ドッグフードの小松菜。カルシウム量は野菜NO.1!おすすめの与え方と注意点

ドッグフードの小松菜。カルシウム量は野菜NO.1!おすすめの与え方と注意点

ドッグフードの原材料:小松菜(komatsuna)

食卓に彩りを添える小松菜。アブラナ科で冬野菜の代表ともいえます。

小松菜は犬も食べても大丈夫な野菜であり、犬の健康にとって良い栄養素が多く含まれています。小松菜の与え方に気を付ければ、手作り食に取り入れたり、ドッグフードにトッピングすることがおすすめの食材といえます。

今回は、犬に小松菜を与えるメリットとおすすめの与え方、注意点をご紹介します。

犬に小松菜を与えるメリット

小松菜の栄養素

小松菜はさまざまな栄養素が含まれていますが、とくにカルシウムやβ-カロテン、ビタミンCは他の野菜と比べて群を抜いて豊富です。

下表は、100gあたりの小松菜に含まれる栄養素の一覧です。

葉(生)葉(ゆで)
エネルギー(kcal)1314
水分(g)94.194.0
タンパク質(g)1.51.6
炭水化物(g)2.43.0
カリウム(mg)500140
カルシウム(mg)170150
β-カロテン(μg)31003100
ビタミンC(mg)3921

参照:日本食品標準成分表(八訂)2023年

不足している水分を補給することができる

小松菜は水分が約94%含まれているため、普段あまり水分を摂りたがらない犬の水分補給として活用できます。やわらかく茹でてから細かく刻み、ドッグフードと混ぜて与えましょう。

カルシウムの含有量は牛乳よりも多い

犬田さん
小松菜のカルシウム量は、なんと牛乳よりも多い!

カルシウムは犬の骨や歯を強化する栄養素です。小松菜に含まれるカルシウム量はほうれん草の約3倍で、野菜の中でNO.1です。なんと、カルシウムの代表格である牛乳よりも上回っています。(100gあたりの牛乳のカルシウム含有量:110g)。

犬は体内でカルシウムを合成することができないため、食べ物からカルシウムを摂取しなければなりません。総合栄養食であるドッグフードを食べていればカルシウムが不足することはありませんが、普段から手作り食を与えているご家庭では不足してしまう恐れがあるため、小松菜を取り入れるようにしましょう。

β-カロテンは抗酸化作用を持つ

β-カロテンの抗酸化作用で活性酵素を除去するためがん予防に効果的で、犬の皮膚や被毛、粘膜を健康に保ちます。気温の変化により人間だけでなく犬も体調を崩しやすい冬に、免疫力アップが期待できます。

また、β-カロテンは犬の体内でビタミンAに変化し、視力や被毛の健康維持に役立ちます。

ビタミンC

豊富なビタミンCはコラーゲンの生成をサポートし、骨や歯、毛細血管の健康維持、メラニン色素の対策に有効的です。そのため、皮膚を舐めて色素沈着している子や、皮膚病の子におすすめです。

犬は体内でビタミンCを合成することができるため、食べ物からのビタミンCの摂取は必要ないといわれています。しかし、年齢を重ねると体内でビタミンCを生成する機能が低下し、ビタミンC欠乏症になる恐れがあります。そのため、5歳をすぎたあたりからビタミンCが豊富な食べ物(小松菜など)やサプリなどから補給をすると良いでしょう。

シュウ酸が少ないためアク抜きの必要なし

シュウ酸とはアクやえぐみのことで、栄養素ではなく老廃物です。シュウ酸が多いほどアクやえぐみが強いため食べにくく、犬も苦手だと感じて抵抗があるかもしれません。

ほうれん草はシュウ酸が100gあたり800mg含まれてるのに対し、小松菜は50mgしか含まれていません。そのためアク抜きをする必要がなく、クセがないため抵抗なく食べられる野菜です。

