ドッグフードの原材料:ニシン(Herring)
ニシン(鰊:Herring)は、ニシン目ニシン科の体長30~35cm程の海水魚です。こぶまきや、ニシンの卵の数の子など日本でも広く食用されています。
味や風味は同じニシン科のイワシやサンマに近いものがありますが、ニシンは水分が多く鮮度が落ちやすいので、新鮮なうちに調理することが大切です。
かつては日本でも北海道で100万トン近くの漁獲されていましたが、1950年代には5万トンほどまで減ってしまい、現在の食用ニシンはアイスランドやノルウェー、ロシアからの輸入に頼っています。
ニシンを使用したドッグフード
ドッグフードでは比較的使用されやすい食材ですが、他の魚よりやや高価で、海外産のドッグフードでよく見られます。
日本では漁獲量が少ないので、国産ドッグフードではニシンはほとんど使用されません。
ニシンの栄養素と働き
成分分析値 | タンパク質 | 23g |
脂質 | 12g | |
ナトリウム | 115mg | |
カルシウム | 74mg | |
マグネシウム | 41mg | |
カロリー | 202kcal |
動物性タンパク質
ニシンには動物性タンパク質が豊富です。ニシンは水分が多く含まれていますが、それでもニシンはタンパク質を100g中23g含有し、全体の2割以上を占めています。
動物性タンパク質は、必須アミノ酸がバランスよく含まれているので、犬が効率的に利用できる栄養源となります。
オメガ3脂肪酸(DHAやEPA)が豊富
ニシンは青魚に分類されるので、オメガ3脂肪酸を豊富に含んでいます。オメガ3脂肪酸は炎症を抑える働きがあるので、皮膚の炎症や関節の痛みを抑えたり、被毛の健康維持に役立ちます。
他にも、脳や神経の活性化や認知機能の改善、運動機能の向上、血液をサラサラするなど様々な働きがあります。
カルシウムやマグネシウム、ビタミンB12が豊富
ニシンにはミネラルやビタミンも豊富で、カルシウム、リン、マグネシウム、亜鉛、動物性食品に豊富なビタミンB12などが含まれています。
ニシンを与える時の注意点
肥満の原因になるので与えすぎには注意
ニシンは脂質が豊富なので、肥満や体重管理をしたい犬にはあまりおすすめしていません。
オメガ3脂肪酸には血液をサラサラにしたり中性脂肪を抑制する働きがあるので、そこまで神経質になる必要はありませんが、それでも脂肪に変わりはないので、給与量には注意しましょう。
オメガ3脂肪酸は過酸化脂質になりやすい
また、オメガ3脂肪酸は良い作用が多くある一方、酸素と化合しやすく、酸化によって過酸化脂質を発生させやすい面もあります。
過酸化脂質は血液をドロドロにしたり細胞の生体膜を破壊するなど、犬の体によくない影響を与えるので、抗酸化作用のあるビタミンC、ビタミンE、クエン酸などをきちんと含有したドッグフードを選ぶのがおすすめです。
まとめ
- オメガ3脂肪酸が多い魚
- ドッグフードではよく見られる
- 与えすぎや酸化に注意