目次
ミートミール(Meat Meal)
哺乳動物肉の乾燥粉末
ミートミールは乾燥肉や肉粉とも呼ばれます。
ミートミール(Meat Meal)とは、哺乳動物から血液、毛、蹄、角、皮、糞尿、胃、第一胃の内容物を除いたものをレンダリングしたものです(AAFCO)。骨は含まれません。
ドッグフードの乾燥肉、肉粉などもミートミールと同じ意味で使われています。
ミートミールに使用される動物は一般的に食肉となる牛、豚、羊、ヤギなどの家畜動物以外でも問題ないため、ミートミールはどのような動物が使用されているかは特定できず、つくられる原産国や加工業者によって異なります。
家禽ミール(Poultry Meal)
鳥のミートミール
家禽ミール(Poultry Meal)とは、鳥類の羽、頭、足および内臓を除いた清潔な肉と皮をレンダリングしたものです(AAFCO)。鳥類版のミートミールといったところでしょうか。
チキンミールと家禽ミールについて、チキンはニワトリのミールに限っていますが、家禽ミールは鳥類であればどの種類の鳥でも問題ないため、どんな鳥が使われているか特定できません。
肉骨粉(Meat and bone meal)
骨ありミートミール
肉骨粉(にくこっぷん)とは、哺乳動物の血液、毛、蹄、角、皮、糞尿、胃および第一胃の内容物を除いたものを加熱処理し油脂を除いて乾燥粉末にしたものです(AAFCO)。骨ありのミートミールと言ってもいいかもしれません。
ただ日本での肉骨粉の定義は、食肉を除いた後のくず肉、脳、脊髄、骨、内臓、血液等を使用した乾燥粉末で、血液や胃、毛などが含まれる可能性がある定義でした。
BSE(狂牛病)の原因に
肉骨粉は、骨も粉砕されるのでフードを食べていて骨が刺さったりするような物理的な危険はありません。
しかし、海綿状脳症(BSE、狂牛病)の原因となる「プリオン」が肉骨粉に含まれたことがあり、肉骨粉入りペットフードを食べた犬や猫のBSE感染被害が問題となったことで、使用が避けられるようになりました。
現在国内では肉骨粉になる前にBSE検査を行い陰性の牛のみが肉骨粉になっていますが、BSE検査をどの国でも行っているか、管理がされているかは疑問です。
肉副産物(By product)
食肉以外の部分の総称
肉副産物とは食肉以外の部分の総称です。ミートミールや肉骨粉も肉副産物に含まれます。
ただ肉副産物だけでは範囲が広く定義が曖昧なので、ペットフードの原材料に「副産物」とだけ記載されることはほとんどないでしょう。
副産物は食肉以外のなので、ミートミールでは除去される内臓や骨なども含まれますが、毛、蹄、角、皮のトリミング、糞尿、胃、第一胃の内容物は含まれません。
レンダリング(Rendering)
ミートミールや油脂を生産する「レンダリング」
こもまで紹介してきたミートミールや家禽ミール、肉骨粉などを生産するために行われる「レンダリング」は、具体的にどのような工程なのでしょう。
レンダリング(Rendaring)とは、動物性油脂とミールの生産に必要な工程で、食肉以部分を除いた組織を高温高圧で処理し濃縮させることで、油脂とミールを生産します。
油脂は食用や工業用、ペットフード用など様々な目的で利用され、油脂以外の残った部分がミールとしてペットフードや飼料に利用されます。
タンパク質やミネラル分が豊富
ミールは油脂が分けられ、乾燥され粉末状になるので、脂肪分と水分がほとんどなくなります。
このためレンダリングされたミール系の原材料はタンパク質やミネラルが凝縮され、低脂質でありながら栄養価が高い原材料となります。
4Dミートについて
- Dead:死んだ動物の肉
- Dying:死にかけていた動物の肉
- Deseased:病気の動物の肉
- Disabled:一部障害のある動物の肉
4Dミートは原材料名ではなく上記のような人が食べることのない状態の動物肉を使用した肉原料をまとめた呼び方です。
ミートミールと聞くと4Dミートに結びつけてしまう人も多いですが、ミートミール=4Dミートを使っている、というわけではありません。原材料名や表示だけで4Dミートかどうか確かめる方法はなく、またチキンミールのように特定の動物肉が記載されていたとしても、4Dミートが使用されていない保証にはなりません。
ただ4Dミートについて本当に激安フードで使用されているのかどうか、また犬や猫への健康被害や悪影響については確認されておらず、激安ペットフードへの危険性を煽った話が一人歩きしている可能性もあります。
まとめ
- ミートミール…不特定の動物肉の乾燥粉末
- 家禽ミール…鳥類版のミートミール
- 肉骨粉…ミートミール+骨
- 肉副産物…食肉以外の総称(ペットフードであまり使わない)
- 上記は必ずしも危険なわけではない