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ドッグフードの原材料:オリゴ糖(Oligosaccharide)
腸内環境を整え免疫力の維持に役立つ
オリゴ糖とは単糖がいくつか結合した少糖類の総称で、大腸で善玉菌の餌となって腸内環境を整えたり、免疫力の健康維持など体全体の健康を保つ働きのある機能性原材料です。
ドッグフードではプレバイオティクスとして、マンナンオリゴ等(MOS)やフラクトオリゴ等(FOS)がよく配合されています。
「糖」と聞くと体によくないと考える方もいますが、オリゴ糖は体内に入るとエネルギーとしては吸収されないので、オリゴ糖によって犬が太ったり血糖値が上昇することはありません。
フラクトオリゴ糖とガラクトオリゴ糖はトクホの認証あり
フラクトオリゴ糖とガラクトオリゴ糖は、消費者庁より上記のプレバイオティクス作用が認められ、規格基準型特定保健用食品(トクホ)の認証が与えられています(当時は厚生労働省)。
マンナンオリゴ糖(MOS)は研究や調査によって効果や作用が報告されているものの、特定保健用食品への登録はありません。
マンナンオリゴ糖(MOS)
マンナンオリゴ糖(MOS:Mannan oligosaccharide)は、腸内の悪玉菌を吸着し体外への排出することで、腸内環境を良い状態に保つ働きがあります。
グルコースとマンノースから構成される水溶性食物繊維のひとつで、マンナンオリゴ糖(MOS)サプリメントは、様々な動物や家畜への投与実績から安全性が高く、また成長能力と体重を改善する働きが期待されています。
悪玉菌が腸粘膜に留まることなく排泄されることで、腸内の環境が保たれると、腸内の免疫細胞が正常に機能するので、免疫力の維持にも繋がります。
フラクトオリゴ糖(FOS)
フラクトオリゴ糖(FOS:Fructo oligosaccharide)は、腸内のビフィズス菌などの善玉菌の増加を助け、便臭改善や便通を整えるなど整腸作用があります。また、たんぱく質の消化吸収の促進、ミネラルの吸収の促進、脂質代謝の改善、アレルギーの改善効果も期待されています。
また、フラクトオリゴ糖は血糖値を上げにくく、虫歯の原因にもならないと言われています。
ショ糖に果糖(フルクトース)が結合した植物由来の難消化性オリゴ糖で、チコリやヤーコンの根に含まれるイヌリンから製造されるか、スクロースを原料としています。
ガラクトオリゴ糖(GOS)
ガラクトオリゴ糖(GOS:Galacto oligosaccharide)は、消化管内でビフィズス菌を増加させて腸内菌叢改善、腸内の腐敗産物の産生を抑制するなど整腸作用を始め、ミネラル吸収促進や脂質代謝を改善する効果があります。
画像引用元:ガラクトオリゴ糖のイヌおよびネコの糞便性状に及ぼす影響|農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター
イヌでは、投与により前例において糞便性状に変化が見られた。すなわち、糞便の軟化が翌日から前例において認められた。糞便の軟化は、オリゴ糖の投与期間中持続した。
-中略-
細菌検査では Streptococus sp. および Lactobacillus sp. の2菌種において、投与期間中、全例で増加を示した。Lactobacillus sp.は投与30日目で最優勢菌群となった。
鳥取大学農学部研究報告によると、50%以上含有した難消化吸収性のガラクトオリゴ糖を便秘傾向のある犬6頭に30日間投与した結果、全例において糞便の軟化が翌日から認められました。便の軟化はオリゴ糖の投与している間持続し、細菌検査では善玉菌のラクトバチルス属(Lactobacillus sp. )乳酸菌が最優勢菌群となりました。
上記の投与試験から糞便の軟化と便秘、また腸内環境の改善が期待できることがわかります。
乳製品に含まれるガラクトースがひとつ結合した3糖のオリゴ糖で、チーズ製造時に副産物であるチーズホエーを原料とし、ラクトースから微生物の生産するβ-ガラクトシダーゼから製造されています。
ガラクトオリゴ糖は熱に強く、調理や保存中に損失することが少ないため、ドッグフードやサプリとしても利用しやすい原材料です。
オリゴ糖を使用したドッグフード例
- ソルビダドッグフード
- リガロドッグフード
- ユーカヌバドッグフード
- このこのごはん
- ウィリアムドッグフード
- ファムタイズ
- セレクトバランス
- ファインペッツ
- 犬猫生活ドッグフード
- エルモ(ELMO)
- ロイヤルカナン
- カナガン
- FORZA10(フォルツァディエイチ)
まとめ
- オリゴ糖は消化酵素によって分解されず腸まで届き腸内環境を整える
- 安全性が高い機能性原材料でドッグフードにも広く利用されている
- フラクトオリゴ糖とガラクトオリゴ糖はトクホ認定