ドッグフードのキクラゲ。ビタミンや食物繊維が豊富!シロキクラゲ多糖体は保湿効果が抜群

ドッグフードのキクラゲ。ビタミンや食物繊維が豊富!シロキクラゲ多糖体は保湿効果が抜群

ドッグフードの原材料:キクラゲ(Cloud ear fungus

キクラゲ特有のプリプリやコリコリとした食感は、他の食べ物ではなかなか味わうことができないキクラゲ特有のものですよね。名前にクラゲが入っていることや見た目がワカメに似ていることから海藻の仲間と思われがちですが、実はキノコ類に属しています。木から耳が生えているように見えることから、漢字では「木耳」と書きます。

犬はキクラゲを食べても大丈夫です!

一般的にキクラゲと聞くと黒いキクラゲを想像しますが、白いキクラゲも存在します。なんと白キクラゲは、世界三大美女の一人である楊貴妃が美容を維持するために愛した食材といわれています。

キクラゲの栄養素とメリット

下表は、黒キクラゲと白キクラゲのゆでたもの100gあたりの栄養素です。比較のために、同じキノコ類であるしめじとしいたけも記載します。

黒キクラゲ白キクラゲしめじしいたけ
エネルギー14152227kcal
カルシウム252721mg
ビタミンD8.81.20.90.4μg
ビオチン1.34.47.3-μg
水溶性食物繊維01.20.10.2g
不溶性食物繊維5.25.24.04.6g

※出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

水溶性食物繊維は白キクラゲだけ

黒キクラゲと白キクラゲには、不溶性食物繊維が含まれています。不溶性食物繊維は水に溶けず、腸内で水を吸収して膨らむことで便が増え、便通を良くする効果があります。

ここで注目なのが水溶性食物繊維です。白キクラゲには、黒キクラゲに含まれていない水溶性食物繊維が含まれています。水溶性食物繊維は水に溶け、糖質の吸収をゆるやかにし、コレステロールの吸収を抑制したり排出を促進する効果があります。

便秘に悩む子や、食生活が偏っている子には白キクラゲがおすすめです。

細胞や被毛の健康維持をするビオチン

しめじには劣るものの、白キクラゲには、黒キクラゲより約3.3倍ものビオチンが含まれています。

ビオチンとは水溶性ビタミンの一種でビタミンB7やビタミンHなどともよばれ、主にキノコ類や肉類などに含まれています。ビオチンは新しい細胞を生成したり、粘膜や被毛の健康維持、爪の健康に関わっています。あの美しい楊貴妃が食べていたのも納得ですね。

犬はビオチンが不足すると皮膚が乾燥したり、フケがあらわれたり、アトピーを発症することがあります。

皮膚や被毛の保湿をするシロキクラゲ多糖体

白キクラゲには、シロキクラゲ多糖体とよばれる成分が含まれています。シロキクラゲ多糖体とは白キクラゲから抽出された天然の植物多様体のことで、保湿成分であるヒアルロン酸を上回るほどの高い保水力を持ちます。その性能を活かした化粧品も販売されています。また脂肪吸収の抑制、腸内環境の改善などの効果もあります。

白キクラゲを摂取することで、皮膚や被毛の保湿などが期待できます。長い間アトピーに悩んでいたり、皮膚に赤身や痒みがあったり、栄養バランスが崩れているなどに取り入れると良いでしょう。

ビタミンDとカルシウムの相乗効果

黒キクラゲに含まれるビタミンDは、白キクラゲの7倍以上、しめじの9.7倍以上、しいたけの22倍です。これから分かる通り、黒キクラゲはキノコ類の中でトップクラスの含有量です。

ビタミンDはカルシウムの吸収をサポートする働きを持ちます。犬はビタミンDを合成することができないので、食べ物から摂取しなければなりません。キクラゲはビタミンDとカルシウムが両方入っているので効率よくカルシウムを吸収することができ、歯や骨の形成をより丈夫なものにすることが期待できます。また免疫力向上にも効果があります。

黒キクラゲと白キクラゲ、どちらがおすすめ?

歯や骨を丈夫にしたい場合は黒キクラゲがおすすめです。

腸内環境を整えたり、皮膚や被毛をきれいに保ちたい場合は白キクラゲが良いでしょう。

犬田さん
黒キクラゲと白キクラゲにはさまざまな栄養が豊富に含まれています。摂取したい栄養素に応じて変えると良いでしょう。

キクラゲを与えるときの注意点

生キクラゲは必ず加熱する

犬にキクラゲを与えるときは、生キクラゲは加熱調理することが推奨されています。その理由は、キクラゲの栽培環境にあります。

キクラゲに限らずキノコ類の栽培環境は湿度70%・気温20℃前後であることが多く、また天然物のキクラゲも日陰でジメジメした場所に自生していることが多くあります。このような環境は細菌などの繁殖がしやすいため、食中毒を起こす恐れがあります。

そのため、犬にキクラゲを与えるときはよく洗って、必ず加熱調理するようにしましょう。

農林水産省でも、食品安全に関して下記を掲載しています。

消費段階において適切に水洗いし、必要な下処理(皮むきなど)をした上で、生食が行われることがあることを前提とした栽培・衛生管理を実施。

いも類、もやし、きのこ類、山菜類及び穀果類並びに一般的に生食の行われることのない農産物を除く。やまのいも、マッシュルーム、うるい、くるみ等一部生食が行われる例外あり。

農林水産省が行う食品安全に関する有害微生物のリスク管理における農畜水産物の生食(非加熱摂取)に対する考え方(案)

乾燥キクラゲは必ず水に戻す

犬にキクラゲを与えるときは、乾燥キクラゲは必ず水に戻しましょう。

乾燥キクラゲは水に戻すと約7倍にも膨れ上がります。乾燥キクラゲをそのまま食べてしまうと胃の中で膨張し、胃腸に多大な負担をかけることになります。嘔吐や下痢などの体調不良や、喉の詰まりなど重大な事故につながってしまうので与えてはいけません。

小さくカットする

生キクラゲは中毒となる成分が含まれていないので犬に与えても大丈夫ですが、胃腸に負担となり消化不良になります。生キクラゲは茹でるか炒めるなど加熱し、小さくカットして与えましょう。ドッグフードにトッピングしたり、おやつや手作り食の一つとして取り入れてみましょう。食物繊維が豊富なので、与えすぎにも注意してください。

まとめ

  • 白キクラゲには、水溶性と不溶性の両方の食物繊維が含まれている
  • シロキクラゲ多糖体は、保湿成分のヒアルロン酸を上回るほどの高い保湿力
  • ビタミンDとカルシウムの相乗効果で歯や骨を丈夫に
  • 食中毒を回避するため、生キクラゲは必ずよく洗い、加熱する

ABOUTこの記事をかいた人

古川菜々

愛玩動物飼養管理士2級、ペットセラピスト、ペット看護士、愛犬飼育スペシャリスト、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。帝京科学大学アニマルサイエンス学科卒業。文章を通して猫ちゃんの魅力を発信できること、また多くの飼い主さんの悩みや不安を解決できることに魅力を感じ、動物ライターという仕事を選びました。「飼い主さんのお力添えに。猫ちゃんの幸せの一助に。」をモットーに、私が書いた記事が飼い主さんと猫ちゃんの幸せのお手伝いになれば嬉しいです。