犬にニンジンを与えてOK!βカロテンの働きとルテインの白内障予防への効果

ドッグフード ニンジン 野菜

犬がニンジンを食べても大丈夫?

ニンジンは食べてもOK

犬はニンジンを食べても大丈夫です。βカロテンや食物繊維が豊富な緑黄色野菜で、栄養面でもメリットが沢山あります。メイン原材料として配合されることは少ないですが、ドッグフードや犬用おやつなど様々な商品に配合されています。

しっかりとした歯ごたえと食感があり、色も鮮やかなオレンジ色なので、愛犬の手作り食に使用されることも多い食材です。

犬にとって有害な物質も含まれていません。

スナックや人間用に調理されたものはNG

ニンジンは犬に与えても問題ありませんが、食品として販売されるスナック菓子やお惣菜、人間用に味付けされた料理はNGです。

味が濃い物は犬の嗜好性が高いので、ついついあげたくなってしまいますが、人間用に調理や味付けが行われると、油分や糖分、塩分などの摂取量が過剰になります。栄養バランスが偏ることで様々な病気の原因になってしまうので与えないようにしましょう。

ニンジンの栄養素

栄養成分タンパク質0.88g
脂質0.15g
炭水化物13.14g
食物繊維3.65g
カリウム394.2mg
ビタミンA
(βカロテン)
992.8μg
100g37kcal

プロビタミンA「βカロテン」が豊富

ニンジンにはビタミンAの前駆物質となるプロビタミンAの「βカロテン」が豊富に含まれています。

ビタミンA(レチノール)は、視覚・粘膜機能・細胞分化・骨代謝など犬の健康維持には欠かせない必須栄養素で、動物性食品(肉・レバー・バター・卵など)に多く含まれています。

プロビタミンAは、犬の体内でビタミンAに変換できる物質のことで、緑黄色野菜に豊富に含まれるβカロテンは、最もプロビタミンAの活性が高い成分です。

プロビタミンAのいいところは、通常のビタミンA(レチノール)は体内に貯蔵されるので、多く摂取すると過剰摂取による障害を引き起こしますが、プロビタミンAの場合は必要量だけがビタミンAに変換され、不要な分は変換されません。

βカロテンはビタミンAに変換しない状態でも抗酸化作用があり、そのままの状態でも役立ちます。

紫外線から目を守り白内障予防にも有効なルテインが豊富

ドッグフード キャロット画像引用元:日本白内障学会誌 ルテイン含有抗酸化サプリメントの白内障進行抑制の可能性

ルテインは黄色の天然色素の一種で、光による刺激から犬の目を保護する網膜(黄斑部)色素を増加させることが報告されています。

また、ルテイン抗酸化作用があるので、目の水晶体の過酸化を抑制し、白内障の発症および進行を予防する可能性があることが示唆されています。

食物繊維が豊富

ニンジンには腸内環境や便通を整える食物繊維が豊富に含まれています。

ニンジンの与え方

加熱して与えるのがおすすめ

犬にニンジンを与える時は、加熱して与えるのがおすすめです。火を通すことで食べやすくなるだけでなく、体内で消化もしやすくなります。特に子犬やシニア犬は固い物が食べにくく、消化もしにくいので加熱した方ががいいかと思います。

水溶性ビタミンは茹でて加熱すると水に溶け出てしまいますが、ニンジンに豊富なビタミンA(βカロテン)やビタミンEなどの脂溶性ビタミンは水に溶け出すことはありません。

また、ビタミンAやEは、脂で炒めると栄養価が上がります。脂質が上がるので使用量に注意が必要ですが、ニンジンから効率的にビタミンAを摂取するなら効果的な調理方法です。

生で与えるなら細かく刻むかすりおろす

もし生のニンジンを犬に与える場合、なるべく細かく刻んで与えましょう。また、ニンジンはすりおろして与えると栄養の消化吸収がしやすくなります。

また、生で与える場合、刻んだりすりおろして与える場合でも、少なめの量を心がけましょう。

皮つきの場合はしっかり洗ってから

ちなみにニンジンは皮付きのままの方がβカロテンが豊富に摂取できるので、皮を剥かずに与えるのがおすすめです。残留農薬を心配される方もいますが、水でしっかり洗えば問題ありません。

ニンジンを使用したキャットフード例

まとめ

犬田さん
ニンジンは上記ドッグフード例でも分かるように、沢山のメジャーなドッグフードに使用されています。ニンジンはビタミンAとして働き、また犬の視覚や白内障予防への効果も期待されている野菜です。

犬に与えても問題のない安全な食材なので、安心して与えられますが、与える時は消化しやすいよう加熱したり細かくして少量を与えましょう。

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2020年11月27日

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。