ドッグフードの魚粉(フィッシュミール)。栄養素と注意点、アレルゲンの特定は難しい

ドッグフード フィッシュミール 魚粉

ドッグフードの原材料:魚粉(フィッシュミール)

フィッシュミール(魚粉・乾燥魚粉)は、複数の魚から製造される原材料で、養魚・家畜用飼料やペットフードへの利用が大部分を占めています。

魚粉はサンマやアジ、イワシ、サバ、イワシ、タラなど大量に漁獲される魚(多獲性魚)から製造されます。国内ではスケソウダラやサンマ、ニシンを使用したものが多いですが、外来魚による生態系の問題を抱えた地域では、駆除した外来魚を魚粉として利用している自治体もあります。

世界的にみると、魚粉への使用量が多いのはイワシです

ホワイトミールとブラウンミール

フィッシュミールの中で、原料によってホワイトミールとブラウンミールに分けられることがあります。

ホワイトミール(白身魚)

白身魚を使用したホワイトミールは、低アレルゲンであっさりとした淡泊な味。また、速筋タンパクが豊富なので筋肉量の増量も期待できます。

ブラウンミール(赤身・青魚)

赤身魚を使用したブラウンミールは、しっかりとした風味があり、魚風味に嗜好性を示す犬の食いつきにも期待できます。

魚粉の製造方法

ドッグフード 魚粉

魚粉(フィッシュミール)は、魚油と同じ原料から製造されます。魚類をまとめて鍋で蒸煮にし圧力をかけて脱水します。遠心分離機などで油分とそれ以外を分けて、抽出された油分は魚油として別の製造工程へ入ります。

油分を分離して残った魚粉のもとから、煮汁などの液体部分を濃縮したフィッシュソリュブルを除き、乾燥・粉砕するとフィッシュミール(魚粉)が完成します。

副産物=人間が食べない粗悪な部分という悪いイメージがありますが、副産物は本来何かを作る過程で得られた他の産物という意味なので、副産物が一概に悪いものではありません。例を挙げると、おからや豆乳も豆腐を作るための副産物です。反対に豆乳をおからを作る目的だったら豆腐や豆乳が副産物扱いになります。

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魚粉(フィッシュミール)の栄養と働き

ドッグフード 魚油 栄養素引用元:飼料学 (95)-VI 動物性飼料原料 |農林水産省農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター

タンパク質52.0~65.4%
粗脂肪6.1~12.0%
炭水化物0.4~3.7%
粗繊維0.2~0.6%
粗灰分16.4~23.7%
水分7.2~8.1%

魚粉では食品ではなく飼料に使われることが多く、食品用の栄養分析値は見つけられなかったので、飼料に使われている魚粉の栄養成分値を参考にしたいと思います。

国内の単体飼料の規格では、タンパク質が50%以上、粗脂肪が12%以下、粗灰分が27%以下と定められていますが、海外の規格は定かではありません。

高タンパク・低脂質

タンパク質が半分以上を占めていますが、脂質は1割前後で低脂質です。魚油の製造で脂肪分を抽出されているので、加工前の魚より低脂質になっています。

魚粉のタンパク質は必須アミノ酸で構成されているので、良質なタンパク質源と言えます。

ミネラル(灰分)が豊富

魚粉はミネラル(灰分)が全体の16~23%を占めています。

ミネラルの中でも特に骨の構成成分であるカルシウム(5.47%)、リン(3.03%)、マグネシウム(0.3%)が豊富に含まれています

魚粉(フィッシュミール)の注意点

魚粉の製造時に加えられる抗酸化剤

フィッシュミール(魚粉)は、ドッグフードの製造工場で生産されるわけではありません。

別の国や工場で製造したフィッシュミール(魚粉)には、合成酸化防止剤が使用されている可能性がありますが、別の国や工場で製造された場合、ペットフード工場が添加していなければ原材料名欄に記載する必要はありません。

つまり、魚粉の製造工場がどのような添加物で製造していても把握できないということです。

重金属(水銀)の含有

魚は水銀を多く含有している場合があるので、魚原料を多く使用することで重金属による中毒が心配されます。

ペットフード安全法でヒ素、鉛、カドミウムについては重金属の成分規格が定められていますが、水銀はペットフードの成分規格で定められていません。

水銀は大きい魚であればあるほど体内に蓄積されているので、小型の魚であれば水銀量も少ないかもしれませんが、サバやツナなど大型魚になってくると水銀量の調査や検査を行っているか確認した方がいいかもしれません。

フィッシュミールはアレルゲンの特定が難しい

また、フィッシュミールは複数の魚のタンパク質を使用するので、アレルギー反応がでた場合に、魚全般の中からアレルギーの特定をしなければならないというデメリットがあります。

たとえばサーモン、サバなど特定の魚を使用したドッグフードでアレルギーが出た場合、その魚だけを避ければ他の魚は与えられますが、魚粉の場合、特定に時間がかかってしまうので、結果的に魚全般を避けるという選択になりがちです。

まとめ

  • 複数の魚類から生産される魚原料
  • イワシやサンマ、サバ、タラなど多獲性魚がよく使われる
  • 良質なタンパク源、低脂質
  • 骨を構成するミネラルが豊富
  • 抗酸化剤や水銀に注意
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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。