ドッグフードの原材料:玄米(brown rice)
玄米(brown rice)とは?
玄米(brown rice)とは、籾殻(もみがら)を取り除いた精白前の茶色がかった米です(写真は真ん中)。
精白とは糠層(米ぬか)や胚芽なども一緒に取り除いて胚乳だけにする工程で、籾から取り出した玄米を精白することで右のような白い精米(白米)になります。
ペットフード界では穀物を完全不使用にしたグレインフリーフードが流行ですが、米や玄米への風当たりはそこまで強くはなく、穀物の中では比較的使用されやすい原材料です。ドッグフードの原材料では玄米や玄米粉と表示されることが多く、海外フードでは英語のブラウンライスと訳されていることもあります。
健康食として注目
玄米は、普通に炊くと固くてボソボソした食感になるため味や食感は好まれていませんでしたが、栄養が豊富に含まれる米ぬかや胚芽が取り除かれていないので、近年は健康食品として注目されるようになっています。玄米モードのある炊飯器の登場や美味しい炊き方やコツがある(塩を加える等)とわかったことで、玄米の味や食感も改善され、さらに人気が高まっています。
玄米の栄養素
成分表
成分(分析値) | 玄米 | 精白米 |
タンパク質 | 2.8g | 6.1g |
脂質 | 1g | 0.9g |
炭水化物 | 35.6g | 77.1g |
食物繊維 | 1.4g | 0.5g |
ナイアシン | 2.9mg | 1.2mg |
マンガン | 1.04mg | 0.8mg |
モリブデン | 34μg | 69μg |
カロリー(100g) | 165kcal | 356kcal |
食物繊維が豊富でヘルシー
玄米はナイアシンやモリブデン、マンガンなどのビタミンやミネラルが豊富です。また食物繊維が多く含まれるため、炭水化物量も抑えた低カロリーでヘルシーな食材です。精白米と炭水化物を比較してみると、玄米が35.6gに対して精白米は77.1gと炭水化物の量に2倍以上の違いがあり、カロリーも玄米の方が200kcal以上も低いです。
米の栄養素を取り入れつつ、ヘルシーにカロリーを抑えたい場合に玄米はおすすめです。
玄米をドッグフードに使うデメリット
消化性がよくない
玄米は米ぬかや胚芽などが含まれて食物繊維が多い食材なので、消化性はよくありません。このため、お腹をこわしやすい犬や消化管の調子が悪い犬には負担がかかってしまうことがあります。
玄米のアレルギー性
玄米は穀物なので、穀物アレルギーのある犬には、交差反応で玄米にもアレルギー反応が出てしまう可能性があるのでグレインフリー(穀物不使用)フードがおすすめです。ただ米は三大穀物の中で比較的アレルゲンになりにくい食材で、小麦やトウモロコシなどは犬にアレルギーが出る可能性が高いですが、米はアレルギー対策のフードに利用されることもあります。
特に玄米は精白米より原因物質となるタンパク質が少ないので、米よりさらにアレルギー症状が出る可能性は低いです。
玄米を使用したドッグフード
- ニュートロナチュラルチョイス ラム&玄米
- フィールド&トライアル ラム&玄米
- ナチュラルバランス ベジタリアン ドッグフード
- Daily Style 犬用食事療法食 G.A.N.コントロール
- MESHI MESHI
ドッグフードの玄米:まとめ
- 精白米よりビタミンやミネラルが豊富
- 精白米より食物繊維が豊富でヘルシー
- 消化は良くない
- アレルギー性は低い
- 精白米より嗜好性が劣るかも?