ドッグフードの栄養添加物
栄養添加物とは
栄養添加物はビタミン類、アミノ酸類、ミネラル類などの栄養を補うために配合される添加物で、栄養強化剤と言われることもあります。ドッグフードでは特に総合栄養食ではほとんどすべての製品に使用され、ドッグフードの原材料では不足する栄養素を補い、犬の栄養バランスを一定に保ちます。
栄養添加物は安全安心?
栄養添加物は上記のような栄養素を補う添加物の総称なので、中には化学由来の添加物が使用されている可能性もあり、一概に天然か合成かと言い切ることはできません。ドッグフードには化学合成か天然由来かは記載されないため、栄養添加物が合成なのか天然由来なのか確かめる方法はなく、電話で直接問い合わせて聞くくらいでしか確かめることはできません。
ただ今のところ、ペットフードに使用される栄養添加物で犬の体に悪影響があった事例やトラブルはなく、むしろ栄養添加物が不使用にした場合、総合栄養食をつくるのは非常に難しく、開発のハードルが上がってしまうため、栄養添加物を不使用にするというのは現実的ではないと言えます。
安全性試験や使用実績から安全と判断できる添加物を使用
またペットフード協会の栄養添加物に関するページを見ると、下記のような記載があります。
そこで、ペットフード中の栄養素を一定に保つために各種栄養添加物を使用します。ペットフードに使用される添加物は、食品や飼料に使用が許可されたもので、それらの添加物は人間および動物の健康を損なわないことを確認する安全性試験が実施されており、過去の使用実績等から安全であるとされているものです。
栄養添加物としてドッグフードに配合されるのは、使用実績の長い食品や飼料添加の許可を得たものが推奨されるので、問題は起こりにくいと言えるかと思います。
栄養添加物の種類
ビタミン類(ビタミンA、D、E等)
ビタミン類はビタミンA、ビタミンD、ビタミンEの添加がよく見られます。
ビタミンは加熱に弱く、製造時の加熱や輸送や購入までの保管期間にどんどんビタミンが壊れ、損失してしまいます。特にビタミンAやD3は製品の保管期間中の損失が大きく、賞味期限近くになると、約50%が失われてしまいます。
また、ビタミンEに関しては、損失は著しくないものの酸化防止剤としての側面もあり、キャットフードの酸化を防ぎながら栄養としての役目も果たすので、多めに配合される傾向があります。
アミノ酸類(タウリン、DLーメチオニン等)
アミノ酸類には、タウリンやDLーメチオニン、Lーカルニチンなどが挙げられます。
アミノ酸はタンパク質を構成する分子ですが、アミノ酸にも種類があり、必須アミノ酸を適切に摂取しなければ栄養不足となり、体に不調をきたします。
特に猫で重視されるのがタウリンで、猫の場合はタウリンがないと栄養不足により亡くなってしまうこともあります。犬は体内でも少しなら合成できるので、猫ほど深刻ではありませんが、ドッグフードには必要量添加されることがあります。
ミネラル類
ミネラル類については、亜鉛、銅、鉄、マンガン、ヨウ素などがあります。
ミネラル類は必須栄養素なので適切な量の摂取が必要ですが、ミネラルは必要量が少なく、また欠乏と過剰の間の適正量の幅も狭いため、調整が難しい栄養素と言えます。
もし多ければ多い程いいのであれば、ミネラルが豊富な原材料を多く配合すればいいだけの話ですが、それでは体に異常をきたしてしまうため、栄養添加物などで微量な調整を行うのが一般的となっています。
栄養添加物以外の添加物
品質を保つ添加物:保存料
栄養添加物の他にも、ドッグフードの品質を保つために加えられる酸化防止剤や防腐剤などの保存料があります。
添加物としてよく注目されていると思います。保存料にも化学合成と天然のものがあり、危険視されて使用が禁止されているものもあります。
嗜好性や色を調整する添加物:着色料、調味料
またドッグフードの香りや風味を強くする香料や甘味料、飼い主目線で美味しそうな色に見えるよう加えられる着色料なども添加物として挙げられます。
これらは化学合成で犬に健康被害を招く可能性のある添加物が多いため、チェックしておくべきです。
ドッグフードの栄養添加物まとめ
- 栄養添加物はドッグフードの総合栄養食に必要な添加物
- すべて天然由来とは限らない
- 損失の大きい栄養素や微量な調整が必要な栄養素に利用される
ここではドッグフードに使用される栄養添加物についてご紹介していきたいと思います。