小松菜のおすすめの与え方

美味しい小松菜を選ぶポイント

犬田さん
小松菜はハウス栽培で一年中スーパーに並ぶ野菜ですが、旬は12月~3月です。旬の小松菜は美味しく栄養価が高いため、愛犬に取り入れたいと考える飼い主さんも多いのではないでしょうか。

美味しい小松菜は、下記のものを選ぶと良いでしょう。

  • 葉:鮮やかな濃い緑色で、厚みがあり、みずみずしくピンと張っている
  • 茎:ハリがあり、太くしっかりしている
  • 根:根付きのものは、より日持ちがしやすい

根付きの小松菜は日持ちがしやすいため選んでほしいポイントですが、根の部分は犬に与えてはいけません。小松菜は傷みやすい野菜であるため、ざく切りにして冷凍にするのがおすすめです。

生の小松菜はトッピング、ゆでた小松菜は細かく刻む

小松菜は、茹でるとカリウムは1/3、ビタミンCは半分ほどに減少してしまいます。そのため、茹でるよりも生のまま与える方が多く栄養素を摂取することができます。しかし生の小松菜は胃に負担がかかったり、繊維質によって消化不良の原因となります。そのため、生の小松菜を与える場合は細かく刻み、少量を与えるのがおすすめです。シャキシャキという食感が楽しく、食欲の促進が期待できます。

ゆでて与える場合は、茎であっても葉であっても、やわらかくゆでて細かく刻みましょう。大きすぎると喉に詰まって傷つけたり、消化不良となる恐れがあります。

小松菜を与えるときに注意すること

あくまでトッピングやおやつとして

基本的に、総合栄養食であるドッグフードを食べていれば必要な栄養素は十分に足ります。与えすぎると肥満になったり、栄養素の過剰摂取となって病気の原因となってしまいます。

トッピングやおやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にするようにしましょう。毎日の愛犬のドッグフードやおやつの管理がとても重要になります。

甲状腺機能低下症

小松菜やキャベツ、ブロッコリーが分類されるアブラナ科の野菜には、ゴイトロゲンとよばれる成分が含まれています。このゴイトロゲンは甲状腺ホルモンの分泌を抑制する働きがあるため、甲状腺ホルモンの生成が低下する甲状腺機能低下症を発症する原因となります。甲状腺機能が低下している犬には与えない方が良いでしょう。

シュウ酸カルシウム結石

小松菜に含まれるシュウ酸は、過剰摂取するとシュウ酸カルシウム結石は膀胱や尿道などの泌尿器や腎臓に結石ができ、シュウ酸カルシウム結石になる可能性があるといわれています。

小松菜はシュウ酸がほとんど含まれていないとはいえ、尿路結石症や腎臓病の心配がある犬には与えないようにしましょう。尿が正常に排出することができなくなったり、最悪の場合、水腎症や尿毒症により死に至る場合があります。

ビタミンA中毒

前述で「β-カロテンは犬の体内でビタミンAに変化する」とご紹介しましたが、犬はこの変化が他の動物と比べて活発といわれています。そのためβ-カロテンを過剰摂取するとビタミンA中毒になりやすい傾向にあります。ビタミンA中毒になると骨折や骨の奇形、肝臓や腎臓の機能低下、赤血球の減少、食欲不振などの症状があらわれます。

小松菜はβ-カロテンが豊富なので、過剰摂取には十分に気を付けましょう。

まとめ

  • カルシウムやβ-カロテン、ビタミンCは他の野菜と比べて群を抜いて豊富
  • カルシウム量はほうれん草の約3倍で、牛乳をも上回る
  • シニア期はビタミンC欠乏症に注意
  • 新鮮な小松菜を選び、冷凍庫で保管する
  • 生の小松菜はトッピングとして、ゆでた小松菜は細かく刻んでドッグフードに混ぜる
  • 甲状腺機能や腎臓に心配がある犬には与えない