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サプリやドッグフードに配合されることもありますし、手作りごはんできのこ汁を作っている方もいますよ。
犬がきのこ類を食べてOK
きのこは犬が食べても大丈夫な食材です。きのこには野菜のように食物繊維やビタミンなどの栄養の他にも、実は犬が好む成分も含まれています。
ドッグフードやサプリメント、おやつとしても配合されますし、手作り食の材料のひとつとしても便利でおすすめの食材です。
犬が食べられるきのこの種類
えのき
えのきは、乳白色でカサが小さく束でまとまっているきのこで、コリコリとした楽しい食感が特徴です。ビタミンB群が豊富で、βグルカンのレンチナンも他のきのこより多く含まれています。
コレラタケという毒きのこに似ていることから、エノキと勘違いされて食中毒の事故が発生しているので、屋外でエノキに似たきのこがあっても与えてはいけません。
また、生のエノキにはフラムトキシンという毒が含まれるので、溶血作用や強心作用によって死亡する場合もあるので注意してください。
しめじ
しめじはクセがなく食べやすい風味で使いやすい食材です。
βグルカンや疲労回復に効果のあるオルチニンや、グアニル酸、グルタミン酸、アスパラギン酸などのうま味成分も豊富です。
誤食による中毒事故が多いクサウラベニタケと似ているので、山中や屋外で自生しているシメジは食べないように注意しましょう。
エリンギ
エリンギは、トレハロースやアスパラギン、βグルカン、オルニチンなどが豊富です。小さく切っても存在感があり食感を楽しめる食材です。
ただし生のエリンギには毒性成分のシアンが含まれるので必ず加熱調理をしてから与えましょう。
しいたけ
しいたけには、うま味成分のグアニル酸(ヌクレオチド)が多く含まれているので、犬の嗜好性アップに良い食材です。ただ食感や匂いが独特なので、犬によって好き嫌いがあるかもしれません。細かく切って他の食材と混ぜて与えるのがおすすめ。
しいたけには血中の悪玉コレステロール値を下げるエリタデニンが豊富に含まれています。
天日干ししたしいたけにはビタミンDも豊富です。干し椎茸はそのままだと固く口の中や食道を傷つけてしまうので水で柔らかく戻し小さく切って与えましょう。
まいたけ
まいたけにはきのこ類の中でもβグルカンの含有量が多く、免疫にも良い影響があると考えられています。
また、まいたけにはタンパク質分解酵素プロアテーゼが含まれているので、手作り食で肉と一緒に調理することでお肉を柔らかくする働きがあります。
マッシュルーム
マッシュルームにはセレンやエリタデニンが多く含まれています。また、昆布などに含まれる旨味成分グルタミン酸も豊富です。食感に特徴がありつつ味はクセがないので、好みがわかれにくく利用しやすいきのこです。
ドクツルタケというきのこが日本には自生しています。マッシュルームと形は異なりますが、白いきのこで非常に危険な毒きのこなので犬が食べてしまわないよう注意しましょう。
キクラゲ
コリコリ、プリプリとした食感のキクラゲは、他のきのことはまた食感が楽しめるので、手作り食の具材として利用するのもおすすめです。
黒いキクラゲにはビタミンDや鉄分が、白いキクラゲにはビオチンや水溶性食物繊維が豊富に含まれています。与える時は水で戻して柔らかい状態にして与えましょう。
アガリクス
スーパーフードとして注目され食品やサプリでも人気のアガリクスは、抗腫瘍効果や免疫機能を活性化させる効果が期待されています。
また、血糖値を下げるという報告もありますが、詳しい研究結果やデータは確認できませんでした。
きのこの栄養素と犬に与えるメリット
免疫細胞を活性化させ癌細胞の抑制するβグルカン
きのこに含まれる多糖類の「βグルカン(キノコキトサン)」には、免疫賦活作用(抗腫瘍活性・制癌作用)、抗酸化作用、血糖値降下作用があり、天然の免疫調節剤と言われています。
βグルカンは、マクロファージや樹状細胞、顆粒球、ナチュラルキラー細胞などの自然免疫細胞を活性化させ、またT細胞やB細胞などの適応免疫細胞の働きを促して腫瘍の成長と転移を抑制します。
