ドッグフードのオリーブオイル。皮膚・被毛・免疫系のサポートに!おすすめの与え方と注意点

ドッグフードのオリーブオイル。皮膚・被毛・免疫系のサポートに!おすすめの与え方と注意点

ドッグフードの原材料:オリーブオイル(olive oil)

植物性油脂のひとつ

オリーブオイルとは、地中海沿岸を原産とする常緑樹オリーブ(Olea europaea)の果実から採取される植物油です。果実を圧搾して得られるオイルは、古代から食用や医療、化粧品として重宝されてきました。

とくにエクストラバージンオリーブオイルは、果実を低温で搾った未精製の高品質油で、香りや栄養が豊富です。

オリーブオイルを直接塗布していた

古代ローマの一部では、犬の毛並みを美しく保つために、オリーブオイルを直接塗布してマッサージする習慣があったとされています。人間と同じく「つや出しオイル」として利用されていたとか。

オリーブオイルが原材料のドッグフード例

オリーブオイルはさまざまなドッグフードやおやつの原材料に使用されています。

原材料欄にはオリーブオイルの他に、オリーブ油オリーブ果実油精製オリーブ油などと表記されます。また、オメガ9脂肪酸源として配合されている場合はオリーブオイル(オメガ9脂肪酸源)とも記載されます。

など

オリーブオイルの栄養素と犬への健康効果

100gあたりの栄養素
エネルギー894kcal
たんぱく質0g
脂質100g
βカロテン180μg
ビタミンK42μg
ビタミンEαトコフェロール7.4mg
βトコフェロール0.2mg
γトコフェロール1.2mg
δトコフェロール0.1mg
リノール酸6600.0mg

※出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

皮膚・被毛・免疫系のサポート

オリーブオイル専門メディア「Olive Oil Times」(2024年)によると、エクストラバージンオリーブオイルを犬に少量与えることで、皮膚の乾燥を防いでかゆみやフケを抑えるほか、被毛に自然なツヤを与える働きがあるとされます。

また、オレイン酸やポリフェノールによる抗炎症作用は、関節の違和感や慢性的な炎症の緩和にもつながる可能性が示唆されています。

さらに、ビタミンEなどの抗酸化成分が心血管系や免疫系の健康維持にも貢献すると考えられており、とくにシニア犬の健康サポートに役立つと注目されています。

参考:Olive Oil Health Benefits for Dogs

炎症性疾患のサポート

エクストラバージンオリーブオイルに含まれるポリフェノールの一種「オレオカンタール」は、COX-1およびCOX-2酵素の活性を阻害する作用が確認されています。

これは、関節炎や筋肉の炎症などの慢性炎症性疾患に対し、痛みや腫れの緩和を促す仕組みに近く、自然由来の抗炎症成分として注目されています。

参考:Olive-oil-derived oleocanthal enhances β-amyloid clearance as a potential neuroprotective mechanism against Alzheimer’s disease: in vitro and in vivo studies

オレイン酸が豊富

オリーブオイルは、一価不飽和脂肪酸の一つであるオレイン酸を豊富に含む油脂として広く知られています。

アメリカ農務省の栄養データベースによれば、エクストラバージンオリーブオイルの脂肪酸のうち約70〜75%がオレイン酸を占めています。オリーブオイルは他の植物性油脂(例:大豆油やコーン油)に比べてオレイン酸が非常に多く、酸化しにくく、犬の体にやさしい脂質源として注目されています。

ちなみに、日本の食品成分データベースにはオリーブオイルのオレイン酸含有量が「ー」となっていることがありますが、これは分析対象外または公開データ未収録であることを意味し、オレイン酸を含んでいないということではありません。

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犬はオリーブオイルを食べても大丈夫?

食べても大丈夫!ただし注意が必要

オリーブオイルは、犬が食べても大丈夫な植物性油脂の一つです。とくにエクストラバージンオリーブオイルは、オレイン酸やビタミンE、ポリフェノールなどの栄養素を豊富に含んでいます。

また、オリーブオイルにはアレルギーの発症原因となるタンパク質が含まれていないため、アレルギーの発症リスクは低いと言えます。

しかし、いくら体に良いとはいえ、脂質はカロリーが高いため、与えすぎると肥満や下痢、膵炎のリスクが高まります。持病がある場合や体調に不安がある場合は、必ず獣医師に相談してから取り入れるようにしましょう。

犬へのおすすめの与え方

オリーブオイルを犬に与える場合は、添加物のないエクストラバージンオリーブオイルが理想です。与え方としては、普段のドッグフードや手作りごはんに数滴〜小さじ1杯ほど加えるのが一般的です。

毎日与える必要はなく、週に2〜3回程度の「補助的な油脂」として使うのが安心です。また、加熱調理には使わず、生のままトッピングする方が栄養素を損なわずに摂取できます。

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2020年4月8日

まとめ

  • オリーブオイルはオレイン酸が豊富で、高品質な植物油
  • 犬に与えると皮膚や被毛の健康維持、免疫系のサポートに
  • ポリフェノールの一種「オレオカンタール」は抗炎症作用を持つ
  • 高カロリーなので、肥満や消化不良を防ぐには少量の使用が基本

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帝京科学大学アニマルサイエンス学科卒業。愛玩動物飼養管理士2級、ペットセラピスト、ペット看護士の資格を取得。ドッグフード勉強会ディレクターとして、わんちゃんの栄養や病気、生態、ドッグフードなどの情報を提供しています。わんちゃんの魅力を発信し、飼い主さんの悩みや不安を解決することで、わんちゃんと飼い主さんの幸せのお手伝いになれれば嬉しいです。