ドッグフードの原材料:サバ(Mackerel)
サバは犬が食べてもOK
ドッグフードではサバを使った商品もあるので、サバ自体は犬に与えてOKな食材です。
犬といえば肉というイメージがありますが、魚にも動物性タンパク質が豊富に含まれています。
このため、たとえばお肉が好みではないワンちゃんや、肉に食物アレルギーの反応が出てしまうワンちゃんには、肉の代わりに魚を与えることで、肉を避けつつ動物性タンパク質を摂取できます。
サバを使用したドッグフード
サバやサバ缶を手作り食に使って大丈夫?
手作り食でサバを使用したレシピもあり、犬の嗜好性も高く、必要な栄養素も豊富に含まれています。
サバ缶を手作り食に使用しても問題ありません。ただ、味噌煮などの濃い味付けのものはNGで、犬に与える場合は水煮のサバ缶を選びましょう。
※水煮でも食塩を多く使用したものやしっかり味が付いている場合は塩分過剰になる可能性があります。
サバの栄養素と働き
タンパク質 | 20.7g | |
脂質 | 12.1g | |
炭水化物 | 0.3g | |
ビタミン | ビタミンA | 24μg |
ビタミンD | 11μg | |
ビタミンB1 | 0.15mg | |
ビタミンB2 | 0.28mg | |
ナイアシン | 10.4mg | |
ビタミンB6 | 0.51mg | |
ビタミンB12 | 10.6μg | |
パントテン酸 | 0.76mg | |
ビオチン | 4.4μg | |
ミネラル | ナトリウム | 140mg |
カリウム | 320mg | |
マグネシウム | 32mg | |
リン | 230mg | |
銅 | 1.1mg | |
セレン | 64μg | |
カロリー | 100g | 202kcal |
動物性たんぱく質
サバには全体の20%と高い割合で動物性タンパク質が含まれています。肉に含まれる動物性タンパク質もだいたい20%前後なので、魚を主原料にすれば肉と同じくらいのタンパク質を摂取できます。
脂質(オメガ3:EPA・DHA)
サバは脂質が豊富に含まれています。旬で脂がのった身は特に脂肪が多く、必須脂肪酸の供給源になります。
脂質ときくと肥満など悪いイメージが先行しがちですが、サバにはオメガ3脂肪酸という不足しがちな脂肪酸が豊富です。
オメガ3脂肪酸には、抗炎症作用による関節炎や皮膚炎の緩和、学習能力や記憶力の向上、動脈硬化や血栓の予防などへの効果が期待されています。
サバの皮にはコラーゲンやビタミンが豊富
また、サバの身だけでなく皮の栄養価も高く、サバの皮にはコラーゲンが含まれています。コラーゲンは骨、軟骨、靭帯、筋肉、爪、皮膚、毛、内臓などの健康維持に役立つと考えられています。
また、皮の方がビタミンAやビタミンB2も多く含まれています。
サバを与える時の注意点
ヒスタミン食中毒
サバはヒスタミンによる食中毒を発症しやすい食材です。
ヒスタミンは、サバに含まれるヒスチジンというアミノ酸にヒスタミン産生菌の酵素が作用することでつくられます。ヒスチジンはサバの他、マグロやカツオ、サンマなど赤身の魚に多く、一度生成されると加熱しても分解されません。サバは特に鮮度が落ちやすい魚なので、食中毒を起こすヒスタミンが作られる前に調理、給与してください。
画像引用元:ヒスタミンによる食中毒について|厚生労働省
ヒスタミン食中毒は、ヒスタミンが高濃度に蓄積された食品、特に魚類及びその加工品を食べることにより発症する、アレルギー様の食中毒です。ヒスタミンは、食品中に含まれるヒスチジン(タンパク質を構成する20種類のアミノ酸の一種)にヒスタミン産生菌(例、Morganella morganii)の酵素が作用し、ヒスタミンに変換されることにより生成します。そのため、ヒスチジンが多く含まれる食品を常温に放置する等の不適切な管理をすることで、食品中のヒスタミン産生菌が増殖し、ヒスタミンが生成されます。
ヒスタミンは熱に安定であり、また調理加工工程で除去できないため、一度生成されると食中毒を防ぐことはできません。
オメガ3は過酸化脂質に変化しやすい
また、サバに豊富なオメガ3にはたくさんのメリットがありますが、オメガ3は酸化しやすい特徴があり、加熱すると過酸化脂質という物質を発生させます。
本来オメガ3は血液をさらさらにし、炎症を抑えるなどの働きがありますが、過酸化脂質に変化すると、反対に血液の流れをドロドロにしたり、細胞の生体膜を破壊したり、犬の体に悪影響を引き起こし始めます。
与え方に注意し、抗酸化作用のある食べ物や成分と一緒に摂取させたり、給与量を抑えて少量で与えれば問題ありません。
まとめ
- 脂質が豊富な青魚
- オメガ3(DHA・EPA)が豊富
- 鮮度が落ちやすく酸化しやすいので注意