今回はそんなビール酵母についてどのような原材料なのかご紹介したいと思います。
ドッグフードのビール酵母(乾燥酵母・出芽酵母)
ビール酵母とは
ビール酵母(英語:beer yeast 学名:Saccharomyces cerevisiae)とは、ビール醸造に利用される醸造用酵母・発酵菌の一種で、ビールを作る際に麦の糖分を利用してアルコールを発生させる働きがあります。
ビール酵母は麦汁に含まれ、アルコールをつくり出す働きがありますが、ドッグフードや食品に加えられる「ビール酵母」にはアルコールは含まれていないのでご安心ください。
ビール酵母は古代メソポタミア文明の時代から便秘薬や強壮剤として利用されてきた歴史があり、現在も胃腸の健康維持や栄養補給を目的とした指定医薬部外品「エビオス錠」などに配合されています。
ビール酵母は様々な必須栄養素がバランスよく含まれる
ビール酵母は、発酵で麦汁をアルコールに変えるために、ビタミンやミネラルなどの栄養素も一緒に取り込むため、多くの栄養素がバランスよく含まれています。
たとえばビタミンB群やタンパク質、ミネラル、食物繊維、核酸を始めとした栄養素40種類や必須アミノ酸9種類などがあり、人や犬にも必要不可欠な必須栄養素が1つの食材から多く摂取できるので、ドッグフードや犬用サプリメントなどでもビール酵母は利用されています。
ビール酵母の効果
胃腸の働きの活性化、過剰な糖質を分解し、胃腸の働きや消化吸収を助ける
ビール酵母には犬の胃腸の働きを活性化させ、弱った胃を正常に戻す働きがあります。また、ビール酵母の発酵菌には食べ物に含まれる糖質をアルコールと炭酸ガスに分解する働きがあるので、過剰な糖質を分解して消化吸収を助けたり、消化不良を改善する作用が期待されています。
過剰な糖が分解されることで、肥満予防や血糖値の上昇を抑えることにもつながります。
ビール酵母を利用したエビオス錠という人用の医薬部外品には、胃もたれや消化不良、胃部・腹部膨満感、嘔吐、胃弱、食欲不振(食欲減退)、胸やけなどを改善する作用が記載されていますので、ビール酵母が配合されたドッグフードやサプリメントにも同様の働きが期待できるかもしれません。
補酵素として体内の調子を整え代謝を助ける
ビール酵母には犬の体内で補酵素として働くビタミンB群が豊富に含まれています。ビタミンB群は代謝を助け、体の疲労回復を促したり、体内では必要不可欠な栄養素の合成などを行い、正常な機能を保ちます。
整腸作用が期待できる
ビール酵母には腸内細菌に作用するプロバイオティクスとしての働きが期待されており、腸内環境を整える働きがあります。整腸作用によって便秘の改善や免疫力アップにもつながり、丈夫で病気になりにくい健康な体をつくります。
ビール酵母を使用したドッグフード例
- アディクション
- ウィリアムドッグフード
- モグワンドッグフード
- ドッグフード工房
- エルモドッグフード
- ファインペッツドッグフード
- セレクトバランスドッグフード
- ヨラドッグフード
- ファムタイズドッグフード
- このこのごはん
- アランズナチュラルドッグフード
- 馬肉自然づくりドッグフード
酵素との違い
ちなみに酵母と名前がよく似ていて一緒にドッグフードの話題として聞かれることが多いのが「酵素」ですが、具体的にどのような点が違うのでしょうか。
ビール酵母は、乳酸菌やイースト菌、カビ菌、キノコと同じ菌類に分類され、ドッグフードでも配合されることが多い機能性原材料です。
対して酵素は、ビール酵母やイースト菌のように原材料として添加されているケースは少ないと思います。酵素は菌ではなく生体内外の化学反応のために触媒として機能する物質を総称して言います。イメージがつきにくいですが、生きるために必要不可欠な物質です。
熱に弱く、生の野菜や果物に多く含まれますが、ドッグフードでは製造時に加熱処理が行われるので、酵素が失われている場合が多いです。
酵素についてはまた違う記事で詳しく説明したいと思いますので、よければご覧下さい。
まとめ
- ビール酵母はビール醸造用の発酵菌の一種
- 糖をアルコールと炭酸ガスに分解する働きがある
- ビール酵母そのものにはアルコールは含まれない
- アルコールを作る際にビタミンやミネラルなどを取り込むため様々な栄養素がバランスよく含まれる
- 胃腸の活性化や消化吸収を助ける、整腸作用など様々な効果が期待できる
犬にとって危険がないのか心配です。