ドッグフードの小麦。栄養素と犬のアレルギー性、グルテンフリーとグレインフリーの違い

ドッグフードの小麦。栄養素と犬のアレルギー性、グルテンフリーとグレインフリーの違い

ドッグフードの原材料:小麦

小麦(Wheet)について

三大穀物で最もポピュラーな穀物の小麦は、ドッグフードでもよく使われる原材料の一つです。日本は米のイメージが強いですが、小麦はパンや洋菓子だけでなく、うどんや天ぷら、揚げ物、団子やまんじゅう等の日本食や和菓子としても、昔からよく食べられきました。

ドッグフードでも、小麦はドライフードだけでなくソフトドライフードやおやつ、犬用スイーツ(ケーキやクッキー等)など様々な犬用製品に使用されています。また、愛犬の手作り食でも小麦を使用したレシピがあります。

小麦のメリット

小麦はドッグフードの材料として使い勝手が良く、原料コストも肉や魚のような動物原料に比べて安いです。小麦を使うことでドッグフードの価格を安く抑えられているメーカーも多いかと思います。他の野菜や植物と比較しても育てやすく、常に安定した供給が期待できるため、ドッグフードの生産者としても利用しやすい原材料かと思います。

小麦の栄養素

炭水化物と植物性タンパク質が豊富

成分(分析値)小麦小麦粉小麦全粒粉
タンパク質10.6g8g12.8g
脂質3.1g1.7g2.9g
炭水化物72.2g75.9g68.2g
食物繊維10.8g2.5g11.2g
カロリー(100g)337kcal368kcal328kcal

小麦は犬が生命活動を正常に行うために必要なエネルギーの源となる炭水化物を多く含んでいます。

上の表は、小麦・小麦粉・全粒粉の栄養素を比較です。小麦粉は炭水化物が最も多くデンプンが豊富です。全粒粉は植物性タンパク質と食物繊維が豊富です。

グルテンフリーがすすめられる理由

グルテンとは

グルテン(Gluten:麩質)とは、小麦やライ麦に含まれるタンパク質で、粘着性と弾性の性質を持っています。グルテンは小麦やライ麦にそのまま含まれているわけではなく、小麦に含まれるグルテニンとグリアジンというタンパク質が水を吸収して網目状に結びつくことで作られます。

グルテンフリードッグフードとは、グルテンをつくるグルテニンやグリアニジンを含んだ小麦やライ麦を不使用にしたドッグフードに対して使われます。

アレルギー反応が出やすい

グルテンフリードッグフードが注目されている理由は、グルテンに対して犬がアレルギー反応を示すことがあるということが分かっているからです。穀物アレルギーの中でも小麦は発症しやすいアレルゲンとして知られています。

すべての犬が発症するわけではありませんが、発症すると皮膚のかゆみや炎症、脱毛、下痢や嘔吐などの症状を引き起こす可能性があるため、愛犬のアレルギー対策としてグルテンフリーのドッグフードまたはグレインフリードッグフードを選ぶ方が増えてきています。

グルテンフリーとグレインフリーの違い

グルテン含む麦のみか、穀類すべてか

ドッグフード製品を見ていくと、グルテンフリーとグレインフリーとよく似た言葉が聞かれますが、この二つはどう違うのでしょうか。

グルテンフリードッグフードはこれまで説明したように穀物の中でも小麦類のみを不使用にした製品ですが、グレインフリードッグフードはグルテンフリーも兼ねています。

グレインは穀物(Grain)に分類されるイネ科植物の種子を一切を不使用にした製品で、小麦もライ麦だけでなく、米やトウモロコシ、大麦、オーツ麦、そばなどすべてを不使用にした製品をいいます。

  • グルテンフリー:小麦やライ麦を不使用
  • グレインフリー:穀物すべてを不使用

ドッグフードをグレインフリーにまでする必要があるのかという疑問や、犬のグレインフリーの必要性については下の記事で解説しています。

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まとめ

  • 小麦はドッグフードでもメジャーな原材料
  • 原料コストが安く安定供給も見込める
  • 犬のエネルギー源となる炭水化物が豊富
  • グルテンアレルギーが懸念されて小麦不使用を求める人が増えている
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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。