腸内環境を整える食物繊維
きのこには食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維には満腹感を持続させながら腸内環境を整える整腸作用があります。
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方が含まれていますが、割合として多い不溶性食物繊維には水分を吸収する性質があるので、カサを増しながら不要物を巻き込んで便量を増やし、腸を刺激して蠕動運動を活性化させる働きがあります。
軟便や下痢の改善に加え、便秘の改善にも良いとされています。
熟成肉にも含まれるうま味成分ヌクレオチド
きのこには熟成肉にも含まれるうま味成分のヌクレオチド(グアニル酸)が豊富なので、嗜好性アップに役立ちます。
カリウムやビタミンDが豊富
きのこの大部分は水分と食物繊維ですが、必須ビタミンや必須ミネラルも適度に含まれています。
きのこの与え方
与える方と注意点
犬にきのこを与える時は小さく切って加熱します。大きいと喉に詰まらせたり食べにくく嗜好性が下がる可能性があります。また、きのこの種類によっては生の状態で毒性成分が含まれるものもあります。
また、味付け等はしません。水に溶けやすい栄養素が豊富なので、加熱した時に出た茹で汁や水分も一緒に与えるのがおすすめです。
与える量は小さく切った場合、小型犬は小さじ1~2杯位、中大型犬は大さじ1~2くらいの少量ずつで与えるのが一般的とされています。
簡単きのこ汁レシピ
- きのこ類(30~50g)
- お好みの野菜(小松菜やブロッコリー)
- 水(300g)
緑色の野菜を入れると彩りが綺麗に見えます。
作り方
- きのこは軽く洗って石突きを落とし、千切りor小さく刻む
- お好みの野菜も洗って、千切りor小さく刻む
- 水を鍋に入れ沸騰させ、きのこと野菜を入れる
- 煮立たせアクが出たら取り除く
- 火が通ってくたっとしたら火を止める
- 冷まして浅めの器に盛り付けたら完成
煮ている間に水分が少なくなってきたら都度水を足してください。
きのこの注意点と犬に与えるデメリット
アレルギー
きのこがアレルギーの原因になる例は非常に少ないですが、アレルギー症状を引き起こす可能性はあるので、食物アレルギーが出やすい犬は注意して与えましょう。
腎臓病
重度の腎臓病でカリウムの摂取量が制限されている場合はきのこは控えるか少量にとどめるようにしましょう。
散歩中に注意!毒きのこの種類と見分け方
日本には約100種類の毒きのこが自生し、散歩中の犬が自生しているきのこを食べてしまうことがあります。また、食用の種類と誤って人が与えてしまうことで、中毒が発生する場合があります。
毒キノコによって嘔吐や下痢、激しい腹痛や肝障害、急性腎不全などが起こり死亡することもあるので、注意が必要です。
代表的な毒きのこ
- クサウラベニタケ
- ツキヨタケ
- カキシメジ
- ドクツルタケ
- シロタマゴテングタケ
- フクロツルタケ
- コレラタケ
- テングタケ
- ベニテングタケ
人では食用きのこと似ているクサウラベニタケ、ツキヨタケ、カキシメジの3種類による中毒がきのこによる事故の7割を占めています。また、死亡事故の原因として最も多いのはドクツルタケです。
食後30分~3時間で、嘔吐や下痢が起こります。
ドクツルタケ、シロタマゴテングタケ、フクロツルタケ、コレラタケは、食後6~10時間たってから、激しい腹痛や嘔吐、下痢などが始まります。1~3日後くらいから肝障害、腎障害などが起こり、死亡することもあります。摂取した場合には、
テングタケ、ベニテングタケは、食後20分~2時間で、運動失調やけいれん、錯乱、昏睡などが起こります。
毒きのこを摂取した場合の治療方法
毒きのこを摂取した場合には、催吐や胃洗浄、活性炭の投与、輸血、下剤や利尿剤の投与、血液浄化、肝障害に対する治療などを行います。
まとめ
- きのこは犬に与えてOK
- 食物繊維やβグルカン、ビタミンやうま味成分が豊富
- 生食や毒キノコを食べると中毒を引き起こすので注意