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犬が食べてしまうと健康に悪影響となるため、手作りごはんのときは焦げないように調理をしたり、犬の盗み食いには十分な注意が必要です。
今回は焦げた食べ物が犬に与える健康への影響、リスク、そしてそれに対処する方法について詳しく解説します。
焦げた食べ物に含まれる有害物質
焦げた食べ物に含まれる有害物質は、過度の加熱によって生成されます。代表的なものには以下のような化学物質が挙げられます。
ヘテロサイクリックアミン(HCA)
ヘテロサイクリックアミン(HCA)とは、肉や魚などの動物性タンパク質を高温で調理したときに生成される化合物です。とくに焼く、揚げる、グリルするなどの調理方法で多く発生します。DNAに損傷を与え、長期間にわたる摂取がガンのリスクを高めるとされています。
多環芳香族炭化水素(PAHs)
多環芳香族炭化水素(PAHs)とは、肉や魚の脂肪や油が炎に触れて燃えるときに発生する煙に含まれる化学物質です。この煙が肉に付着することで多環芳香族炭化水素が蓄積され、発がん性のリスクを高めることが知られています。
とくに直火での調理やバーベキューなどでよく発生するといわれています。
アクリルアミド
アクリルアミドとは、炭水化物を多く含む食品(パンやポテトなど)を高温で調理したときに生成される化合物です。とくに揚げ物や焼き物、揚げパン、フライドポテト、クッキーなどで多く発生します。発がん性のリスクがあるとされ、長期的に摂取することで健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
メラノイジン
メラノイジンとは、食品を加熱したときに糖とアミノ酸が反応して生成される褐色の物質です。このような加熱による食べ物の色の変化はメイラード反応とよばれ、パンの焼き色やコーヒーの色・風味にも関与しています。
メラノイジン自体には抗酸化作用などの健康に良い効果も報告されていますが、過度に生成された場合は消化不良や体内の酸化ストレスを引き起こす可能性があります。
犬が焦げた食べ物を食べると起こる短期的な健康問題
犬は人間に比べて体が小さいため、これらの化学物質に対して非常に敏感です。
犬が焦げた食べ物を食べた場合、短期的な健康問題、長期的な健康問題があらわれ、ガンのリスクが高まる可能性も指摘されています。とくに小型犬は少量であっても大きく影響を受けるため、十分に注意しましょう。
消化不良による下痢や嘔吐
焦げた部分は硬く消化が悪いため胃腸に大きな負担となり、嘔吐や下痢などの消化器症状があらわれることがあります。とくに早食いや大食いをする犬はあまり噛まずに飲み込んでしまうため気を付けましょう。
脂肪や辛味成分による腹痛
焦げた食べ物に含まれる過剰な脂肪や油脂、辛味成分が消化器官に負担をかけ、腹痛やガスが溜まる原因となることがあります。とくに人間用に調理された食べ物には塩分や香辛料が含まれているため、犬にとって有害となります。
口腔内を傷つける
焦げた食べ物の硬い部分が、犬の歯や歯茎など口腔内を傷つける恐れがあります。歯の損傷や口腔内の炎症を引き起こすリスクもあります。
犬が焦げた食べ物を食べると起こる長期的な健康問題
焦げた食べ物の日常的・長期的な摂取は、犬の健康に対して長期的なリスクを伴います。
ガンの発症
焦げた食べ物の摂取により肝臓や腎臓の機能低下を引き起こし、ガン発症リスクが高くなる可能性があります。
肥満
焦げた食べ物のうち、とくに肉類や魚類には脂肪分が多いため、日常的・長期的な摂取は肥満となる恐れがあります。肥満は糖尿病や関節炎など、他の健康問題を引き起こす原因にもなります。
急性中毒
焦げた食べ物に含まれる化学物質や調味料が急性中毒を引き起こす可能性があります。
犬が焦げた食べ物を食べたときの対処法
犬が焦げた食べ物を食べてしまった場合、飼い主さんの対処法により健康問題を最小限に抑えることができます。
様子を見て、異変があれば獣医師に相談する
焦げた食べ物を食べたのが少量であればとくに問題なく過ごすことが多いですが、犬の様子や行動に異常がないかを注意深く観察しましょう。
大量に食べた場合や、嘔吐や下痢、食欲不振、元気消失などの症状がみられた場合はすぐに獣医師に相談してください。体調が急激に悪化する場合もあるため、早期の対応が大切です。
水分補給
焦げた食べ物を食べた場合は消化器系に負担がかかりやすいので、水分補給を心がけましょう。水をしっかり飲むことで体内の毒素の排出を促すことができます。
手作りごはんで実践!食べ物を焦がさない調理方法
ご家庭で手作りごはんを取り入れるときは、食べ物を焦がさないような調理方法を心がけましょう。
手作りごはんにおける有害物質の生成を抑える調理方法のポイントをご紹介します。
- 高温での調理は焦げやすいため、茹でるか蒸すなど低温でじっくりと火を通す
- 食べ物が炎に直接触れることで焦げやすくなるため、グリルやオーブンは避ける
- 脂肪分は焦げやすいため、脂肪の少ない食べ物を選ぶ
- 焦げた部分は必ず取り除く
まとめ
焦げた食べ物のリスクを理解すること、適切な調理方法を選ぶこと、焦げた食べ物を盗み食いされないよう心がけることが大切となります。
人においては焦げた食べ物はガンの発生リスクがあるといわれていますが、犬はどうなのでしょうか?