目次
愛犬が便秘ぎみ、下痢ぎみ、消化不良など心配される方も多いのではないでしょうか。
この記事では腸内環境の重要性や、腸内環境に特化したドッグフード、その選び方について詳しく解説します。
犬の健康と腸内環境(intestinal environment)
腸内環境について
人と同じように、犬の腸内にも善玉菌や悪玉菌、中間の菌である日和見菌など多種多様な腸内細菌が生息しています。これらの腸内細菌の集合体のことを、腸内フローラ(正式名称:腸内細菌叢)とよびます。
腸内が健康な状態とは
「善」と「悪」という名前が付いていますが、善玉菌を増やせばいい・悪玉菌を減らせばいいというわけではなく、どちらも健康には欠かせない腸内細菌です。
腸内環境を健康な状態に保つには、善玉菌が優勢で悪玉菌が増えすぎないこと、腸内細菌がバランスよく生息していることが大切となります。また腸内には多くの免疫細胞が存在するため、良好な腸内環境は犬の免疫力の向上にもつながります。
腸内環境が悪化する原因と健康効果
腸内環境が悪化する原因
- 加齢
- 不適切な食事
- 運動不足
- ストレス
- 薬の処方
これらの原因により悪玉菌が必要以上に増殖すると腸内環境のバランスが崩れ、便秘や下痢、消化不良、アレルギー症状、皮膚トラブルなどさまざまな健康問題が引き起こります。さらに症状が長引くと慢性的な病気を引き起こす恐れがあります。
腸内環境が整うことで得られる健康効果
腸内環境が整うことで、犬の健康には多くのプラスの影響が期待できます。
・便通の改善:便の硬さが安定し、排便のスムーズになります
・消化不良の軽減:善玉菌が増えることで消化吸収がスムーズになり、下痢や嘔吐のリスクが減少します
・免疫力向上:善玉菌が活発になることで、腸内に存在する多くの免疫細胞の働きが促進され、免疫力が向上します
・皮膚と被毛の健康改善:体内の炎症が抑えられ、皮膚や被毛の状態が改善します
・アレルギー症状の軽減:食物アレルギーや環境アレルギーの症状が緩和されます
腸内環境を整えるための腸内細菌や成分
ドッグフードは犬が毎日摂取するエネルギー源・栄養源であり、その質によって腸内環境に大きく影響を与えます。そのため、腸内環境を整えるためには適切な成分が含まれているドッグフードを選ぶことが大切です。
とくに下記でご紹介する腸内細菌や成分は、腸内環境を整える効果が期待できます。
プロバイオティクス
例:ビフィズス菌、ラクトバチルス菌、エンテロコッカス菌など
プロバイオティクスとは善玉菌の一種で、善玉菌の補充や悪玉菌の増殖の抑制という働きを持ちます。腸内の消化吸収をサポートし、便の質を改善します。ビフィズス菌やラクトバチルス菌などが配合されたドッグフードは多く販売されています。
プレバイオティクス
例:食物繊維、イヌリン、オリゴ糖、アラビノガラクタンなど
プレバイオティクスとは腸内で善玉菌が増殖するためのエサとなる成分です。とくに食物繊維がプレバイオティクスの代表例で、消化されにくい繊維質が善玉菌の増殖を助けて活発化させ、便の形成や排便のリズムを整えるなど腸内環境の改善に貢献します。また腸内の炎症を抑え、腸壁の健康を保つ役割もあります。
高品質のタンパク質
例:鶏肉、ラム肉、魚肉、大豆などの動物性および植物性の高品質タンパク質
タンパク質は犬にとって重要なエネルギー源で組織や筋肉の構成や修復に欠かせない栄養素ですが、腸内環境を整えるためには消化しやすい良質なタンパク質を摂取することが大切となります。良質なタンパク質は消化吸収がスムーズで、便の質が改善され、腸内での腐敗を予防します。
低品質のタンパク質の過剰摂取・日常摂取は消化器官に負担をかけ、腸内環境を悪化させる原因となります。
オメガ3脂肪酸
例:魚油(サーモンオイルなど)、植物油(フラワーオイルや亜麻仁油、オリーブオイル、ひまわり油など)
オメガ3脂肪酸は抗炎症作用があり、腸内の炎症の抑制、腸壁の強化、腸内の細胞の健康維持などの働きを持ちます。
低アレルゲン食材
例:鹿肉、猪肉、カンガルー肉、ダックなどの新奇タンパク源
腸内環境を悪化させる原因として、食物アレルギーの発症が考えられます。食物アレルギーの発症は、過去に食べたことのある何かの食材のタンパク質に対して免疫が過剰反応し、消化不良や腸内環境の乱れを引き起こします。
そのため、アレルギーになりにくい低アレルゲン食材を使用したドッグフードを選ぶことも腸内環境の改善に効果的です。
その一つに、新奇タンパク質があります。新奇タンパク源とは犬がこれまで食べたことがない、または食べた経験が非常に少ないタンパク質のことです。そのため、新奇タンパク質は免疫が過剰反応を示す可能性が低く、アレルギー反応が起こりにくい傾向にあります。
とくに食物アレルギーを持つ犬に有効的です。
グレインフリー
犬は肉食に近い雑食なので穀物の消化が苦手ですが、多くのドッグフードには穀物類が使用されています。
穀物類を使用しないグレインフリーのドッグフードには動物性タンパク質が豊富に含まれているため、便秘や下痢、消化不良などの腸内トラブルの予防に効果的といえます。
腸内環境を整えるドッグフードの選び方
腸内環境を整えるためのドッグフードを選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。
成分表を確認する
上記でご紹介したプロバイオティクスやプレバイオティクス、高品質のタンパク質、オメガ3脂肪酸が含まれているかを確認しましょう。
添加物の少ないものを選ぶ
合成保存料や着色料、香料が多く含まれているフードは腸内環境を悪化させる可能性があります。できるだけ無添加のもの、または自然由来の保存料を使用しているフードを選びましょう。
犬の年齢や体調に応じたものを選ぶ
子犬やシニア犬、アレルギーを持つ犬など、それぞれのライフステージや健康状態に適したフードを選ぶことが大切です。腸内環境を整える目的であれば、成犬用、シニア犬用などのカテゴリーで腸内サポートを謳っている製品を探しましょう。
フードの切り替えはゆっくり
急に新しいフードに切り替えると、かえって腸内環境を悪化させる原因になることがあります。新しいドッグフードを導入する際には旧ドッグフードと混ぜつつ、徐々に量を増やし、愛犬が慣れるまで時間をかけて切り替えましょう。
切り替える期間は、1~2週間が目安となります。
まとめ
そうですね。プロバイオティクスやプレバイオティクス、高品質のタンパク質、オメガ3脂肪酸、低アレルゲンの食材を使ったドッグフードを選んであげましょう。
腸内環境が整えば、消化不良や免疫低下といった問題が軽減され、愛犬はより健康的で快適な生活を送ることができます。
下記の記事では、犬の健康に配慮したドッグフードのランキングです。愛犬に合った腸内環境をサポートするドッグフードを見つけて、毎日の食事に取り入れてみてください。