ドッグフードのGMOフリーとは?遺伝子組み換えの危険性と選び方のポイント

ドッグフードのGMOフリーとは?遺伝子組み換えの危険性と選び方のポイント

古川さん
ドッグフードを調べていたら、パッケージやサイトなどに「GMOフリー」と書いてありました。GMOフリーってなんですか?

犬田さん
近年ではグレインフリーやグルテンフリーなど「○○フリー」の表記を見かけることが増えてきましたね。その中でも今回は、GMOフリーについて解説します。

GMOフリーとは

GMOとは、遺伝子組み換え作物「Genetically Modified Organism」の頭文字をとった言葉です。

  • Genetically:遺伝的に
  • Modified:修正された
  • Organism:作物

つまり、GMOフリーは遺伝子組み換え作物を原材料に使用していない製品のことです。

ドッグフードの原料には、とうもろこしや大豆、菜種といった穀物や油脂類が使われることが多く、これらは世界的に遺伝子組み換えの対象作物となっているため、ドッグフード選びにおいて重要なチェックポイントとなります。

遺伝子組み換え作物とは

他の遺伝子と組み換えること

遺伝子組み換え作物とは、生物の遺伝子を他の遺伝子と意図的に組み換えて、特定の性質を持たせた作物のことです。遺伝子組み換え操作は大豆やとうもろこし、ジャガイモなどの作物を品種開発するときに行われ、新種の作物や品種が誕生します。

人間の食料や家畜飼料の分野では広く利用されており、アメリカやブラジル、カナダなどでは遺伝子組み換え作物が農業の主流となっていますが、EUや日本などでは表示規制が設けられています。

参考:安全性審査を行った食品等一覧表PDF|厚生労働省

遺伝子組み換えのメリット

  • 病害虫や除草剤への耐性を持たせる
  • 成長スピードや収穫量を高める
  • 干ばつなど厳しい環境でも育ちやすくなる

このように、遺伝子組み換えによって効率よく丈夫な作物が開発されたため、最小限の農薬とコストで安定した量の作物を収穫できるようになりました。

ただし、こうしたメリットがある一方で安全性や環境への影響などの懸念もあるため、ドッグフード業界でもGMOフリーのニーズが高まっています。

遺伝子組み換えの危険性・懸念点

慢性的な毒性の恐れ

遺伝子組み換えの作物は基本的に長期の毒性試験は行われないため、継続的・長期的に摂取することで犬にどのような影響があるかが定かではありません。

D-5 毎日食べる食品に用いられる遺伝子組換え食品は、高い安全性を確保する必要がありますが、長期の毒性試験(慢性毒性試験)を行っていないのはなぜですか。

安全性評価基準では、組換えDNA技術を応用して生産された食品(遺伝子組換え食品)の安全性審査においては、一律に毒性試験が不要であるという扱いになっているものではなく、慢性毒性試験等は必要に応じて実施されるべきであるとされています。

引用元:遺伝子組換え食品Q&Aー厚生労働省医薬食品局食品安全部

人間は雑食なので毎日同じものを食べ続けることは少ないですが、犬は基本的に同じドッグフードを毎日食べているため、もし原材料に毒性や有害物質が含まれていた場合、継続的に摂取することで人間以上に体への影響が大きくなる可能性があります

アレルギーや消化不良のリスク

遺伝子を組み換えることで本来含まれないタンパク質が生成される場合があり、これが新たなアレルゲンとなる可能性が指摘されています。犬は人間に比べて消化機能がシンプルであるため、未知のタンパク質に対して敏感に反応するケースも懸念されます。

GMOフリーのドッグフードを選ぶメリット

アレルギー発症のリスクが低い

GMOフリーのドッグフードを選ぶ大きなメリットのひとつに、アレルゲンのリスクが低いことが挙げられます。

遺伝子組み換え作物では、本来その作物に含まれていないタンパク質が犬にとって未知のアレルゲンとなる可能性があります。犬は人間に比べて食物に対する耐性が限られており、消化機能もシンプルなため、新規のタンパク質に敏感に反応することがあります。

GMOフリーのドッグフードであればこうした予期せぬアレルゲンを避けられるため、アレルギー体質の犬や皮膚トラブルが起こりやすい犬にも安心して与えやすい点が魅力です。

原材料の追跡性がもたらす安心感

GMOフリーのドッグフードは、単に「遺伝子組み換え作物を使っていない」というだけでなく、その証明のために原材料の管理体制がしっかり整えられている点も特徴です。

遺伝子組み換えでないことを保証するには、栽培方法や仕入れ先、輸送ルートまで追跡できる体制(トレーサビリティ)が必要になります。そのため、GMOフリーを掲げるドッグフードは、原料がどこで育てられ、どのような工程を経て製造されたかを明確に示すケースが多く、品質への信頼性が高いです。

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2025年8月27日

GMOフリーのドッグフード例

など

まとめ

  • GMOフリーとは遺伝子組み換え作物を原材料に使用していない製品
  • 遺伝子組み換えは長期的影響が不明で健康リスクが懸念される
  • アレルギーや消化不良、農薬残留のリスクを避けられる可能性

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帝京科学大学アニマルサイエンス学科卒業。愛玩動物飼養管理士2級、ペットセラピスト、ペット看護士の資格を取得。ドッグフード勉強会ディレクターとして、わんちゃんの栄養や病気、生態、ドッグフードなどの情報を提供しています。わんちゃんの魅力を発信し、飼い主さんの悩みや不安を解決することで、わんちゃんと飼い主さんの幸せのお手伝いになれれば嬉しいです。