ドッグフードの原材料:マリーゴールド(marigold)
マリーゴールドとはキク科タゲテス属に属する一年草で、明るい黄色やオレンジ色の花を咲かせる園芸植物です。原産地はメキシコを中心とした中南米で、暑さに強く、日本でも春から秋にかけて広く栽培されています。
マリーゴールドの葉や根には特有の強い香りがあり、土壌中の害虫を遠ざける作用があるとされています。
マリーゴールドが原材料のドッグフード例
マリーゴールドはさまざまなドッグフードやおやつの原材料に使用されています。
原材料欄にはマリーゴールドの他に、マリーゴールド抽出物、乾燥マリーゴールド、マリーゴールドの花びら、マリーゴールド(ルテイン源)などと表記されます。
- マッサンペットフーズ ウィリアムドッグフード
- ネルソンズドッグフード
- リリーズキッチン ウェットフード Cottage Pie
- GO!カーニボアドッグフード
- ロイヤルカナン 消化器サポート ドライ
- モグワンドッグフード チキン&サーモン
など
マリーゴールドの栄養素と犬への健康効果
- ルテイン供給源として利用され、目の健康維持をサポート
- 抗酸化作用により、加齢に伴う細胞ダメージの軽減
- 網膜や水晶体を酸化ストレスから守り、視機能の維持に役立つ
- 合成着色料の代替として、自然由来の色調調整に使われる場合がある
とくにマリーゴールドに含まれるルテインには、犬の健康維持にさまざまな効果があります。
抗酸化作用や視機能の健康維持
ルテインとはカロテノイドの一種で、主に緑黄色野菜やマリーゴールドの花などに含まれる黄色系の色素成分です。体内では合成できないため、食事から摂取する必要があります。人では目の網膜や水晶体に多く存在し、光や酸化ストレスから目を守る働きが知られています。
ドッグフードにおいても、マリーゴールド由来のルテインが抗酸化作用や視機能、免疫力の健康維持として配合されることがあります。
免疫機能を整える
「ルテインは犬の免疫にどのような効果があるのか」という研究において、ルテインを摂取した犬では、体内のルテイン濃度が早い段階で上昇し、免疫の反応が活発になる変化が確認されました。具体的には、ワクチンや刺激に対して体が反応する力が高まり、免疫細胞が増えたり、働きが活発になったりする傾向が見られました。
一方で、すべての免疫項目に影響が出たわけではなく、抗体の一部や特定の物質の産生には変化が見られないものもありました。そのため、ルテインは免疫を「強くする」というより、免疫反応を「整える」方向に働く可能性があると考えられます。
この研究から、ルテインは犬の免疫機能の土台を支える補助的な成分になり得ることが示唆されています。
参考:Dietary lutein stimulates immune response in the canine
家庭菜園のマリーゴールドも注意
マリーゴールドは家庭菜園で人気の植物です。ベランダや庭で育てていたり、部屋の中に飾っている方も多いのではないでしょうか。
多くの犬はマリーゴールドの独特な香りを嫌がり、匂いを嗅いだだけで離れることが多いものの、好奇心旺盛な犬や若い犬では、葉や花を噛んだり土を掘り返して口にしてしまうことがあります。これは食欲というより、匂いや感触への興味である場合がほとんどです。
誤食により喉を詰まらせたり、胃腸へ負担をかける危険性があるため、犬とマリーゴールドを近づかせない、興味を持たせない工夫が大切です。
まとめ
- マリーゴールドとはキク科タゲテス属の園芸植物
- ルテインには視力機能や免疫力の健康維持の効果がある
- 家庭菜園のマリーゴールドの誤食に注意する
















































































































