリナロールという植物由来の天然化合物です。

多くのアロマやエッセンシャルオイル、香水、食品添加物に使用されていますが、これらの成分は香りの調整だけでなく、さまざまな健康効果が期待されています

香り成分健康効果
ゲラニオール・抗菌作用
・炎症抑制
・抗酸化作用
・防虫効果
・リラクゼーション効果
ボルネオール・抗菌作用
・抗炎症作用
・鎮静効果
・消化促進
・免疫サポート
リナロール・抗菌作用
・消化促進
・抗炎症作用
・抗酸化作用
・免疫サポート
・防虫効果

抗酸化作用

リナロールには抗酸化作用があり、犬の体内の活性酵素を除去して細胞を酸化ストレスから守ります。それにより老化やがん予防、免疫力の向上などに期待できます。

抗菌作用、抗炎症作用

抗菌作用や抗炎症作用により、皮膚感染や傷口のケアや、皮膚の清潔さを保つのに貢献します。炎症を抑える効果があるとされ、皮膚トラブルや関節の炎症の軽減にも役立ちます。

リラックス効果

リラックス効果や鎮静作用はストレスや緊張、不安の軽減や、質の良い睡眠をとることにつながります。とくに吠えや攻撃性、分離不安などの問題行動を起こしやすい犬にとって行動の安定化につながります。

品質保持や化学薬品の使用削減

ゲラニオールやリナロールの天然の防虫効果により、害虫による汚染を防ぐことでドッグフードの品質や安全を維持することができます。それにより化学的な防腐剤や防虫剤などの必要性を減らすことができます

コリアンダーは食べても大丈夫?

食べても大丈夫!

日本ではコリアンダー(パクチー)はほとんど自生しておらず、栽培されたものが一般的に利用されています。そのため、散歩中ではあまり見られないでしょう。

コリアンダーには犬にとって中毒となる成分は含まれていないため、食べても大丈夫です。独特な風味があるため、ドッグフードにトッピングすることで食欲促進が期待できるでしょう。

コリアンダーはパウダータイプとホールタイプがありますが、ホールタイプのものは噛まずに飲み込んでしまうためパウダー状がおすすめです。

市販のコリアンダーはNG

市販のコリアンダーは塩分や香辛料が含まれている場合があるため、与えるのはNGです。ご家庭で与える場合は無添加で新鮮なコリアンダーを選びましょう。

また、パウダー状だとつい多くをトッピングしてしまいがちです。過剰摂取をすると消化不良となるため、与える場合はごく少量にしましょう

アレルギーの危険性

コリアンダーはアレルギーを起こしにくい食べ物とされていますが、可能性はゼロではありません。とくにセロリやニンジン、パセリなどセリ科の食べ物にアレルギーを持つ犬は注意が必要です。

まとめ

  • コリアンダーは種子、パクチーは葉や茎を指す
  • 抗酸化作用や抗菌作用、リラックス効果など多くの健康効果を持つ
  • コリアンダーは食べても大丈夫だが、過剰摂取や市販のものはNG

ABOUTこの記事をかいた人

古川菜々

愛玩動物飼養管理士2級、ペットセラピスト、ペット看護士、愛犬飼育スペシャリスト、ドッグフード勉強会ディレクターとして、ドッグフードに関する情報を提供しています。帝京科学大学アニマルサイエンス学科卒業。文章を通してわんちゃんの魅力を発信し、また多くの飼い主さんの悩みや不安を解決することで、飼い主さんとわんちゃんの幸せのお手伝いになれば嬉しいです。