ドッグフードの成分:食物繊維
体内の消化酵素で分解できない成分の総称
食物繊維は五大栄養素の一つで、体内にある消化酵素によって分解できないものの総称です。野菜や果物、穀物、海藻など様々な植物に多く含まれており、ドッグフードでは食物繊維源としてセルロースやビートパルプ、ペクチンなどが加えられる場合もあります。
食物繊維の割合(%)は公正競争規約によって表示が定められているので、ドッグフードのパッケージを見れば食物繊維の含有量が確認できます。
食物繊維の割合は10%以下
ドッグフードに含まれている食物繊維は平均すると3~5%くらいで、10%以下がほとんどです。穀類など植物が主原料のドッグフードは食物繊維量は多い傾向にあり、肉や魚が多いグレインフリーフードは食物繊維量は少なめなことが多いです。
ドッグフードの食物繊維の効果とメリット
満腹感が高くダイエット効果が期待できる
食物繊維は低カロリーで満腹感も得られるので、ダイエットフードで多く使用されます。また消化に時間がかかる性質から満腹感が持続するため、ダイエットフードでは食物繊維が10~15%程度配合される場合もあります。
犬の腸を掃除して、腸内環境を整える
食物繊維は消化酵素によって分解吸収されることなく形を保ったまま腸まで届くため、犬の腸内を掃除しながら不要物を排泄してくれます。
食物繊維は便通も促進するので、悪玉菌の繁殖を防ぎ、便秘やうんちのニオイ改善にも効果的です。
犬の免疫機能の健康維持を助ける
また、腸は「第二の脳」と言われる臓器で、腸内環境は免疫機能にも影響を与えます。食物繊維で腸内環境が整うと、免疫機能も正常に機能し、病気への抵抗力も上がります。
特に病気への抵抗力が低い子犬やシニア犬には重要なことなので、食物繊維はある程度配合されているものがいいかと思います。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維
水溶性食物繊維
水溶性食物繊維は名前の通り、水に溶けるタイプの食物繊維で腸内の善玉菌のエサとなります。海藻類やヌルヌルとした食材に多く含まれます。
善玉菌が増えると相対的に悪玉菌が減るので、大腸ガンのリスクや免疫力の低下を防ぎます。
不溶性食物繊維
不溶性食物繊維は腸内まで形を保ったまま届き、複雑な腸の壁を掃除しながら進みます。不溶性食物繊維は穀物や野菜、キノコや甲殻類に多く含まれます。
不溶性食物繊維は、善玉菌の住処となり、善玉菌が増える助けとなり、また水分を吸収し膨らむ性質があるので、下痢や軟便の対策にも有効で、腸内の蠕動運動の促進に作用します。
犬の食物繊維の与え過ぎは便秘を悪化させる
食物繊維を与えることで腸内の掃除を行いながら便意を促すとお話してきましたが、食物繊維の摂らせ過ぎもよくはありません。
食物繊維は適量であれば便秘改善にも役立ちますが、重い便秘の犬や、すでに食物繊維を豊富に摂っている犬の場合、食物繊維を増やすことでかえって便秘が悪化してしまう可能性があります。
ある程度食物繊維を摂っているのに愛犬の便秘が治らないという場合には、反対に食物繊維を減らす対処をした方がいい場合もあるので、普段食べているドッグフードの食物繊維量を確認してみましょう。
ドッグフードの食物繊維まとめ
ドッグフードの食物繊維は10%以下とあまり多くは見えないかもしれませんが、少量でも働きや効果は大きいので、ぜひ今まで気にしていなかった方はパッケージ裏の食物背にの割合を確認してみてください!