狂犬病の致死率と原因、症状は?犬のワクチン摂取は義務!料金や回数を紹介

rabies 狂犬病

狂犬病(rabies)とは

致死率が最も高い人獣共通感染症

狂犬病とは、世界で致死率が最も高い感染症の一つで、動物と人の両方が感染する「人獣共通感染症」です。犬も人も感染するとほぼ100%の確率で死に至ります。

狂犬病はラブドウイルス科リッサウイルス属の狂犬病ウイルス(Rabies virus)という病原体によって引き起こされる病気で、感染している犬や動物に咬まれてた傷口や粘膜から唾液が体内に入ることによって感染します。

犬以外の動物からも感染する

「狂犬病」という名前から犬だけに感染する病気のように思われがちですが、犬だけに限った病気ではなく、ネコ、コウモリ、キツネ、コヨーテなど他の哺乳動物にも感染します。アジアでは犬からの狂犬病感染が多いですが、アメリカではコウモリにかまれて感染することが多いため、海外の野犬以外の動物からの感染にも注意する必要があります。

狂犬病の症状

狂犬病に感染した犬の症状

厚生労働省が発表している狂犬病の犬の症状は以下のような症状とステージがあります。

  • 前駆期:性格の変化と行動の異常
  • 狂躁期:狂躁期:興奮状態(無目的な徘徊、目に入るものを頻繁に咬む)、光や音の突然刺激に対する過敏な反応
  • 麻痺期:全身の麻痺症状による歩行不能、咀嚼筋の麻痺による下顎下垂と嚥下困難、舌を口外に垂らしながら流涎、昏睡状態になり死亡

※狂躁期と麻痺期を明確に分けることは困難なことが多く、前駆期から麻痺期に移行することもある。

引用元:厚生労働省-狂犬病

狂犬病に感染するとひどい興奮状態が続き、全ての人や物に対して噛みついたり威嚇したり攻撃性が高くなる行動が目立つようになります。麻痺期では体の半身に麻痺が広がり食べ物や水が飲めなくなります。

狂犬病に感染した人の症状

人の場合、下記のようなステージと症状が確認されています。

  • 前駆期:発熱、食欲不振、咬傷部位の痛みや掻痒感
  • 急性神経症状期:不安感、恐水及び恐風症状、興奮性、麻痺、幻覚、精神錯乱などの神経症状
  • 昏睡期:昏睡(呼吸障害によりほぼ100%が死亡)

引用元:厚生労働省-狂犬病

感染してすぐの前駆期では、発熱や食欲不振、かまれた場所の痛みやかゆみ等の症状があり、急性神経症状期では、神経が過敏になり、水や風邪を怖がるなどの症状が見られるようになります。また、犬と同じで興奮状態や麻痺などの症状も確認されます。最終的には呼吸障害により昏睡状態になり死亡します。

狂犬病の感染経路と潜伏期間

狂犬病の感染経路

狂犬病ウイルスは前述の通り、咬まれたりして感染した動物の唾液が体内に侵入することで感染を広げます。狂犬病は動物の間で広がるウイルス感染症で人同士でうつるわけではないため、新型コロナウイルスのように人同士で感染が拡大することはありません。ですが動物同士で感染を広げるため、感染拡大を防ぐことが難しく、感染した動物との接触を避ける、もしくは感染の可能性のある動物の駆除をする他に方法がありません。

狂犬病の潜伏期間

狂犬病ウイルスが侵入してから発病するまでの潜伏期間は、犬の場合は2週間~2ヶ月程度、人が狂犬病ウイルスに感染した時の潜伏期間は1~3ヶ月程度です。狂犬病ウイルスは体内に入ると潜伏期間の間にゆっくり神経や組織を介して脳まで達し、脳や脊髄に炎症を引き起こします。

潜伏期間は咬まれてウイルスが侵入した場所によって異なると言われています。咬まれた場所が足など脳から遠い場所であればあるほど発病までの潜伏期間は長く、中には1~2年以上発病せず過ごせた感染者もいたようです(人の場合)。反対に、脳に近い場所から首や顔、頭、肩など上半身からウイルスが侵入すると脳までの距離が近いため、すぐウイルスが脳や神経まで到達してしまい短期間で発病するようです。

狂犬病の治療法

有効な治療法がない

狂犬病は一度感染すると有効な治療法はありません。犬も人も発病してしまうと、症状を抑える対症療法しか行うことはできないので、死を待つのみとなります。

人の場合は、咬まれた直後に連続で狂犬病のワクチンを摂取することで発症を抑えることができます。ただ、咬まれた直後に確実に狂犬病ワクチンが打てるかどうかはわからないので、感染する前にワクチンを打っておくことが大切です。

日本では犬の狂犬病予防摂取が義務

犬は年1回の予防接種が義務

日本では狂犬病予防法によって、1年に1回、飼い犬への狂犬病予防の予防摂取を行うことが飼い主の義務となっています。狂犬病予防注射は、個別の動物病院もしくは市町村(集合注射会場)で受けることができます。今まで受けていなかった方は、飼い犬登録と合わせて市町村の職員の方に尋ねてみたり、動物病院の健康診断や診察の時に聞いてみるといいかもしれません。

飼い主や人には狂犬病予防のワクチン接種は義務づけられていませんが、狂犬病がある国に渡航する場合は、事前に狂犬病のワクチンを接種することが望ましいとされています。

犬のワクチン料金

予防接種の注射料金は3,000円前後が多いです。また、獣医師が発行する狂犬病予防注射済票の交付に必要な手数料(狂犬予防注射済票交付付手数料)が550円がかかります。

だいたい狂犬病の予防接種の料金は1回3,000~4,000円程度となります。

日本の狂犬病の歴史

江戸時代、貿易港の長崎から全国に広がる

日本で初めて狂犬病が確認されたのは江戸時代1732年(享保17年)、鎖国していた日本で唯一貿易が許可されていた長崎で日本最初の狂犬病が発生しました。

その後、狂犬病は感染を広げ、4年後には江戸(東京)でも狂犬病が確認されました。そして最初の発生から30年経った1761年には本州最北端でも狂犬病が確認されるようになりました。

終戦直後の感染が拡大をきっかけに狂犬病予防法制定

その後、何度か狂犬病被害が収まったり流行したりを繰り返していましたが、1945年の第二次世界大戦の終戦直後の混乱期に再び狂犬病が拡大したことをきっかけに、1950年(昭和25年)に狂犬病予防法が制定され、ワクチン接種の義務化や野犬の駆除など狂犬病対策が徹底されました。

狂犬病予防法の施行7年で狂犬病の報告はなくなり、日本で狂犬病は撲滅されました。日本は島国のため狂犬病の撲滅ができましたが、他国では国境に関係なく野生動物が行き交うため根絶は難しく、現在も世界で年間5万人の死者を出しています。

狂犬病のまとめ

狂犬病について症状や感染経路、歴史、そして飼い犬のワクチン摂取について解説してきました。

日本ではもう撲滅したとされる狂犬病ですが、いつどこの国から狂犬病ウイルスを持った動物がやってくるか分かりません。万が一狂犬病に感染した動物が日本に来たときに、動物同士で感染を広げないために、飼い犬には毎年狂犬病のワクチンを接種させることが大切です。また、日本ではそれが義務であることを忘れてはいけません。犬を飼う以上責任を持って犬と人、両方を守るために飼い主さんが義務を果たす必要があります。