


今回は犬種別ドッグフードの特徴や全犬種用との違い、それぞれのメリットや注意点を解説していきますね。
犬種別ドッグフードとは?
犬種や年齢を問わず食べられるように設計されたドッグフードを全犬種用ドッグフードというのに対し、犬種別ドッグフードとは、特定の犬種に見られる体質や骨格、活動量、毛質、かかりやすい病気などの傾向に合わせて設計されたドッグフードのことです。
例えば、下記の犬種の犬種別ドッグフードには下記のような特徴や傾向があります。
| 犬種 | 犬種別ドッグフードの特徴 |
|---|---|
| トイプードル | 皮膚や被毛のトラブルが起こりやすいため、毛艶サポートのために脂肪酸バランスを重視した設計が多い |
| ミニチュアダックスフンド | 胴長短足で椎間板ヘルニアのリスクがあるため、体重管理と関節ケア成分が配合される傾向 |
| パグ | 短頭種で呼吸が荒くなりやすく、早食いしやすいため、噛みやすい粒形状が使われることがある |
| コーギー | 腰と関節に負担がかかりやすいため、体重管理や関節ケアを重視した脂肪やカロリー設計が多い |
| シーズー | 長毛で目や皮膚のトラブルが起こりやすいため、被毛ケア成分や、涙やけに配慮した栄養設計の傾向 |
| ゴールデンレトリバー | 皮膚のバリア機能が弱い傾向があるため、耳や皮膚の炎症予防を意識した脂肪酸バランス、また関節ケア成分が配合の傾向 |
犬種別ドッグフードの細分化が進んだ理由
始まりは1種類の犬用ビスケット
ドッグフードの始まりは19世紀で、主に船乗りの食料から着想を得た1種類の硬い犬用ビスケットのみでした。当時は犬の食事が「残り物」であることが一般的で、「犬の専用フード」という概念が存在しませんでした。
しかし、犬が家庭でより大切に扱われるようになると、獣医学・栄養学の進歩や、犬への関心の高さにより、犬種や体格、健康状態に合わせたドッグフードが求められるようになります。この変化により、細分化が進んできました。
細分化の例
現在のドッグフード市場は、かつての1種類の犬用ビスケットのみの時代とは大きく異なり、多方向から細分化が進み、「愛犬に最適な1袋」をより選びやすい環境が整ってきています。
- 主原材料:肉類、魚類、穀物類など
- 粒の形状:小粒、大粒、丸型、三角型、平たい形状、穴あき形状など
- 年齢別:パピー、アダルト、シニアなど
- 目的別:皮膚・被毛ケア、関節サポート、消化器ケア、体重管理、アレルギー対策など
- 製法:ドライ、エアドライ、フリーズドライ、オーブンベイクドなど
- 原材料の特徴:グレインフリー、グルテンフリー、ヒューマングレード、オーガニック、無添加など
犬種別と全犬種用、どちらを選ぶべき?
犬種別ドッグフードが登場したことで、「犬種別にした方がいいの?」と疑問の飼い主さんも多いかと思います。
しかし実際には、これまで全犬種用ドッグフードを与えていて健康面で問題がない場合、無理に犬種別フードへ切り替える必要はありません。現在の食事で体調が安定していること自体が、その犬に合っている証拠であり、犬種別よりも“その子の個性”を優先して判断することが大切です。
犬種別ドッグフードを選ぶかどうかは、「犬種」だけでなく、「その犬の体質や性格、生活環境、健康状態に合っているか」を基準に決めるのが理想的です。
- 犬種特有のトラブル(皮膚、関節、呼吸など)が愛犬にも当てはまっている場合
- 粒の大きさや形状に強いこだわりがあり、犬種専用の設計が食べやすいと感じる場合
- 犬種の傾向が体質・行動・健康状態に一致している場合
- 犬種ごとの活動量や筋肉量に見合った栄養設計が必要なとき
- 食物アレルギーや胃腸の弱さなど、犬種より“個体差”を優先すべき状態がある場合
- 体型・体質・活動量が平均的で、特定の犬種特性に寄せた設計が不要な場合
- 多頭飼いで犬種が違い、同じドッグフードで統一したい場合
- 健康状態に明確な問題がなく、栄養バランスの良い総合栄養食で十分な場合
まとめ
- 犬種別ドッグフードは犬種に多い体質や弱点に合わせて設計される
- ドッグフード選びは「犬種」の特徴より「その犬自身の体質・健康状態・生活環境」を基準に判断することが大切














































































































