ドッグフードの原材料:ポーク(豚肉)
牛や鶏よりややマイナーな肉原料
食品では鶏や牛と並んでおなじみの豚肉ですが、ポーク(豚肉:pork)を使用したドッグフードは牛や鶏などのメジャーなラインナップと比較するとややマイナーになりますが、サブの原料として豚肉が使用される商品はよく見られます。豚の仲間のイノシシ(ワイルドボア)が使用されることもあり、豚肉とイノシシの両方を使っているドッグフードも見られます。
ドッグフードではポークミール、豚脂、ポークエキス、ポークフレーバー、豚レバーなどの豚原料が配合されています。また他の肉と混ざったミートミールなどに使用される場合もあります。
与える時はしっかり火を通す
犬は豚肉を食べても大丈夫で、手作り食などに利用しても問題ありません。与える時は、生のままだと寄生虫や細菌などによる食中毒の可能性があるので、十分に加熱して火を通してから与えるようにしましょう。ドッグフードの場合、ドライでもウェットでも加熱処理は行われるので問題ありません。
また、豚肉には脂身が多く脂質が多くなりがちになるので、肥満の犬や体重管理が必要な犬には与える量を注意しましょう。
ポーク(豚肉)の栄養素
成分(分析値) | タンパク質 | 14.2g |
脂質 | 34.6g | |
炭水化物 | 0.1g | |
カリウム | 250mg | |
ナトリウム | 47mg | |
リン | 140mg | |
鉄分 | 0.6mg | |
亜鉛 | 1.8mg | |
ビタミンB1 | 0.54mg | |
ビタミンB2 | 0.13mg | |
ナイアシン | 4.6mg | |
ビタミンB6 | 0.21mg | |
ビタミンB12 | 0.4μg | |
パントテン酸 | 0.79mg | |
カロリー | 100g | 386kcal |
アミノ酸スコア100!良質なタンパク質
豚肉はアミノ酸スコア100で必須アミノ酸がバランスよく含まれているので、豚肉を利用したドッグフードからは良質なタンパク質を摂取できます。
生活習慣病予防にオレイン酸(オメガ9)
ポーク(豚肉)は脂質も多く含まれています。脂肪が多いためヘルシーな鶏肉と比べるとカロリーも高め(386kcal/100g)ですが、脂質に含まれる「オレイン酸」というオメガ9脂肪酸は、悪玉コレステロールを減らして動脈硬化や心筋梗塞といった生活習慣病の予防に役立ちます。
ビタミンB群が豊富
豚肉にはビタミンB1(チアミン)を始め、体内で様々な反応や代謝のために補酵素として働くビタミンB群が豊富に含まれています。ビタミンB1はドッグフード製造過程で半分ほど減ってしまうため、豚肉のようなビタミンB1が豊富な食材は補給源として有効かもしれません。またビタミンB群は沢山摂取しても余ったら自然に体の外へ排出されるので、ビタミンBが多すぎることで副作用や中毒の心配はありません。
豚レバーにはビタミンAが豊富
レバーは栄養価の高い食材ですが、特に豚レバーには皮膚や粘膜の細胞の正常な分化を促すビタミンA(レチノール)やビタミンB2(リボフラビン)が群を抜いて多く含まれています。高栄養な食事が必要な成長期の子犬や母犬向けのドッグフードでよく使用されています。
ポーク(豚肉)を使用したドッグフード
- アカナドッグフード ヨークシャーポーク
- ドットわん豚ごはん
- プロステージ ル・シアン ポーク
- ナチュラルハーベスト シンプレックス ポーク
- FORZA10 デイリーフォルツァ ポーク
- プレイアーデン 100%有機ウェット ドイツ豚
- AATUドッグフード ポーク&ワイルドボア
- 純国産ドッグフード スマイリー ポークdeli
ポーク(豚肉)のアレルギーやホルモン剤の心配
牛タンパクと交差反応
豚肉は高タンパク質で、鶏や牛と同様、食物アレルギーの原因になりやすい食材の一つです。豚肉の場合、交差反応を示しやすいのは牛肉だけなので、鶏やラムなどにアレルギーがあっても問題ありませんが、牛か豚(ポーク)にアレルギーがある場合は、他の原材料を使ったドッグフードを与えるか、もしくは交差反応が出るか様子を見ながら少量ずつ与えるのがおすすめです。
ホルモン剤投与が認められている
アメリカ、カナダ、オーストラリアでは豚や牛へのホルモン剤(肥育促進剤)の使用が認められています。ドッグフードの原産国や原材料の仕入れ先によっては、ホルモン剤を投与された豚肉が使用されている可能性があります。
ホルモン剤は健康に影響はないとされていますが、ホルモンに依存する発がん性が懸念されており、国によっては使用や輸入を禁止しています。
EUもホルモン剤を投与した牛の生産だけでなく輸入も禁止しているので、ヨーロッパ産ドッグフードではホルモン剤が使われた豚肉の心配はありません。日本ではホルモン剤を使用した牛や豚の輸入は禁止されていませんが、国内でのホルモン剤の使用自体は認められていないので、国産牛肉を使用したドッグフードならホルモン剤投与の心配はありません。
まとめ
