ドッグフードの原材料:リンゴ(Apple)
犬がリンゴを食べてOK?
犬はリンゴを食べても大丈夫です。リンゴはバラ科の木の果実ですが、犬にとって害のある成分は含まれていません。ドッグフードの原材料としても様々なメーカーでの給与実績があり、また犬用手作りごはんにも使用できる安全な食材です。
リンゴは甘みが強いので犬の嗜好性も高く、果物の中では比較的お手頃で、食べた時の満腹感もあります。おやつとして小さく切って与えたり、すり潰してペースト状にしたり、ジュースにして与えるのもおすすめです。
リンゴを使用したドッグフード例
- ワンタイムドッグフード
- ホールフレッシュ ウマミネイチャー
- ラブガドドッグフード
- ビゴー&セージ
- C&Rドッグフード
- ワフ(Woof)ドッグフード
- ソルビダドッグフード
- ソリッドゴールド
- ナウフレッシュドッグフード
- GO!
- ウィリアムドッグフード など
リンゴに豊富な栄養素
成分 | タンパク質 | 0.2 g | |
脂質 | 0.1g | ||
炭水化物 | 15g | ||
水溶性食物繊維 | 0.3g | ||
不溶性食物繊維 | 1.2g | ||
ビタミン | ビタミンC | 4mg | |
灰分 | 0.2g | ||
マグネシウム | 3mg | ||
カリウム | 110mg | ||
ナトリウム | 0mg | ||
カロリー | 54kcal |
リンゴにはペクチンやセルロースなどの食物繊維を始め、ビタミンC、カリウムなどが豊富に含まれています。
また、上記の成分表では代表的な栄養素しか記載していませんが、プロシアニジンやリンゴ酸などリンゴから発見された栄養素があることも大きなポイントです。大抵の食べ物に含まれる栄養素は他の食材にも含まれるので代替できますが、リンゴの場合は、リンゴ以外にはあまり含まれない栄養素もあるので、ぜひチェックしてみてください。
リンゴポリフェノール「プロシアニジン」の効果や作用
りんごには様々な栄養素が含まれる中、特に注目されているのが、リンゴポリフェノールとも呼ばれる「プロシアニジン」です。
公益社団法人日本農芸化学会のプロシアにジンは、酸化によるDNA損傷を防ぐ抗酸化作用、生活習慣病の予防・改善、抗がん作用、免疫促進、抗アレルギー作用、血流促進作用、認知症の予防効果、薬物代謝(解毒代謝)促進作用、肝損傷抑制作用、糖・脂質代謝促進作用、糖尿病性神経症の改善など非常に多くの生理機能や効果が報告されています。
画像引用元:リンゴ由来プロシアニジン類の機能評価と機能性表示食品の開発腸内環境に着目したリンゴの機能性研究 庄司 俊彦 |公益社団法人 日本農芸化学会
リンゴ由来のプロシアニジンは生体の利用性が低いとも言われていますが、リンゴ由来のプロシアニジンに限定した報告についても、抗アレルギー作用、抗腫瘍活性、抗加齢作用、血糖値上昇の抑制作用、肥満・生活習慣病予防効果の可能性が報告され、現在も研究が続けられています。
犬におけるリンゴのメリット
満腹感の持続や便通促進に役立つ
また、リンゴにはセルロースという不溶性食物繊維が豊富に含まれています。これはリンゴ以外の他の果物や野菜などにも多く含まれる物質です。
不溶性食物繊維は胃や腸では分解されず、食べた後もしばらく満腹感が持続するので食べ過ぎ防止に役立ちます。
また消化されず形を保ったまま大腸を通っていくので腸内を刺激しながら不要物を掃除し便通を促進する働きがあります。
水溶性食物繊維ペクチンの整腸作用
また、リンゴには不溶性食物繊維だけでなく、水溶性食物繊維のペクチンも含まれています。水溶性食物繊維のペクチンには、善玉菌のエサとなって腸内環境を整え、消化機能や便通の改善を助けます。免疫細胞が多く存在する腸内の環境が整うことで、正常な免疫機能の維持にも役立ちます。
水溶性食物繊維は、水分を蓄えながら消化器官をゆっくりと進むため、一緒に摂取した糖質や脂質の吸収を遅くする、発がん性物質の排泄、善玉菌のビフィズス菌などの増加を促進するなど様々な働きがあり、また、悪玉コレステロール(LDL)の上昇を抑える作用によって生活習慣病を予防する効果もあります。
ビタミンC、クエン酸、リンゴ酸(ヒドロキシコハク酸)
リンゴにはビタミンC、クエン酸、リンゴ酸(ヒドロキシコハク酸)が豊富に含まれています。ビタミンC(アスコルビン酸)は犬にとって必須栄養素ではありませんが、抗酸化作用があることから、活性酸素の除去し細胞の損傷を防ぎます。
また、リンゴ酸もクエン酸もエネルギーを生成するクエン酸回路を活発し体内に溜まった乳酸を分解する作用があるため、疲労回復効果が期待されています。
リンゴの注意点
与え過ぎと与え方に注意
リンゴは食物繊維が豊富なので適度な量であれば便通を整え便秘改善効果が期待できますが、与え過ぎは消化器官に負担をかけてしまい、かえって便秘を悪化させることがあります。
また与える時に人と同じような大きなサイズで与えるとのどに詰まらせる可能性があるので、小さく犬の一口大サイズに切るか、すり潰して与える、また加熱して柔らかい状態にするなど与え方に注意しましょう。
まとめ
- リンゴは犬に与えてOK
- 手作り食やおやつとしてもおすすめ
- リンゴポリフェノール「プロシアニジン」には様々な効果や作用がある
- 与え過ぎには注意