近年、ペットフード市場ではさまざまな製造方法が開発されていますが、その中でも今回は「ベイクド製法」についてご紹介します。他の製法と比べてどのようなメリットやデメリットがあるのかを理解することで、愛犬にとって最適なドッグフードを選ぶことができます。
ベイクド製法の特徴や仕組み、栄養面への影響、そして選び方のポイントを解説していきます。
ベイクド製法とは?
低温でじっくり焼き上げる調理法
ベイクド製法とは、低温のオーブンでじっくりと時間をかけて原材料を焼き上げる製造方法です。「オーブンベイクド製法」と表記されることもあります。
欧米を中心とした海外市場ではベイクド製法のドッグフードが比較的多く見られ、とくにナチュラル志向や高品質を重視する飼い主のニーズに応える形で採用されています。低温でじっくり調理することで栄養素の変性を抑えやすく、香ばしさを引き出すベイクド製法は、プレミアムフードのカテゴリーとして位置付けられることが多いのも特徴です。
保存性やコスト面で課題はあるものの、健康意識の高い飼い主から支持を集め、輸入製品として日本でも少しずつ見かけるようになっています。
- ロータス ドッグフード
- オーブンベイクド トラディション
- ライトリーベイクド
- ボニオ(犬用ビスケット)
日本の主流はエクストルーダー製法
一方、日本で流通している多くのドッグフードは、高温高圧で短時間に大量生産できる「エクストルーダー製法」で作られています。大手ドッグフードメーカーの多くがエクストルーダー製法を採用しているため、国内市場で最も一般的な製法となっています。
エクストルーダー製法は安定した品質を保ちやすく、長期保存もしやすい点がメリットです。またベイクド製法に比べてコストを抑えられるため、手に取りやすい価格帯の商品が多く、幅広い犬種や年齢層に対応した豊富なラインナップが揃っています。
ベイクド製法 | エクストルーダー製法 | |
---|---|---|
調理温度 | 低温(約90〜150℃) | 高温高圧(約200℃前後) |
調理時間 | 長時間(じっくり) | 短時間(数分) |
栄養素 | 保持しやすい | 一部が損失しやすい |
食感 | サクッと香ばしい | カリッとした粒状 |
価格 | 高め | 比較的安価 |
保存性 | やや短め | 長期保存しやすい |
ベイクド製法のメリット・デメリット
ベイクド製法のメリット
・栄養価の保持
低温調理により、ビタミンCやB群、オメガ脂肪酸など熱に弱い成分の損失が少なくなります。とくに皮膚や被毛の健康維持に必要な脂肪酸を守りやすいのは大きな利点です。
・高い嗜好性
オーブンで焼くことによって、犬が好む香ばしい香りが引き出されます。偏食気味の犬でも興味を持ちやすいのは飼い主にとって嬉しいポイントです。
・消化へのやさしさ
原材料の加熱が均一ででんぷん質がしっかり糊化するため、消化効率が高まります。消化器系に負担をかけにくく、胃腸が弱い犬にも比較的与えやすいとされています。
・添加物を抑えやすい
製法上、素材本来の味や香りが生きるため、人工的な香料や着色料を多用する必要が少なくなります。結果的にナチュラル志向のドッグフードになりやすい傾向があります。
ベイクド製法のデメリット
・価格の高さ
最大のデメリットはコストです。製造に時間がかかるため、従来のドライフードよりも割高になります。毎日の食事として長期的に与える場合、家計への負担が増す可能性があります。
・保存性の課題
油脂の酸化が進みやすく、賞味期限が比較的短めに設定されていることがあります。開封後は密閉容器で保管し、早めに使い切る必要があります。
・市場での選択肢が少ない
まだメジャーな製法ではないため、選べる銘柄が限られています。犬の体質や好みに合わせて幅広く比較したい飼い主には、やや選択肢が少なく感じられるかもしれません。
まとめ
- ベイクド製法は低温でじっくり焼き上げ、栄養素の変性を抑える
- 香ばしい香りと食感により嗜好性が高く、偏食やシニア犬にも向く
- デンプンが均一に糊化し、消化吸収がしやすく胃腸に優しいフード
- 製造コストが高く価格も高めで、保存期間が短めな点には注意が必要
- 日本では少数派だが、海外ではオーブンベイクド製法が広く採用