ドッグフードの原材料:霊芝(reishi)
霊芝とは?
霊芝(れいし、学名:Ganoderma lucidum)とは、サルノコシカケ科に属するきのこの一種で、その高い健康効果により古くから中国や日本の伝統医学で重宝されています。特に中国では、最高級の生薬として不老長寿や健康維持の効果が期待され、多くの人が利用しています。
霊芝には万年茸(まんねんたけ)や瑞芝(ずいし)、仙草(せんそう)、赤芝(せきし)など様々な別名があります。これらの名称は、霊芝の歴史的背景や薬効への期待を反映したものとなっています。
多くの種類がある
霊芝には多くの種類があり、それぞれ異なる特性や健康効果を持ちます。
- 鹿角霊芝
- 紫霊芝
- 黒霊芝
- 赤霊芝
- 青霊芝
- 白霊芝
- 黄霊芝
- 松杉霊芝
- 梅霊芝
- 特許霊芝
- 霊芝胞子
- 臭霊芝
など
霊芝が原材料のドッグフード例
霊芝は犬の健康にも効果的
霊芝には健康維持・向上に有効な栄養や成分が豊富に含まれていますが、その中でも特にβグルカンやトリテルペノイドは免疫力向上、抗酸化作用、血流改善などの効果が期待されています。
霊芝は人だけでなく犬の健康維持にも役立つことが分かり、ドッグフードやおやつ、サプリメントの原材料として配合されています。自然由来の成分であるため安全性も高く、多くの飼い主に選ばれています。
霊芝が原材料のドッグフード例
霊芝は様々なドッグフードやおやつ、サプリメントの原材料に使用されています。
原材料欄には、霊芝、レイシ、霊芝エキス、霊芝パウダー、マンネンタケなどと表記されます。
- ペットの恵み365 うまみペースト 霊芝の恵み
- アニマルズアパスキャリー(冬虫夏草・霊芝ブレンド)
- iPaw 滋養ピューレ など
霊芝の栄養素と犬への健康効果
由来 | 栄養素 | 作用 |
---|---|---|
多糖類 | βグルカン | 免疫機能強化 抗腫瘍作用 抗酸化作用 抗炎症作用 腸内環境改善 |
食物繊維 | 腸内環境改善 便秘予防 |
|
タンパク質 | アミノ酸 | 細胞の修復 細胞の成長促進 |
ペプチド類 | 抗菌作用 細胞の健康維持 |
|
脂質 | エルゴステロール | ビタミンD生成 骨の健康維持 |
トリテルペノイド | 抗酸化作用 抗炎症作用 抗アレルギー |
|
ガノデリン酸 | 血圧調整 コレステロール調整 |
|
核酸 | アデノシン | 血流改善 |
植物 | ポリフェノール | 抗酸化作用 老化予防 |
βグルカン:免疫細胞の活性化
βグルカンは他のきのこ類(しいたけ、舞茸など)にも豊富に含まれていますが、霊芝は特に豊富で、免疫調整作用が非常に強いとされています。
霊芝に含まれるβグルカンは水溶性食物繊維の一種で、免疫調整や抗腫瘍作用が注目されています。
βグルカンは腸管の免疫細胞(マクロファージや樹状細胞)を活性化し、ナチュラルキラー(NK)細胞やT細胞の働きを強化することで、免疫システムを調整します。
また、βグルカンには抗酸化作用や抗炎症作用があり、慢性疾患の予防に寄与すると考えられています。
さらに、腸内でのコレステロール吸収を抑え、血糖値の急上昇を防ぐことから、糖尿病や動脈硬化のリスクを低減する可能性があります。
トリテルペノイド:血中コレステロールの低下
ラットによる研究では、霊芝の熱水抽出物およびエタノール抽出物が、高コレステロール食を与えたラットの血漿コレステロール値を低下させ、糞中のコレステロール排出量を増加させることが報告されています。
これは霊芝に含まれるトリテルペノイドの血漿コレステロール値を低下させる作用によるもので、肝臓でのコレステロール合成を抑制し、胆汁酸への変換を促進しているためです。これらの働きにより、霊芝は動脈硬化や心血管疾患の予防に役立つ可能性があると期待されています。
参考:霊芝抽出物の血漿コレステロール低下作用とそのメカニズム
腸内環境の改善
マウスを使った研究では、霊芝抽出物が入った食餌を摂取したマウスは、腸内微生物叢のバランス異常の改善や、体重の低下がみられました。
参考:Ganoderma lucidum reduces obesity in mice by modulating the composition of the gut microbiota
霊芝における犬への注意点
犬に与える場合の注意点は?
霊芝は生食には向かないため、煎じてお茶にしたり、エキスを抽出してカプセルや粉末状に加工されることが一般的です。
霊芝は犬に対しても健康効果がありますが、下記の点に注意が必要です。
・適切な容量を守る
犬の体重に応じた適量を守り、過剰摂取を避けることが重要です。過剰に摂取すると、胃腸の不調(下痢や嘔吐)を引き起こすことがあります。
・犬用のサプリメントを与える
ヒト用の霊芝のサプリメントには添加物や成分が含まれている場合があるため、犬用に調整されたサプリメントを選びましょう。
・持病を持っている場合は要注意
霊芝は血糖値を下げる作用や抗凝固作用があるため、糖尿病や血液をサラサラにする薬を服用している犬には注意が必要です。
・使用前は獣医師に相談
アレルギーや持病のある犬には副作用が出る可能性があるため、獣医師に相談してから与えるのが安心です。
散歩で出合う?

霊芝は主に広葉樹の枯れ木や倒木、切り株などに生えるきのこです。自然の中でも湿度が高く、森の奥深くや人があまり立ち入らない場所に生えていることが多くみられます。
そのため、犬の散歩中に出合うことはほとんどありませんが、散歩コースが雑木林や山道であったり、キャンプなどで山の中に行く場合は見つかることもまれにあります。
もし犬の散歩中に霊芝を見つけても安全性が確保できないため、不用意に触れたり、犬が口にしないよう注意しましょう。
まとめ
- 霊芝のβグルカンやトリテルペノイドは免疫力向上に効果的
- 自然由来の成分で安全性が高い
- 霊芝は多くの健康効果があり、その複合作用や相乗効果がある
- 血中コレステロールの低下や腸内環境の改善にも効果的
- 森の中で出合うこともまれにある