ドッグフードのオレガノ。リンゴの42倍の抗酸化作用!アロマは大丈夫?

ドッグフードのオレガノ。リンゴの42倍の抗酸化作用!アロマは大丈夫?

ドッグフードの原材料:オレガノ(oregano

オレガノ、ハナハッカ、ワイルドマジョラム、山の喜び

ドッグフードのオレガノ。リンゴの42倍の抗酸化作用!アロマは大丈夫?

オレガノはシソ科の多年草で、地中海沿岸地域を中心とした温暖な気候を原産地とするハーブです。

写真のような紫色の可愛い花を咲かすことから、日本語での植物名としての呼称は「ハナハッカ」とよばれ、ヨーロッパでは主に「ワイルドマジョラム」とよばれます。

また、オレガノの学名「Origanum」はギリシャ語で「oros(山)」と「ganos(喜び)」に由来します。これは、オレガノが地中海地方の山岳地帯で自生し、その美しい姿や香りが喜びを与える植物と考えられたことに由来して「山の喜び」と意味づけられました。

さまざまな健康効果がある

オレガノの香りはスパイシーで少し甘みを含む独特の風味を持っています。とくにイタリアやギリシャで親しまれており、料理用ハーブとして多くの国で利用されています。

またオレガノには抗酸化作用や抗菌作用があり、ドッグフードの原材料にも使用され、健康効果の面でも注目されています。

オレガノの栄養と犬における健康効果

香り成分カルバクロール、チモール

下記でご紹介する健康効果や作用は人に対してのものであり、犬に対してどの程度の効果を発揮するかははっきりと解明されていませんが、オレガノにはさまざまな健康効果や作用があると研究で報告されています。

とくにオレガノの香りの主成分であるカルバクロールチモールがさまざまな作用があるとされています。

オレガノの抗酸化作用はリンゴの42倍

オレガノの香り成分であるカルバクロールチモールは強い抗酸化作用があり、米国農務省の研究グループが発表した「オレガノと他の食品との抗酸化の比較」では、オレガノ抗酸化はリンゴの42倍、ポテトの30倍、オレンジの12倍、ブルーベリーの4倍との結果が出ました

抗酸化作用とは、体内で発生する活性酸素を除去して細胞や組織へのダメージを防ぐ作用のことで、それにより老化予防やがん予防につながります。

参考:リンゴの42倍、強力な抗酸化作用で注目。大腸菌、黄色ブドウ球菌などに強い抗菌作用|日本食品機能研究会

抗炎症作用

カルバクロールチモールは強い抗炎症作用があり、関節炎やアレルギー反応による炎症を軽減する補助的な役割を果たします。

とくに高齢犬に多い関節炎の緩和や、皮膚炎の治癒を促進することが期待されます。また消化器系の炎症を抑えることで、下痢や胃腸不調の改善にもつながります。

皮膚トラブルの改善

(一部抜粋)温度感受性TRPチャネルの一つであり約30℃以上の温かい温度域を受容するTRPV3は感覚神経よりも上皮に多く発現しており、口腔上皮及び鼻上皮にも発現が見られる。オレガノ、サボリー、クローブ、タイムといったスパイス(ハーブ)の香り成分であるカルバクロール、オイゲノール、チモールがこのTRPV3を活性化することが報告され、これらのハーブがもたらす温熱感覚がTRPV3の活性化で一部説明できることがわかった。

※温度感受性:物質や生体の機能・特性が温度によって変化する性質

引用元:スパイスの化学受容と機能性

カルバクロールは温熱感覚を引き起こし、TRPV3チャネルを活性化することが研究により分かりました。

TRPV3とは、主に皮膚や神経系の細胞に存在し、皮膚のケラチノサイトにおいて細胞成長や分化を調節し、皮膚のバリア機能や再生、さらに嗅覚の調節に寄与します。

つまり、カルバクロールによってTRPV3が活性化されると、

  • 皮膚バリアの向上
  • 創傷治癒の促進
  • 皮膚炎やアレルギー反応の緩和
  • 関節炎などの炎症性疾患の痛みや腫れを和らげる
  • 体温や環境適応のサポート

などの皮膚トラブルの改善につながります。

オレガノの注意点

オレガノそのものは与えない

ドッグフードに使用されるオレガノは乾燥させてある程度香りが抑えられ、他の原材料やハーブ類とのバランスを取りながら配合され、また配合量も非常に少ないです。

しかしオレガノそのものの香りは清涼感が強く、犬は嫌いな傾向があるため、オレガノそのものは与えないようにしましょう。また家庭菜園などでオレガノを育てている場合も食べられないように注意が必要です。

オレガノのアロマは置かない

オレガノはその独特な清涼感のある香りから、アロマでも人気の香りです。

しかし、犬にとっては部屋中をアロマで充満させることは危険であり、日常的・長期的に吸引することで中毒症状を引き起こす恐れがあります。オレガノでなくてもアロマ自体が犬にとっては危険なものなので、使用しない、または犬が入らない部屋のみで使用するようにしましょう。

オレガノが原材料のドッグフード例

オレガノはさまざまなドッグフードの原材料に使用されています。原材料欄にはオレガノ、乾燥オレガノなどと表記されます。

まとめ

  • オレガノ、ハナハッカ、ワイルドマジョラム、山の喜びなどさまざまな呼び名がある
  • 香り成分カルバクロールとチモールにさまざまな健康効果がある
  • 抗酸化作用はリンゴの42倍
  • オレガノそのものは与えない

ABOUTこの記事をかいた人

古川菜々

愛玩動物飼養管理士2級、ペットセラピスト、ペット看護士、愛犬飼育スペシャリスト、ドッグフード勉強会ディレクターとして、ドッグフードに関する情報を提供しています。帝京科学大学アニマルサイエンス学科卒業。文章を通してわんちゃんの魅力を発信し、また多くの飼い主さんの悩みや不安を解決することで、飼い主さんとわんちゃんの幸せのお手伝いになれば嬉しいです。