犬種別ドッグフードとは?特徴や選び方、全犬種用との違いを解説

犬種別ドッグフードとは?特徴や選び方、全犬種用との違いを解説

古川さん
普段、愛犬には全年齢・全犬種対象の総合栄養食を与えているのですが、犬種別ドッグフードもあるんですね!

犬田さん
犬の体質やかかりやすい病気には犬種ごとの傾向があるため、最近はその研究が進んでいて、犬種別に細かく栄養設計されたドッグフードが増えてきましたね。

古川さん
やっぱり犬種別の方がいいんですか?

犬田さん
大事なのは「犬種」だけで判断するのではなく、犬の体質や生活スタイル、好みに合わせることです。犬種別ドッグフードにも良さがありますし、全犬種用が向いている犬もいます。

今回は犬種別ドッグフードの特徴や全犬種用との違い、それぞれのメリットや注意点を解説していきますね。

犬種別ドッグフードとは?

犬種や年齢を問わず食べられるように設計されたドッグフードを全犬種用ドッグフードというのに対し、犬種別ドッグフードとは、特定の犬種に見られる体質や骨格、活動量、毛質、かかりやすい病気などの傾向に合わせて設計されたドッグフードのことです。

例えば、下記の犬種の犬種別ドッグフードには下記のような特徴や傾向があります。

犬種犬種別ドッグフードの特徴
トイプードル皮膚や被毛のトラブルが起こりやすいため、毛艶サポートのために脂肪酸バランスを重視した設計が多い
ミニチュアダックスフンド胴長短足で椎間板ヘルニアのリスクがあるため、体重管理と関節ケア成分が配合される傾向
パグ短頭種で呼吸が荒くなりやすく、早食いしやすいため、噛みやすい粒形状が使われることがある
コーギー腰と関節に負担がかかりやすいため、体重管理や関節ケアを重視した脂肪やカロリー設計が多い
シーズー長毛で目や皮膚のトラブルが起こりやすいため、被毛ケア成分や、涙やけに配慮した栄養設計の傾向
ゴールデンレトリバー皮膚のバリア機能が弱い傾向があるため、耳や皮膚の炎症予防を意識した脂肪酸バランス、また関節ケア成分が配合の傾向

犬種別ドッグフードの細分化が進んだ理由

始まりは1種類の犬用ビスケット

ドッグフードの始まりは19世紀で、主に船乗りの食料から着想を得た1種類の硬い犬用ビスケットのみでした。当時は犬の食事が「残り物」であることが一般的で、「犬の専用フード」という概念が存在しませんでした。

しかし、犬が家庭でより大切に扱われるようになると、獣医学・栄養学の進歩や、犬への関心の高さにより、犬種や体格、健康状態に合わせたドッグフードが求められるようになります。この変化により、細分化が進んできました。

細分化の例

現在のドッグフード市場は、かつての1種類の犬用ビスケットのみの時代とは大きく異なり、多方向から細分化が進み、「愛犬に最適な1袋」をより選びやすい環境が整ってきています

  • 主原材料:肉類、魚類、穀物類など
  • 粒の形状:小粒、大粒、丸型、三角型、平たい形状、穴あき形状など
  • 年齢別:パピー、アダルト、シニアなど
  • 目的別:皮膚・被毛ケア、関節サポート、消化器ケア、体重管理、アレルギー対策など
  • 製法:ドライ、エアドライ、フリーズドライ、オーブンベイクドなど
  • 原材料の特徴:グレインフリー、グルテンフリー、ヒューマングレード、オーガニック、無添加など

犬種別と全犬種用、どちらを選ぶべき?

犬種別ドッグフードが登場したことで、「犬種別にした方がいいの?」と疑問の飼い主さんも多いかと思います。

しかし実際には、これまで全犬種用ドッグフードを与えていて健康面で問題がない場合、無理に犬種別フードへ切り替える必要はありません。現在の食事で体調が安定していること自体が、その犬に合っている証拠であり、犬種別よりも“その子の個性”を優先して判断することが大切です。

犬種別ドッグフードを選ぶかどうかは、「犬種」だけでなく、「その犬の体質や性格、生活環境、健康状態に合っているか」を基準に決めるのが理想的です。

犬種別ドッグフードが適している場合
  • 犬種特有のトラブル(皮膚、関節、呼吸など)が愛犬にも当てはまっている場合
  • 粒の大きさや形状に強いこだわりがあり、犬種専用の設計が食べやすいと感じる場合
  • 犬種の傾向が体質・行動・健康状態に一致している場合
  • 犬種ごとの活動量や筋肉量に見合った栄養設計が必要なとき

全犬種用ドッグフードが適している場合
  • 食物アレルギーや胃腸の弱さなど、犬種より“個体差”を優先すべき状態がある場合
  • 体型・体質・活動量が平均的で、特定の犬種特性に寄せた設計が不要な場合
  • 多頭飼いで犬種が違い、同じドッグフードで統一したい場合
  • 健康状態に明確な問題がなく、栄養バランスの良い総合栄養食で十分な場合

まとめ

  • 犬種別ドッグフードは犬種に多い体質や弱点に合わせて設計される
  • ドッグフード選びは「犬種」の特徴より「その犬自身の体質・健康状態・生活環境」を基準に判断することが大切

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帝京科学大学アニマルサイエンス学科卒業。愛玩動物飼養管理士2級、ペットセラピスト、ペット看護士の資格を取得。ドッグフード勉強会ディレクターとして、わんちゃんの栄養や病気、生態、ドッグフードなどの情報を提供しています。わんちゃんの魅力を発信し、飼い主さんの悩みや不安を解決することで、わんちゃんと飼い主さんの幸せのお手伝いになれれば嬉しいです。