目次
今回はドッグフードの脂質について働きや注意点などを解説していきます。
ドッグフードに含まれる脂質について
脂質とは
脂質とは三大栄養素の中で最も高いエネルギーを得られる栄養素です。ドッグフードに含まれている原材料でみると、植物油や動物性のオイル、肉や魚の脂などが挙げられます。
高脂肪ドッグフードによる脂質の過剰摂取は肥満のもと
ご存知の通り、脂質の過剰摂取は愛犬の肥満を招くので、愛犬の脂質摂取量には注意する必要があります。
特に運動嫌いの犬や老犬で運動不足になりがちの犬は、他の犬と同じくらいの脂質量でも肥満になる可能性があります。
ただ脂質は体において必要な働きも多く担っています。次の項目からは犬の体における脂質の役割や必要性などをご紹介します。
脂質は効率の良いエネルギー源として利用される
脂質は生命活動や体を動かすために必要なエネルギーを効率良く供給することができます。
これは糖質などを含む炭水化物やタンパク質よりも高く、エネルギーを摂取させるという点においては最も向いている成分と言えます。
そのため愛犬が病気の時や食欲が無いとき、少ない食事量で多くのエネルギーを摂取させたい時には脂質を多く含む食事をさせることで、効率よくエネルギーを与えることができます。
脂質は脂溶性ビタミンの吸収を助ける
ビタミンA、D、E、Kの吸収
また脂質は脂溶性ビタミンの吸収を助けます。脂溶性ビタミンとは水に溶けにくく油に溶けやすいビタミンのことで、具体的にはビタミンA、D、E、Kが挙げられます。
ビタミンは視覚の維持や代謝の調整など、体の調子を整えたり正常に機能できるように働く栄養素で、五大栄養素の一つです。
ビタミンの吸収を脂質が助けるので脂質がないとせっかく摂取しても体に吸収されずに排泄されてしまいます。
犬に必要不可欠な必須脂肪酸(オメガ6・オメガ3)の働き
脂質に含まれる必須脂肪酸は犬が体内で合成することができない成分で、体の外、つまりドッグフードなどの食事から摂らなければならないため「必須」脂肪酸と言われています。
必須脂肪酸の中でもオメガ3脂肪酸(EPA、DHA)とオメガ6脂肪酸(リノール酸やアラキドン酸など)はお互いに作用し合う関係性で、血管を保護する作用があったり、活性細胞を合成したり、体から水分が失われるのをコントロールしたりと重要な様々な役割を担っています。
低脂質のドッグフードが必ずしも良いとは限らない
しかし愛犬にとって必ずしも低脂質のドッグフードが良いものであるとは限りません。
必須脂肪酸の欠乏による症状
先ほど説明しました脂質に含まれる必須脂肪酸は、体内で欠乏すると以下のような症状を引き起こします。
- 脱毛でハゲができる
- 被毛に艶がなくなる
- 自己治癒が遅くなる
- 湿性皮膚炎が出る
- 生殖機能が低下する
必須脂肪酸はドッグフードなどの食事からしか摂ることができないので、低脂質が過ぎるとこのような症状が出ることがあります。
タンパク質も少ない傾向
また脂質を減らすと、脂質が含まれる動物の肉の含有量も減ってしまうドッグフードが多いです。
肉には犬にとって必要不可欠な動物性タンパク質も多く含まれているので、脂質を少なくすることにこだわりすぎてタンパク質量も減ってしまうケースがあります。