ドッグフードの原材料:ベニソン(鹿肉)
鹿肉(ベニソン)は、高タンパクで低脂質な肉質で、近年ドッグフードの主原料として人気の高い原材料です。
狩猟によって捕獲された動物たちの命を無駄にしないための活動としても注目を集め、地方団体や企業が鹿肉を利用したペットフード産業に進出する例も増えてきました。
ジビエは自然界の動物を利用するため、家畜動物のように生まれた時から食べ物や環境を寄生虫や感染症などのリスクはあるものの、鹿は運動量が多く基礎体温も高いため、菌が繁殖しにくく寄生虫のリスクが低い安全な原料として考えられています。
ベニソンを使ったドッグフード
高タンパクかつ非常に低脂質なヘルシー食材
鹿肉の脂質量は牛肉の6分の1、カロリーは半分以下
鹿肉を使ったドッグフードは、高タンパクでありながら非常に低脂質です。牛肉と比較すると、鹿肉の脂質量は6分の1で、カロリーも半分以下です。
鹿は囲いのない自然豊かな広大な土地で暮らしているので、運動量が非常に多く、脂肪が少なく赤身部分が多くなります。
このため高タンパクでありながら脂質が少ないヘルシーな肉質になります。
犬の食物アレルギーの抗原になりにくいと考えられる
犬は鹿肉の摂食歴が低いため
犬において、アレルギーを引き起こしやすい食物はまだ明らかになっていません。このため犬において食物アレルギーを疑った場合、これまでに与えたことのない食物を与え、症状が改善するかどうかを確認します。この試験には、これまでの人間の食文化から考えた時に、犬にとっても摂取歴が低いと考えられる動物性タンパク質を用います。
鹿肉の場合、犬がオオカミだった時代、集団で鹿を狩猟し捕食していた可能性はあります。しかし一万年以上前から人と暮らし、人と食生活を共にしてきた歴史から考えると、何十世代も遡ったとしても、鹿肉を食べていたという犬はほとんどいないことが予想できます(猟師に飼われていた犬が親なら別かもしれませんが…)。
このため鹿肉もアレルギー除去食に利用できると考えられます。
ただ牛肉アレルギーの場合、他の動物肉にも言えることですが、鹿肉と牛肉は交差反応を示すことがあります。このため、牛肉アレルギーの場合は鹿肉に対しても症状が出てしまう可能性はあります。
まとめ
- ジビエ肉としてドッグフードでも人気が高い
- 高タンパク・低脂質(脂質は牛肉の6分の1)
- 基礎体温が高く寄生虫のリスクが低い