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ドッグフードの原材料:猪(wild boar)
ドッグフードの原材料として使われる肉類。これまで使用される肉類は主に牛、豚、鶏、ミートミールなどで選択肢はそこまでありませんでしたが、現在は国内外問わず、猪肉や鹿肉、馬肉、カンガルー肉など自然の中で生きていた動物、いわゆるジビエ肉が使用されることも多くなりました。
とくに猪肉は他の肉類に比べて低カロリー・低脂質で、ビタミンも豊富に含まれています。
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猪肉はアレルギーが起きにくい希少性タンパク質
私たちの身近な家畜の肉(牛肉や豚肉、鶏肉など)以外のタンパク質源を、希少性タンパク質といいます。例えば猪肉や鹿肉、馬肉、カンガルー肉、ワニ、カエル、食用昆虫などが挙げられます。
希少性タンパク質を使用したドッグフードの一番のメリットは、食物アレルギーの発症のリスクを避けられることです。
アレルギーとは食べ物のたんぱく質に対して体内の免疫が過剰反応して症状が出ることで、最悪の場合は命に関わります。
希少性タンパク質は日常的に摂取する機会が少ないため、免疫が過剰反応するリスクは低いといえます。そのため、牛肉や豚肉にアレルギーが出る、またはアレルギーの可能性がある犬でも食べられることがあります。
動物病院などのアレルギー検査により食物アレルゲンが判明しているのであれば、希少性タンパク質を使用しているドッグフードの選択も視野に入れて良いと思います。
とはいえ、絶対にアレルギーが起こらないとは限りません。とくに猪に近い種族の豚肉にアレルギーがある犬には十分な注意が必要となります。
猪肉の栄養素とメリット
下表は猪肉、豚肉、牛肉100gの栄養素です。
(猪肉/脂身つき/生、豚肉/脂身つき/生、和牛肉/赤肉/生)
猪肉 | 豚肉 | 和牛肉 | ||
---|---|---|---|---|
エネルギー | 249 | 237 | 294 | kcal |
タンパク質 | 18.8 | 17.1 | 17.1 | g |
脂質 | 19.8 | 19.2 | 25.8 | g |
鉄分 | 2.5 | 0.6 | 2.0 | mg |
ビタミンB1 | 0.24 | 0.63 | 0.07 | mg |
ビタミンB2 | 0.29 | 0.23 | 0.17 | mg |
ビタミンB6 | 0.35 | 0.28 | 0.35 | mg |
ビタミンB12 | 1.7 | 0.5 | 1.4 | μg |
※出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
猪肉を原材料として使用するメリット
低カロリー・低脂質・高たんぱく
猪肉は家畜と違って自然の中を走り回って育っているため、脂肪が格段に少ないのが特徴です。そのため、他の肉類と比べて低カロリー・低脂質・高たんぱくです。
散歩や運動が好きで運動量が多い犬、カロリーや脂質を抑えたいダイエット中の犬におすすめです。
豚肉より鉄分が約4倍
猪肉は牛肉よりも約1.2倍、豚肉よりも4倍の鉄分が含まれています。
鉄分は血液を構成する成分なので、貧血の予防となります。
豚肉よりビタミンB12が約3倍
猪肉は牛肉よりも約1.2倍、豚肉よりも3.4倍のビタミンB12が含まれています。
ビタミンB12は別名コバラミンともよばれ、赤血球の形成やタンパク質の合成などの生化学反応をサポートする酵素です。
猪肉を原材料として使用するデメリット
摂取しすぎると下痢になる
たんぱく質は犬の健康に欠かせないものですが、摂取しすぎると腸内のタンパク質濃度が高くなることでバランスを取ろうと水分が溜まり、下痢になる恐れがあります。これを浸透圧性下痢といいます。
猪肉特有の臭みの影響か、犬は猪肉が入ったドッグフードへの食いつきが良い傾向にあります。喜ぶ犬の姿を見て与えすぎてしまうかもしれませんが、日常摂取や過剰摂取は避け、便の様子を確認するようにしましょう。
とくに胃腸機能が未発達の子犬、胃腸機能が衰えているシニア犬には注意が必要です。
腎臓病の犬は控える
腎臓病を患っている犬は、治療においてたんぱく質の摂取量を制限しなければなりません。そのため、たんぱく質を多く摂取してしまうと、体内で分解された尿素を濾過する腎臓に大きな負担となります。
与える際は獣医師に相談しましょう。
まとめ
- 猪肉は低カロリー・低脂質・高たんぱくで、鉄分やビタミンBが豊富
- 希少性たんぱく質なのでアレルギーが起こりにくい
- たんぱく質の過剰摂取は下痢になったり、腎臓に負担をかける