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では今回は馬肉の栄養素や特徴、ペットフードにはどのような馬肉が使用されるかなども紹介したいと思います。
ドッグフードの原材料:馬肉(horsemeat)
最近よく目にするようになった馬肉を使ったドッグフード。
馬肉は栄養面、安全面でもメリットが多く、以前まではあまり馬肉ドッグフードは注目されていませんでしたが、鹿肉などのジビエが注目された影響もあり、ドッグフードでも馬肉を使った商品を販売するメーカーが以前より多くなったように感じます。
筋肉量が多く高タンパクで低脂質。鉄分が豊富な赤身部分が多い
馬肉は非常に高タンパク質・低脂質。他ビタミンやミネラルも豊富です。
長距離走行を得意とする性質からも分かるとおり、馬は筋肉量が非常に多く、体も引き締まっているので豚や牛に比べると脂肪が少ないです。このため、高タンパクな赤身部分の割合が多く、反対に脂質は非常い少ないヘルシーな肉質となっています。カロリーも110kcalと非常に低く、豚の386kcalと比べると1/3以下です。
また赤身部分には赤血球の主成分(赤い色素)となるヘモグロビンや、ミオグロビンなど鉄分が豊富です。鉄分は血液を作るために必要不可欠なので、貧血やふらつき、息切れなどを予防して健康で強い体をつくるために役立ちます。
馬肉の栄養 | タンパク質 | 20.1g | |
脂質 | 2.5g | ||
ミネラル | 鉄分 | 4.3mg | |
セレン | 17μg | ||
マグネシウム | 18mg | ||
ビタミン | ビタミンC | 1mg | |
ナイアシン | 5.8mg | ||
ビタミンB12 | 7.1μg | ||
パントテン酸 | 1.01mg | ||
カロリー | 100g | 110kcal |
馬は安静時でも体温が高いため、細菌や寄生虫の危険性が少ない
通販サイトや一部のペットショップでも、馬肉が冷凍したペット用生肉として販売されていることがありますが、馬肉は、加熱せず馬刺しやユッケなど生肉のまま食べられることも大きな特徴の魅力のひとつです。
通常、食中毒の原因になる腸管出血性大腸菌などの細菌は動物の腸管内に生息していますが、馬の場合、体温が高く食中毒の原因となる菌が増殖しにくく、そもそも菌を保有していないません。このため馬肉は加熱を必要とせず、生のまま安全に食べることができます。
食用馬肉は生産量が少ないため高価格
食用として生産される馬肉は非常に少なく、全国のスーパーでは鶏、豚、牛は基本的に置かれていますが、馬肉についてはスーパーで見かけることはめったにありません。
日本国内における食用家畜は鶏・豚・牛などが一般的で、国内の年間生産量で比較してみると、鶏肉が約157万トン、豚肉が約90万トン以上、牛肉は33万トンなのに対し、平成30年時点の馬肉国内生産量は3,850トンと非常に少ないことが分かります。
さらに、平成10年時点では7,830トンの馬肉が国内生産されていましたが、現在はその半分以下となっており、年々減少傾向です。国内生産が少ない分、日本では食用として販売される馬肉の多くをカナダから輸入をしています。ただ、馬肉の総輸入総量は7,717トンと国内生産量と合わせても1万2,724トンほどで、輸入価格も上昇傾向にあり、輸入に足止めがかかっているような状態です。
ドッグフードに使われる馬肉は「廃用乗用馬」
食用馬肉は非常に数が少なく高価格ですが、ドッグフードに使用される馬肉は「廃用乗用馬」という安価な馬肉が使用されることが多いようです。
廃用乗用馬とは、引退した競走馬や農用馬、観光用馬、儀典用馬などのことで、食用として飼育されているわけではないため、食用馬肉に比べて低コストで入手できることから、ペットフードや加工食品に利用されています。
生涯にわたって働いた馬を最後まで商業利用する点で賛否両論はあります。
馬肉を使用したドッグフード例
- アドメイト ドッグフード
- サクラフーズ 馬肉 ドッグフード
- ドッグフード工房 ドライフード
- Yum Yum Yum!
- 健康いぬ生活 馬肉自然づくり
- nekonote もぐもぐDog
- 吉岡油糧 馬肉フード
- smiledog ノーモア メタボ
- Chiyo-pet ドッグフード BATSUGUN
- デビフペット デビフ缶 馬肉のスープ
- PERORI
- A-WAN
- Terra(テラ)
まとめ
- 高タンパク・低脂質
- ヘモグロビンやミオグロビンなど鉄分が豊富
- 国内生産と、カナダ産馬肉も輸入しているが合わせても流通数は非常に少ない
- ドッグフード用馬肉は廃用乗用馬が利用される