犬にキャベツは与えてOK!キャベジンやビタミンCが豊富!甲状腺や尿路結石の心配は?

犬にキャベツは与えてOK!キャベジンやビタミンCが豊富!甲状腺や尿路結石の心配は?

犬にキャベツを与えてもOK

キャベツ好きな犬は多い

キャベツには、犬にとって有害な成分は含まれてないので、犬にキャベツを与えても問題ありません。犬は雑食なので生のまま与えてもOKです。

キャベツ好きな犬は意外に多く、畑に転がっている大きなキャベツにかぶりついてしまう犬もいるようです。また、人の食べ物に興味津々の犬は、料理中に下からキャベツの切れ端を狙っていたり、食卓に並ぶ千切りキャベツを食べようとすることもあります。

ドッグフードや犬用おやつでも販売あり

キャベツは栄養も豊富で、腹持ちがよく満腹感が持続するので、ドッグフードの原材料にも使用されています。また、キャベツの葉をそのままフリーズドライにして犬用のおやつとしても販売されています。

食物繊維が豊富な分、ゆっくりと消化されるので、食いしん坊な犬にもおすすめです。キャベツを使った手作りごはんのレシピも多く考案されています。

ただしキャベツは犬にとって「与えた方がいい」というほど重要な食材ではでもなく、ドッグフードだけで栄養自体は不足なく摂れているので、犬がキャベツを食べたがらないなら無理に与える必要もありません。

キャベツに豊富な栄養素

不溶性食物繊維

キャベツには不溶性食物繊維が豊富に含まれています。

不溶性食物繊維は、犬の腸内を綺麗に掃除して便通を促すなど、整腸作用や便秘解消の効果が期待できます。また、不溶性食物繊維は腸内でも水に溶けずに、水分を吸収してふくらむので、うんちを固める作用があり、軟便や下痢の犬にもおすすめです。

キャベジン(ビタミンU)

キャベジン(ビタミンU)はキャベツから発見された成分で、胃腸の粘膜の新陳代謝を活発にし、荒れた胃の粘膜の修復を助ける抗潰瘍作用があります

また、肝臓機能を助ける働きもあります。

アスコルビン酸(ビタミンC)

キャベツにはビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCは抗酸化作用のある水溶性ビタミンで、体内の酸化を抑制し、加齢による細胞へのダメージや様々な病気の予防に役立つと考えられています。

キャベツの与え方

一口大にして生か蒸して与えるのがおすすめ

犬は生のままのキャベツを与えても問題ありませんが、キャベツをそのまま与えると、喉に詰まらせたり食べる量自体も多くなってしまうので、与える時は一口大にちぎったり千切りにして与えましょう。

キャベツに豊富な水溶性ビタミンは水に溶けて失われやすいので、生の方が栄養損失は少なくすみます。ただ、子犬や高齢犬の場合は、消化がしやすい柔らかい状態にするために、蒸して与えるのがおすすめです。

蒸す以外にも焼く、茹でるなどの調理方法もありますが、キャベツに含まれる水溶性ビタミンの損失を最小限にするなら蒸すのがおすすめです。電子レンジで簡単にできるので茹でるよりも簡単です。

加熱後は犬が舌をやけどしないように、十分に冷ましてから与えましょう。

犬にキャベツを与える場合の注意点

キャベツの芯には中毒成分「硫酸イオン」が含まれる

芯の部分は、甘くて嗜好性が高い傾向が高くビタミンCも豊富に含まれるので、ぜひ食べさせてあげたいところですが、芯や外の葉には中毒症状を引き起こす可能性がある「硫酸イオン」が含まれています

硝酸イオンは血液中でヘモグロビンと結合して中毒を引き起こすとされています。健康な犬では問題になることは少ないですが、胃にトラブルがあったり子犬やシニアの犬には与えないようにしましょう。

もし与える場合は、そのままだと固くて噛んだり飲み込むのが難しいので、より小さく細かく刻んで与えるのがおすすめです。

キャベツには尿路結石を構成するシュウ酸が多く含まれる

キャベツには食事療法で溶かすことができない「シュウ酸カルシウム結石」を構成するシュウ酸が多く含まれるので、尿路結石になりやすい犬や去勢済みのオス犬、また、すでに尿路結石や腎疾患のある犬は避けましょう。どうしてもという場合は、茹でて与えるのがおすすめです。水溶性ビタミンも溶け出てしまいますが、シュウ酸も抜くことができます。

キャベツアレルギーのある犬には与えない

キャベツアレルギーを発症する犬は割合でみればかなり少ないですが、キャベツに対してアレルギーが出る犬もいるので、初めて与える時はごく少量から与えて様子をみます。

もしキャベツを与えて皮膚疾患や脱毛、下痢、嘔吐などが見られた場合は、与えるのは中止して獣医師に相談しましょう。

キャベツに含まれる「ゴイトロゲン」は甲状腺機能低下症を引き起こす

キャベツなどのアブラナ科の植物には「ゴイトロゲン」という成分が含まれていますが、ゴイトロゲンは、食べ過ぎると甲状腺機能低下症(甲状腺障害)を引き起こす可能性があるとされています。健康な犬が少量食べても問題はでませんが、甲状腺の持病がある犬には与えないようにしましょう。

キャベツを使ったドッグフード

まとめ

  • キャベツにはキャベジンやビタミンC、食物繊維が豊富
  • 水溶性ビタミンの損失を最小限にするには蒸すのがおすすめ
  • 芯には中毒成分である硝酸イオンが含まれる
  • 甲状腺障害の原因となるゴイトロゲンが含まれる
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2020年11月27日

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。