日本の犬の日は11月1日
日本で毎年11月1日に祝われる犬の日(dog day)は、犬と人との絆を改めて見直し、感謝を伝える日です。この記念日は1987年にペットフード協会によって「ワンワンワン」という犬の鳴き声にちなみ、11月1日と設定されました。
この日は犬に対する愛情を形にして表し、彼らの健康や福祉を再認識することが呼びかけられています。
日本における犬の文化と歴史
日本では古くから犬が愛されてきました。縄文時代の遺跡からは犬の骨が見つかっており、当時から人と犬は長い歴史の中で深い関係を築き、時に家族として、時に頼りになる仲間としてともに歩んできたことが分かります。
また、江戸時代には「生類憐みの令」によって動物の保護が行われ、とくに犬が大切にされた時代もありました。忠犬ハチ公や南極のタロとジロなど、犬が人間と共に生きた感動的なエピソードも日本ではよく知られています。犬は長年にわたり、人々に寄り添い、時には勇気を与えてくれる存在として大切にされてきたのです。
犬の日の目的と意義
犬の幸福と福祉に目を向ける
犬の日の主な目的は、犬を愛する気持ちを共有し、犬たちの幸福と福祉に目を向けることです。飼い主としての責任を自覚し、犬が心身ともに健康で、安心して生活できる環境を提供し、犬が幸せに暮らせるようにすることを目指します。
これには適切な食事、清潔で安全な生活環境、定期的な健康管理や運動、信頼と愛情が欠かせません。また虐待や放棄を防ぎ、犬が不安やストレスを感じないようにすることも重要です。犬を飼うことは単にかわいがるだけではなく、毎日の世話や健康管理、散歩、そして長期にわたる愛情が求められます。
犬が人に貢献していることへの敬意を示す
人のために働いている警察犬や救助犬、盲導犬、セラピー犬。普段はなかなか出会う機会が少ないかもしれませんが、社会でとても大切な役割を果たしています。犬の日は、こうした犬の働きによる社会への貢献について感謝をあらわす日でもあります。
犬の健康問題や社会問題について考える
犬の日は、犬の健康と福祉について考える機会でもあります。しかし近年はペットの高齢化や肥満、心の問題(分離不安など)も増え、健康維持がますます重要になっています。犬の日を機に、定期的な健康診断や適切な食事管理、運動量の確認を行い、犬の健康を守る方法について学ぶことが推奨されます。
さらに、近年はドッグトレーニングやメンタルケアも注目されています。犬は飼い主との信頼関係を通して成長し、安心して暮らせる環境があればこそ、健康的に過ごせます。犬の日には信頼関係を強化するためのトレーニングや、心のケアについても再確認する良い機会です。
保護犬や里親制度への関心を促す
保護犬や里親制度を知り、保護団体への寄付やボランティア活動への参加を通じて、犬の命を守る活動への理解を深めることもおすすめです。
犬の日にすることは?
飼い主さんが犬の日にしてほしいことは、さまざまな方法で犬への愛情を形にして伝えることです。
例えば普段より少し長めの散歩に行ってみたり、新しいおもちゃをプレゼントするなど、犬が喜ぶことを考えるのも良いでしょう。また、ドッグカフェやドッグランを訪れて、犬同士の交流を楽しむこともおすすめです。
犬を飼っていない人にとっても、犬の日は保護犬や里親制度について知る良い機会です。全国の動物保護団体では保護犬の里親探し活動を行っており、犬が新しい家族と出会える場を提供しています。
実は犬にまつわる記念日は多い!
1月11日:ワンワンワンの日
「ワンワンワン」という犬の鳴き声の語呂合わせに基づいて犬を称える日として親しまれています。SNSなどで犬をテーマにした投稿が盛り上がり、犬への愛情を表現する機会として広まっています。
1月14日:タロとジロの日
1959年に南極で奇跡的に生存が確認された日本樺太犬タロとジロを称えるための日。南極観察隊の歴史やタロとジロの物語が人々に愛されるなかで自然と「タロとジロの日」として親しまれるようになりました。
4月8日:忠犬ハチ公の日
東京・渋谷駅で主人を9年間も待ち続けた秋田犬「ハチ公」を偲ぶ日。ハチ公は1935年の4月8日に亡くなり、その忠実な姿が多くの人の心を打ち、日本で「忠犬」の象徴として親しまれています。
4月25日:犬と猫の健康診断の日
日本臨床獣医学フォーラムによって制定され、動物病院などで健康診断が推奨される日です。病気の早期発見や予防、健康状態のチェックに役立つため、この記念日をきっかけに定期的な診断の重要性が呼びかけられています。
8月9日:パグの日
ホッカムリをした愛犬パグの写真をSNAに投稿していた小林健介氏が、世界中にパグの愛らしさとユーモアを届け、パグの健康と平和を願おうという目的で制定しました。「パ(8)グ(9)」の語呂合わせからきています。
5月22日、10月1日:補助犬の日
盲導犬、聴導犬、介助犬といった補助犬への理解と普及を目的としています。2002年5月22日に身体障害者補助犬法が成立、10月1日に施行されたことにより、この日が補助犬の日と制定されました。
9月20~26日:動物愛護週間
1949年に「動物の愛護及び管理に関する法律」に基づいて制定。動物への愛護精神を広め、動物福祉に対する意識を高めるための期間です。各地で動物の飼育に関する講習会や、里親探しのイベントなども行われています。
9月23日:動物虐待防止の日
動物愛護週間(9月20日〜26日)の真ん中にあたる23日は、「人と動物の優しい共生社会を築き、命の慈しみを大切に育む日」として2016年に非営利一般社団法人動物虐待防止協会によって制定されました。
11月1日:犬の日
「ワン、ワン、ワン」という語呂合わせに基づいて、社団法人ペットフード協会によって定められました。
11月22日:ペットたちに感謝する日
「ワンワン、ニャンニャン」の語呂合わせに由来し、生活を共にし喜びや悲しみ、生きがいを与えてくれるペットたちに感謝し、人と動物の正しい関係を考える日です。
11月29日:ワンワン服の日
「ワンワン(11)服(29)」と読む語呂合わせから、一般社団法人グローバルペッツが制定。犬が服を着る文化を育て、海外への発信を図るとともに、その文化を楽しんでもらうことが目的。
まとめ
犬は、人に寄り添うことで私たちの生活を豊かにし、幸福感をもたらしてくれる存在です。日本において、犬との関わり方は変わり続けていますが、その絆は変わることなく続いています。
犬の日や記念日をきっかけに、犬を飼っている人も飼っていない人も、犬を尊重しながら共に生きる未来を目指していくことが大切です。