犬がかかりやすい病気は?全犬種・全年齢共通の病気の原因や症状、治療法など解説

犬 かかりやすい病気
犬田さん
犬の健康や病気の予防を考えるためには、犬がどんな病気にかかりやすいのか知っておくことが大切です。

犬種や年齢によってかかりやすい病気は変わる

犬がかかりやすい病気は犬種によるところが大きいです。特に犬は種類によって身体的特徴やサイズの違いが大きいので、大型犬、小型犬、純血種などで遺伝的にかかりやすい病気が違ってきます。このため定期的な健康診断では、愛犬の犬種を考慮して、遺伝的にかかりやすい病気が発見できる検査項目を追加するといいかと思います。

また、ライフステージ(子犬・成犬・シニア)によってもかかりやすい病気はがらりと変わります。体が完成していない成長期の犬はちょっとしたことで体調を崩しやすく、また身体機能や内蔵機能が衰えるシニア犬は慢性的な病気や癌のリスクが高くなります。

ここでは犬が共通してかかりやすい代表的な病気を紹介したいと思います。

犬がかかりやすい病気

皮膚炎

皮膚炎は、全年齢・全犬種で共通してかかりやすい病気で、特に耳に炎症が出る「外耳炎」を発症する犬が多いです。アレルゲンとなる食べ物やハウスダスト、ダニ、ノミ、また他の病気が原因で皮膚に炎症が出ることもあります。皮膚を痒がるようになり、赤み、湿疹、腫れ、膿、などの症状が見られます。

食物アレルギーの場合、ドッグフードや食べるものを変えれば症状の改善が見られます。アトピー性皮膚炎の場合は遺伝的な要因が大きいため、完全な治癒は難しく、薬を処方して炎症や痒みを抑えます。アレルギーが原因の場合は若年(子犬~成長期)で炎症が確認されます。

胃腸炎

胃腸炎も全年齢・全犬種共通でかかりやすい病気の一つで、下痢や嘔吐、食欲不振、腹痛などの症状が現れます。原因はアレルギーや細菌、ウイルス、ストレス、消化不良、誤食など様々で、他の病気が原因で胃や腸に炎症が起こり発症することもあります

治療は、原因や症状に合わせて薬を処方し、食欲不振がひどい場合には皮下点滴や注射なども行って回復につとめます。他の病気が原因で胃腸炎を発症している場合、根本的な病気の治療や検査入院などが追加される場合もあります。

心臓病

心臓病は高齢の犬がかかりやすく、代表的な心臓病には「僧帽弁閉鎖不全症」「拡張型心筋症」があります。原因ははっきりとは分かっていませんが、小型犬では「僧帽弁閉鎖不全症」、大型犬では「拡張型心筋症」の発症が多いため、どちらも遺伝的な要因が強いと考えられています。

初期症状はほとんどありませんが、病気が進行すると腹水、湿疹、呼吸困難などの症状が現れ突然死してしまうこともあります。

初期段階でもエコー検査で心雑音が確認できれば早期治療が可能です。この段階ではまだ元気なので、薬を使用しない食事療法やサプリメントで様子を見ながら治療を行うことができます。病状が進行して症状が出てきてからは、症状を抑えたり和らげたりする薬を用いた対症療法を行います。

腎臓病

腎臓病は急性と慢性の2種類があり、高齢犬の発症リスクが高いのは「慢性腎臓病」です。慢性腎臓病は加齢や遺伝が原因で徐々に腎臓機能が低下していく病気でどの犬も発症の可能性はありますが、純血種の犬の場合は遺伝的要因で慢性腎臓病を発症しやすいと言われています。初期症状はほとんどないため、病状が進行し食欲不振や嘔吐、多飲多尿などの症状が出てから病気が発覚することが多いです。

治療方法は、初期段階では食事療法と水分補給などが中心で、病状が進んでからは対症療法(薬物療法)や強制的な水分補給(輸液療法)を行います。

犬の死亡原因トップの病気が癌(腫瘍)でどの犬もかかる可能性があります。癌は年間400万匹の犬がかかっている病気で、全年齢を対象とした犬の23%、10歳以上では犬の45%の犬は癌が原因で死亡しています。ただ犬の死亡原因で癌がトップなのは、犬の寿命が延びて他の病気で亡くなることが減ったためと言われており、他の病気を防げたとも言えます。

癌による症状は腫瘍ができる場所にもよりますが、食欲不振、体重減少、咳、呼吸困難、嘔吐下痢、痙攣や癲癇、神経麻痺、また、犬に多い皮膚癌や乳腺癌は、しこりやいぼで腫瘍の存在を確認できる場合もあります。

癌は初期では症状が現れませんが、超音波やレントゲン検査などで早期発見も可能です。治療は手術で腫瘍を取り除く、また放射線治療や抗がん剤治療などがあります。ただ人間と同じで腫瘍が取り除けても転移や再発の可能性はあります。

歯周病

重大な病気として見過ごされがちなのが歯周病です。人の場合、歯周病はそこまで深刻な病気と認識されませんが、犬は歯周病を放置すると全身疾患や重大な感染症を引き起こす危険な病気です。

歯周病の原因は歯垢や歯石を放置して歯茎が炎症を起こし、さらに歯周組織まで炎症が進むことで発症します。歯周病になると歯茎の色が赤く腫れる、口臭、鼻炎、顔の腫れ、痛みなどの症状が現れ、それをさらに放置すると、歯周組織を破壊し下顎の骨が腐ってしまったり、雑菌が全身に広がり肝臓や腎臓機能を低下させることもあります。

治療は超音波や研磨機などを使って歯石を除去して終了の軽いものから、抜歯が必要な場合もあります。

犬がかかりやすい病気まとめ

今回は全犬種がかかりやすい代表的な病気についてご紹介してきました。犬は比較的人とかかりやすい病気が似ていますが、人のように言葉で痛みや症状を伝えられない分、飼い主さんが普段から観察や健康診断で早期発見や予防ができるといいかと思います。