犬の腸内環境を改善するプレバイオティクスとは?ドッグフードのオリゴ糖やイヌリンの働き

ドッグフード プレバイオティクス

プレバイオティクス(Prebiotics)とは

プレバイオティクスの定義

プレバイオティクスとは、大腸内の特定の細菌の増殖・成長させ、宿主に有利な影響を与えることで宿主の健康を改善する難消化性食品成分です。

公益財団法人腸内細菌学会の文献によると、プレバイオティクスの条件は以下の3つです。

(前略)すなわち、プレバイオティクスは大腸内の特定の細菌の増殖および活性を選択的に変化させることより、宿主に有利な影響を与え、宿主の健康を改善する難消化性食品成分と定義した。プレバイオティクスに要求される条件は以下の通り。

  1. 消化管上部で加水分解、吸収されない。
  2. 大腸に共生する一種または限定された数の有益な細菌(ビフィズス菌等)の選択的な基質であり、それらの細菌の増殖を促進し、または代謝を活性化する。
  3. 大腸の腸内細菌叢(フローラ)を健康的な構成に都合の良いように改変できる。
  4. 宿主の健康に有益な全身的な効果を誘導する。

引用元:プレバイオティクス(prebiotics)|公益財団法人 腸内細菌学会

プレバイオティクス一覧

現在、オリゴ糖や一部の食物繊維がプレバイオティクスとしての要件を満たす食品成分として認められています。

  • ガラクトオリゴ糖
  • フラクトオリゴ糖
  • 大豆オリゴ糖
  • 乳果オリゴ糖
  • キシロオリゴ糖
  • イソマルオリゴ糖
  • ラフィノース
  • ラクチュロース
  • コーヒー豆マンノオリゴ糖
  • グルコン酸
  • ポリデキストロース
  • イヌリン
  • ケストース

最もよく利用されるプレバイオティクスとしては難消化性のオリゴ糖類が有名で、他プロピオン酸菌による乳清発酵物なども挙げられます。

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プレバイオティクスの効果と働き

プレバイオティクスの摂取により、乳酸菌・ビフィズス菌増殖促進作用、整腸作用、ミネラル吸収促進作用、炎症性腸疾患への予防・改善作用などの人の健康については有益な効果が多く報告されています。

  • 整腸・便通改善(ビフィズス菌・乳酸菌・酪酸菌増殖、菌叢改善)
  • 腸管免疫増強
  • 大腸がん・炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)の予防/改善
  • 短鎖脂肪酸産生
  • pH低下
  • 腐敗産物抑制
  • ミネラル吸収促進
  • 尿中窒素低減
  • 血中アンモニア低減
  • 抗脂血作用
  • インスリン抵抗性の改善
  • アレルギー抑制

プレバイオティクスは、大腸内の善玉菌の餌となって成長や増殖を促進し、腸内環境(細菌叢・腸内フローラ)を整える働きがあります。

免疫細胞の約70%は腸管免疫として腸内に存在するので、腸内環境を整えることで免疫力の維持や増強にもつながります。

他にもプレバイオティクスには上記のような様々な効果や働きが期待されています。

セルロースはプレバイオティクスではない

セルロースは、不溶性食物繊維として腸内の不要物を掃除したり便通促進に役立つとされていますが、腸内細菌の餌となって善玉菌の増殖や成長を促すわけではないことから、プレバイオティクスには含まれません。

しかし同じ食物繊維源のビートパルプは、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方をバランス良く併せ持ち、腸内の掃除をしつつ善玉菌の餌となるので、プレバイオティクスと呼ばれることもあります。

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まとめ

  • プレバイオティクスは乳酸菌などの善玉菌の増殖や成長を助ける食品成分
  • オリゴ糖や一部の食物繊維が認められている
  • セルロースはプレバイオティクスではない
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鈴木利奈

一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。