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基本的にドッグフードは混ぜない

ドッグフードを2種類以上混ぜて与える給与方法は、当サイトでは推奨していません。
ドッグフードを混ぜるとそれぞれの栄養をカバーし合えると考える方もいますが、むしろ総合栄養食同士はなるべく混ぜずに1種類で与えるのが適切とされています。
切り替え時や一時的であれば問題なし

違う種類のドッグフードを混ぜて与えるのが他のドッグフードへの切り替え時や一時的なものであれば、問題はありません。
むしろ、新しいドッグフードに切り替える場合は、これまで与えていた旧ドッグフードに少しずつ新ドッグフードを混ぜて慣れさせる方法が各メーカーで推奨されています。
理由は、犬の味覚や消化器官を新しいフードに慣れさせることができるためです。混ぜることでドッグフードの切り替え直後におこしやすい早食いや、消化不良による吐き戻し、下痢などの対策にもなります。
また、残り少ないドッグフードが2種類あるから最後だけ混ぜた、というくらいのことなら、健康な犬の場合は大きな影響や問題が出ることはめったにありません。
ドッグフードを混ぜて与えるのがNGの理由
総合栄養食はその製品と水だけで栄養バランスが整っている
ペットフードは、給与目的を機会で分けると主食と間食に分けられます。主食としてのペットフードは「総合栄養食」と言い、当該ペットフードと水を与えていれば必要とされる栄養素が摂取できるように作られています。
総合栄養食は、そのドッグフードと水だけで栄養に過不足なく犬の健康を保つことができる成分バランスで配合されたドッグフードです。
適切な栄養量や比率、バランス、全体から見た割合(%)、1日の給与量など計算し、基準に合わせてレシピがつくられています。
長期的に与えると栄養素に過不足が生じる

しかし、長期的にドッグフードを混ぜて与え続けると、摂取する栄養素に過不足が生じ、総合栄養食の意味をなさなくなります。
ドッグフードは100gあたりの栄養素量やカロリーもそれぞれ異なるので、メーカーごとに給与量が定められています。
給与量の違うドッグフードを与える場合、どちらかの目安量に合わせると本来の必要量が摂取できなくなる、もしくは多めの摂取してしまいます。
栄養成分は細やかな量や比率の調整が求められる

また、成分同士の細かなバランスが重要な栄養素もあります。
たとえばミネラルでは、カルシウムとリンとマグネシウムの比率は尿路結石や下部尿路系の病気に影響します。ミネラルは含有量が微量で、0.01%という非常に細かい単位で調整されています。また、心臓疾患のあるわんちゃんは、食塩相当量(ナトリウム量)も気になるかと思います。
- カルシウム:リン:マグネシウム(適正比率:1.2:1.0:0.08)
- オメガ6:オメガ3(適正比率:ω6:ω3=5~10:1)
- 必須アミノ酸(11種類:アミノ酸スコアで評価)
- 食塩相当量
前述の値や比率もフード同士を混ぜ合わせてしまうとバランスや相当量が変わってしまいます。
混ぜるとアレルゲンが特定しにくい
栄養成分の問題以外にも、ドッグフードを混ぜると、食物アレルギーの症状が出たときに、どちらのフードのどの食材で発症したのか、原因が特定しにくくなります。
アレルギー反応を示す割合は少ないものの、症状は皮膚炎や嘔吐、下痢など様々です。アレルゲンを特定してその食材を抜いた食事にしなければ症状はいつまでも改善されません。
1種類であれば特定もしやすいですが、複数のドッグフードで症状が出た場合は特定が難しく時間もかかります。
1種類のフードにするか数ヶ月単位でローテーションを組むのがおすすめ

混ぜるより高品質な1種類を選んだ方が安上がり
品質や保存状態、衛生管理などの観点から考えても、良質で十分な栄養を得られるドッグフード1種類を与えた方が愛犬の健康や体調維持にはよいとされています。
また、安いドッグフード2種類を購入するよりも、少々高めでも良質なドッグフードを1つを愛用した方が経済的です。愛犬が気に入る良質なドッグフードを1つ探すことをおすすめします。
トッピングやおやつを使って味のバリエーションを持たせる
同じ味のものばかり与えるのはかわいそう、いろんな味を楽しんでもらいたいということでしたら、基本のドッグフードは1種類にして、トッピングや一般食をつかって味にバリエーションを持たせる方法がおすすめです。
人間でいえば、主食のごはんやパンはそのままで、納豆や卵、おかずなどで様々な味を楽しむといった感覚でしょうか。
2種類使いたいならローテーションがおすすめ
もし2種類以上のドッグフードを与えたいなら、混ぜずにローテーションで期間でわけて与えるのがおすすめです。
ローテーションをしている飼い主さんは割と多く、1種類のみを永遠に与えるよりも他のフードに対応できるようになるので、災害時や普段のフードがなくなった時の新フードへの移行もスムーズにいきます。
まとめ


愛犬の栄養バランスを崩さないためにもなるべく1種類で与えようと思いました。
