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ヒューマングレード(human grade)とは
人の食品に対する安全性や信頼性が高まっている中で、ドッグフードの分野ではヒューマングレードへの関心が高い傾向にあります。
ヒューマングレードとは「human=人間」「grade=レベル」から成る言葉で、人間が食べても安全な食材と同じレベルの品質の原材料となります。
ヒューマングレード=高品質ではありません。
この記事では、
- ヒューマングレードとは具体的にどんなものか
- ヒューマングレードが増えた理由
- 良いドッグフードを選ぶポイント
についてご紹介します。
ヒューマングレードが増えた理由
近年のドッグフード業界において、なぜヒューマングレードが増えてきたのでしょうか?そこには、下記のようなことが理由として考えられます。
「犬は家族」という世の中の変化
犬は人間とともに大昔から暮らしていましたが、1856年ロンドン在住のアメリカ人が作った犬用クッキーが最初のドッグフードといわれています。その後、AAFCOは1990年に犬の栄養基準、1991年に猫の栄養基準を公表しました。
日本では1974年に「ペットフードの表示に関する公正競争規約」並びに「ペットフードの表示に関する公正競争規約施行規則」、2009年にペットフード安全法が制定されました。
このような「犬は家族」という世の中の変化や、犬の食事の安全面や健康面が考えられるようになったことにより、ヒューマングレードという考え方をあえて周知させなくとも自然と広まっていったと考えられます。
粗悪な原材料を使用しているドッグフードがある
犬の食事への関心が高まっている一方で、現状においても粗悪な原材料を使用しているドッグフードもあります。
例えば、
- 人間が食べることができない部位の肉を活用しているもの
- 遺伝子組み換えされた食材を使用しているもの
- 4Dミートを使用しているもの
- 農薬の残留濃度が基準値を超えた食材を使用したもの
などが挙げられます。
このような粗悪な原材料を使ったドッグフードとの差別化を図るためにも、安全面と健康面の象徴としてヒューマングレードを謳うことがあります。
ヒューマングレードであっても品質の保証はされない
ヒューマングレードは高品質というイメージがありますが、法による定義や基準がなく、なにを表しているのか明確にされていません。
人間の食品は食品衛生法などによりさまざまな規定や基準を満たす必要がありますが、ドッグフードのヒューマングレードにおいては、人間が食べても安全な食材と同じレベルの品質の原材料という意味ではあるものの、人間の食品と同じ規定を満たす必要がありません。
ヒューマングレードの表記はメーカー判断
公式サイトやラベルにヒューマングレードと表記するかは各メーカーの判断となり、この言葉を使うこと自体にも規制があるわけでもありません。
ヒューマングレードと記載されていてもドッグフードによって基準や内容、品質が異なり、食物アレルギーや穀物アレルギーなどに配慮しきれていないドッグフードも多くあります。
また、海外ではヒューマングレードの表記をすることで「人間が食用として食べることができる」という誤解を招く恐れがあり、推奨されていません。「人間が食べることができるの?」という問い合わせを避けるため、また健康状態に問題が生じることを避けるため、工場によってはヒューマングレードという表記を禁止しているところもあります。
ちなみに、食用の場合は、human gradeではなくhuman edibleと表記されます。
良いドッグフードを選ぶポイント
これまでご紹介した通り、「ヒューマングレードは高品質」「ヒューマングレードだから安心安全」と決めつけてはいけません。
だからといって、ヒューマングレードが良くないということでもありません。メーカー独自の基準で高品質のドッグフードを開発していたり、良質な原材料を使用しているメーカーも多くあります。
大切なことは、原材料の情報を開示しているかどうかです。
公式サイトやラベルに表記されている原材料のあらゆる情報を見て、正確な情報を収集して、犬に合ったドッグフードを納得して選んであげましょう。
「ヒューマングレードの原材料を使用しています」と記載されているドッグフードも最近増えましたね!
ヒューマングレードと聞くと、なんとなく高品質なイメージがありますが…。