プレミアムドッグフードとは?明確な定義はない。一般的なフードとの違いや選ぶメリット・デメリットを解説

プレミアムドッグフードとは?明確な定義はない。一般的なフードとの違いや選ぶメリット・デメリットを解説

「プレミアムドッグフード」と聞くと、なんとなく“高級”で“健康に良さそう”なイメージを持つ飼い主の方も多いのではないでしょうか。しかし、「プレミアム」という言葉には明確な法的定義がないため、その実態や基準については意外と知られていません。

この記事では、「プレミアムドッグフードとは何か?」という基本から、一般的なドッグフードとの違い、選ぶメリット・デメリットまで解説します。

プレミアムドッグフードとは?

こだわった高品質なドッグフード

プレミアムドッグフードとは、一般的なドッグフードと比較して、原材料や栄養バランス、安全性などにこだわった高品質なドッグフードを指すマーケティング用語です。

ドライフードに表記されることが多いですが、ウェットフードや缶詰でもプレミアムと呼ばれるものもあります。

明確な定義はない

プレミアムドッグフードと聞くと「厳しい条件をクリアしたもの」のようなイメージが持たれますが、公的機関が明確に「これがプレミアムである」と定められる明確な定義はありません。どんな原材料や添加物を使用しようが、メーカーがホームページやパッケージに「プレミアム」と表示したければ問題なく表示することができます。

そのため、原材料を確認せずに、安易に「プレミアム」という言葉を信用して購入するのはおすすめできません

プレミアムドッグフードの傾向

さまざまなプレミアムドッグフードの特徴や傾向を見ると、共通して

  • 無添加
  • グレインフリー
  • ヒューマングレードの原材料を使用

と表示されています。

しかし、添加物を使用せずにドッグフードを作ることは現状ほぼ不可能であり、また実際に添加物を使用していてもプレミアムドッグフードと名乗って問題ありません。

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実際に「プレミアム」なドッグフードが多い

「プレミアムドッグフード」には明確な定義はありませんが、実際のところ、「プレミアムドッグフード」と表示しているドッグフードは原材料や製法、犬の栄養バランスに優れ、高品質なドッグフードが多いです。

企業やメーカーが自信を持って「プレミアム」と表示しているくらいですから、高品質な原材料を使用していなければクレームやトラブルとなり、良いことがありません。

一般的なドッグフードと比べてみても、プレミアムドッグフードは原材料や製法、産地表示などのをしっかり行い、企業やメーカーの透明性に優れています。

手に取る手段の一つと捉える

そのため、安易に「プレミアム」という言葉を信用しすぎるのは良くありませんが、手に取ってみる手段や選択肢の一つとして考えるのが良いかと思います。

プレミアムドッグフードの特徴と違い

プレミアムドッグフードには、高品質で犬の食いつきもよく、評判の良いブランドも数多くあります。それは、プレミアムドッグフードは一般的なドッグフードと比べて下記のような特徴と違いがあるためです。

原材料の質と種類

プレミアムドッグフードでは、乾燥鶏肉や骨抜きラム肉、サーモンなど、具体的にどんな原材料を使っているかが明記されていることが多く、品質への安心感があります。また、トウモロコシや小麦といったアレルゲンになりやすい穀物を使用しない(グレインフリー)設計の製品も多く見られます。

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高い透明性とこだわり

一般的な市販ドッグフードは、大量生産に向けたコスト削減が優先されることが多く、原材料のグレードが低かったり、副産物や不明確なミール類が含まれていたりする場合があります。また、香料や保存料で嗜好性や保存性を補うことも珍しくありません。

しかし、プレミアムドッグフードは企業やメーカーの透明性が高い傾向にあり、原産国や製造工場の管理体制を明示するブランドが多く、信頼性のある製品がそろっています。原材料の調達先まで公開している企業もあり、愛犬に与えるドッグフードの背景まで見えるという安心感があります。

危険な添加物や着色料は不使用

一般的なドッグフードでは、BHABHTなどの人工保存料が使われていることがありますが、プレミアムフードでは自然由来の保存料(ミックストコフェロール=ビタミンEなど)を使用するのが主流です。見た目の鮮やかさを出すための着色料も使われないことがほとんどです。

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国産より外国産ドッグフードに多い

日本のドッグフードに関する法律は欧米と比べて基準が緩やかであり、日本国内の基準を満たしていても、それだけで犬の健康に配慮されたドッグフードとは言い切れないのが現状です。

プレミアムドッグフードは海外製(とくにヨーロッパ産)のものが多く、製造国の厳しい基準や規制をクリアする必要があるため、日本よりも高度な品質管理のもとで製造されている傾向があります。

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プレミアムドッグフードのデメリット

どれほど品質の高いプレミアムドッグフードであっても、デメリットはあります。

価格が高め

プレミアムドッグフードは高品質の原材料を使用していることが多いため、高品質な原材料と製造管理にコストがかかっている分、一般的なフードと比べて価格は高めになります。体格の大きな犬や多頭飼いの場合、月々の食費が負担になることもあるでしょう。

購入できる場所が限られていることがある

プレミアムドッグフードは量販店では取り扱っていないことも多く、専門店やオンライン通販に頼る必要があります。在庫切れや配送の問題に備えて、複数の購入ルートを確保しておくのが理想です。

プレミアムフードを選ぶときのチェックポイント

プレミアムと名が付いていても、すべての製品が信頼できるとは限りません。以下のような視点でドッグフードを比較検討することが重要です。

  • 主原料が「○○ミール」などではなく、「鶏肉」「ラム肉」と具体的に表記されているか
  • 添加物や保存料の種類、使用の有無が明記されているか
  • 栄養成分のバランスがAAFCOやFEDIAF基準を満たしているか
  • 製造国・製造工場の情報が公開されているか
  • 原材料の産地や調達方法に透明性があるか

これらを総合的に判断してこそ、本当に「愛犬のためになるプレミアムなドッグフード」が選べるようになります

まとめ

  • プレミアムに明確な定義はないが、高品質なフードが多い
  • 原材料の明記や添加物の排除など、透明性と安全性が特徴
  • 価格が高く、購入先が限られるなどのデメリットも存在する
  • 成分や製造背景を見極め、愛犬に合うかどうかが重要

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帝京科学大学アニマルサイエンス学科卒業。愛玩動物飼養管理士2級、ペットセラピスト、ペット看護士の資格を取得。ドッグフード勉強会ディレクターとして、わんちゃんの栄養や病気、生態、ドッグフードなどの情報を提供しています。わんちゃんの魅力を発信し、飼い主さんの悩みや不安を解決することで、わんちゃんと飼い主さんの幸せのお手伝いになれれば嬉しいです。