ドッグフードのオキアミ(Krill)
オメガ3脂肪酸の優れた供給源となるプランクトン
オキアミは、エビによく似た甲殻類のプランクトンで、見た目はエビによく似ています。
必須脂肪酸のオメガ3の優れた供給源としてペットフードにもよく使用されていて、「オキアミ」という名前に聞き馴染みがない方も多いかもしれませんが、オキアミは私たちも日頃口にしている身近な食材です。
オキアミは養殖魚や釣りの餌、エビ加工品にも代用されている
オキアミは、養殖魚や観賞魚、また釣りの餌の原料としてもよく利用されています。
また、オキアミは漁獲後の劣化が早いため、エビのように生鮮食品としての流通は稀ですが、赤い色素成分であるアスタキサンチンを多く含んでいるので、加工食品にはサクラエビの代用品としてオキアミが使用されています。
オキアミとエビの違い
ちなみに、エビとオキアミは姿こそ似ていますが、ヒゲの有無など細かい見た目の違いの他、生物的な関係性も異なります。オキアミとエビは非捕食者・捕食者の関係にあたります。
オキアミはプランクトンであり、自分よりさらに小さいプランクトンを食べていますが、エビはオキアミを食べることもあるので、オキアミにとってはエビは、同等という感じではなく、とって食われるかもしれない恐ろしい存在です。
オキアミを使用したドッグフード例
オキアミの栄養
オキアミは栄養価に優れ、下で紹介するオメガ3やアスタキサンチンの他、ビタミンやミネラルも豊富に含まれています。
成分 | タンパク質 | 15g |
脂質 | 3.2g | |
炭水化物 | 0.2g | |
カルシウム | 360mg | |
マグネシウム | 85mg | |
リン | 310mg | |
銅 | 2.3mg | |
ビタミンB12 | 6.2μg | |
ビタミンE | 2.5mg | |
カロリー | 94kcal |
DHA・EPAなどオメガ3が豊富
オキアミは魚に多く含まれるDHA・EPAが豊富です。オメガ3(DHA・EPA)は必須脂肪酸であり、皮膚や被毛の健康維持に必要不可欠で、肥満予防や血液をサラサラにして生活習慣病を予防するなどの効果が期待できます。
また、DHAは脳や神経に良い影響を与え、脳を活性化させて記憶力を上げたり、判断力や学習能力を高める効果があることがわかっています。またオメガ3は認知症やアルツハイマーの改善が期待できることが認められています。
抗酸化作用があるアスタキサンチンが豊富
またオキアミには甲殻類やサーモン等に多く含まれる赤い色素成分「アスタキサンチン」が豊富ですが、アスタキサンチンは非常に強い抗酸化作用があり、活性酸素の産生と細胞の劣化を防効果が期待されています。
エビやカニのアレルギーでもオキアミは食べられる?
オキアミは与えてもOK
愛犬がエビやカニにアレルギー反応が出た場合でも、オキアミは除外する必要はありません。
エビやカニは同じ甲殻類で見た目も似ていますが、エビやカニに含まれるアレルギー物質「トロポミオシン」というタンパク質をオキアミは含んでいません。
オキアミの甲殻類との交差反応性は1.2%
また、犬を対象とした調査ではありませんが、以下の資料によると、エビやカニなどの甲殻類との反応性ではオキアミは1.2%と他の魚介類と比べても、交差反応性が低いことが確認されています。
ただ念のため、なるべく抗原となりうる食材を排除して回復をはかりたいということであれば、エビやカニに遺伝子が近いオキアミも排除するのは賢明かもしれません。
まとめ
- エビに似たプランクトン
- オメガ3脂肪酸が豊富
- 強い抗酸化作用があるアスタキサンチンが豊富
- エビやカニにアレルギーがあっても与えてOK