ドッグフードに含まれる灰分とは
灰分(ミネラル)とは
灰分(ミネラル)とは、五大栄養素の一つであり、生命維持に欠かせない必須元素の一つです。無機質なので、食べ物だけでなく水道水などにも含まれています。
含まれるミネラルの量は他の成分と比べてとても少ないですが、体の構成成分になったりホルモンや酵素に化学反応を起こさせたりと重要な働きを担っています。
18種類以上のミネラルが必要
犬や猫など哺乳類には18種類以上のミネラル成分が必要不可欠で、特に犬の場合は人よりも必要なミネラル量が高いと言われています。
バランスが大切
しかしミネラルはお互いに作用して働くため、あるミネラルが過剰にまたはとても少ない状態は体に支障をきたすことにつながります。
そのため食事などからバランス良く摂取することを考えなくてはなりません。
犬に必要な18種類の灰分について
18種類の灰分(ミネラル)には以下のような物があります。
- リン
- カルシウム
- クロライド(塩素)
- マグネシウム
- カリウム
- イオウ
- ナトリウム
- 鉄
- 亜鉛
- 胴
- セレン
- ヨウ素
- クロム
- フッ素
- コバルト
- モリブデン
- ホウ素
- マンガン
これだけのミネラルをそれぞれ毎日バランス良く摂取させるのは、手作り食や総合栄養食を利用しない場合、非常に難しいです。
代表的な灰分(ミネラル)の働き
カルシウムとリン
カルシウムとリンは骨や歯などを構成する成分です。カルシウムとリンは常に骨に中に貯蔵されていますが、骨に蓄えられる量が少なくなると骨の密度が少なくなるため、骨粗鬆症の原因になります。
カルシウムは骨の構成成分としての働きの他に、神経伝達や細胞同士の情報伝達にも関係しています。骨や肉などに多く含まれるリンは、DNAや細胞膜にも組み込まれており、不足すると成長が遅くなったり骨が変形してしまうなどの問題が生じます。
カルシウムとリンの両方がなければ骨の構成が難しくなるため、この成分のバランスは非常に重要になります。
マグネシウム
マグネシウムは体の中のエネルギー代謝すべてに関わる成分であり、神経伝達や筋肉収縮、心臓を動かすためにも必要不可欠な成分です。
またマグネシウムはカルシウムやリンと同様、骨などを構成する成分でもあり、マグネシウムによって骨を安定させることができます。
ただし体内のマグネシウム濃度が高くなりすぎると、尿石症のリスクが高くなるためこちらもバランスを摂りながら適度に摂取していかなければなりません。
ナトリウムとカリウム
ナトリウムとカリウムは共に、体内の酸性とアルカリ性のバランス(pH)を保ち、また神経伝達や代謝など細胞が正常に機能し続けるために働きます。
ナトリウムは動物の肉や植物など種類を問わず様々な食べ物に含まれていることが多いため、何かしら食べていれば犬の体内でナトリウムが欠乏するというケースはほとんどないと言われています。
カリウムもまた様々な食材に含まれているため、欠乏することは稀と言われています。
ドッグフードの灰分の適切な量と比率の確認
7~8%が平均的
ドッグフードの灰分(ミネラル)は基本的に10%以下であることがほとんどで、平均すると7~8%が多いように思います。
しかしドッグフードの灰分(ミネラル)を見る場合、ミネラルすべてを合わせた量となってしまうので、それぞれのミネラルの量や比率などまでは確認できないことが多いです。
総合栄養食はバランスはある程度とれている
そのためドッグフードを購入するときにはミネラルのバランスなども考えられている総合栄養食を選ぶことが大切です。
総合栄養食を選んでいれば、詳しいミネラルの成分がわからなくても、ある程度ミネラルのバランスがとれていることが証明されます。
企業によっては詳しく記載している
またドッグフードメーカーによってはミネラルの量まで細かく記載しているドッグフードもあります。
比率などで特に重要視されるカルシウム、リン、マグネシウムの比率は灰分と別に記載されているというケースもあるので、ミネラル量について確認したい場合、記載があるドッグフードを選ぶといいでしょう。