ドッグフードの原材料:小松菜(komatsuna)
小松菜とはアブラナ科の緑黄色野菜で、江戸時代に東京・小松川周辺で栽培され始めたことからその名がつきました。
なんと、実は、小松菜はカルシウムの宝庫!100gあたりのカルシウム量は牛乳を上回るんです。
カルシウムや鉄、ビタミンC、βカロテンなどの栄養素が豊富で、骨の健康維持や貧血予防、抗酸化作用が期待されます。
今回は、小松菜における犬への健康効果と、おすすめの与え方、注意点をご紹介します。
小松菜が原材料のドッグフード例
小松菜はさまざまなドッグフードの原材料に使用されています。
原材料欄には小松菜の他に、乾燥小松菜、小松菜粉末などと表記されます。
- 馬肉自然づくり
- ペトコトドッグフード チキン
- エゾリッチ
- ボウルズフレッシュドッグフード
など
小松菜の犬への健康効果
小松菜の栄養素
小松菜はさまざまな栄養素が含まれていますが、とくにカルシウムやβカロテン、ビタミンCは他の野菜と比べて群を抜いて豊富です。
下表は、100gあたりの小松菜に含まれる栄養素の一覧です。
葉(生) | 葉(ゆで) | ||
---|---|---|---|
エネルギー | 13 | 14 | kcal |
水分 | 94.1 | 94.0 | g |
タンパク質 | 1.5 | 1.6 | g |
炭水化物 | 2.4 | 3.0 | g |
カリウム | 500 | 140 | mg |
カルシウム | 170 | 150 | mg |
β-カロテン | 3100 | 3100 | μg |
ビタミンC | 39 | 21 | mg |
参照:日本食品標準成分表(八訂)2023年
牛乳より豊富なカルシウム量!
小松菜に含まれるカルシウム量は、野菜の中でNO.1です。
その含有量は、なんとカルシウムの代表格である牛乳よりも上回っています。(牛乳のカルシウム含有量:100gあたり110mg)。
犬は体内でカルシウムを合成することができないため、食べ物からカルシウムを摂取しなければなりません。
総合栄養食であるドッグフードを食べていればカルシウムが不足することはありませんが、手作りごはんを与える頻度が多いご家庭では不足してしまう可能性があるため、小松菜を取り入れるようにしましょう。
血栓性疾患を予防
小松菜は、体内の自発的血栓溶解能を有意に促進させる可能性が報告されています。
血栓は本来、出血を止めるために必要なものですが、不要な血栓が血管内に残ると脳梗塞や心筋梗塞といった重大な病気のリスクになります。
小松菜に含まれる豊富なポリフェノールやビタミンC、カリウムが血栓の自然な溶解を助け、血液の流れをスムーズに保つ働きがあると考えられています。
とくにラットを用いた試験では、小松菜の摂取によって血栓溶解活性が有意に高まったという研究結果も示されています。生活習慣病予防に役立つ食材として、日常的に取り入れる意義は大きいでしょう。
参考:小松菜の抗血栓作用ならびにメカニズムの解明|大阪樟蔭女子大学学芸学部健康栄養学科 井尻吉信
小松菜のおすすめの与え方
犬は小松菜を食べても大丈夫です!
ドッグフードにトッピングとして加えたり、手作りごはんの材料として取り入れるのが効果的です。毎日ではなく、時々のおやつや健康サポートとして与えるのが良いでしょう。
与える際は必ず加熱し、細かく刻んで消化しやすい形にしてから少量をトッピングするのがおすすめです。生のままだと消化に負担がかかるため避けましょう。
また、アク抜きが不十分な場合シュウ酸の摂取量が増え、結石の原因になる恐れがあるため、下茹でをしてから与えると安心です。初めて与える際は少量から始め、アレルギーや下痢などの体調変化がないか観察してください。
小松菜を与える際の注意点
甲状腺機能低下症
小松菜やキャベツ、ブロッコリーが分類されるアブラナ科の野菜には、ゴイトロゲンとよばれる成分が含まれています。
このゴイトロゲンは甲状腺ホルモンの分泌を抑制する働きがあるため、甲状腺ホルモンの生成が低下する甲状腺機能低下症を発症する原因となります。
甲状腺機能が低下している犬には与えないようにしましょう。
シュウ酸カルシウム結石
小松菜に含まれるシュウ酸は、過剰摂取すると膀胱や尿道などの泌尿器や腎臓に結石ができ、シュウ酸カルシウム結石になる可能性があると言われています。
尿が正常に排出することができなくなったり、最悪の場合は水腎症や尿毒症により死に至る恐れがあります。
小松菜はほうれん草と比べるとシュウ酸はほとんど含まれていませんが、尿路結石症や腎臓病の心配がある犬には与えないようにしましょう。
まとめ
- カルシウムやβカロテン、ビタミンCは他の野菜と比べて群を抜いて豊富
- 小松菜のカルシウム量は牛乳をも上回る
- 犬に与えるときは茹でて細かく刻み、少量を与える
- 甲状腺機能や腎臓に心配がある犬には与えない