ドッグフードの原材料:大麦
三大穀物に次いでよく使われる穀物
大麦(Barley)はドッグフードでよく使用される穀類のひとつです。小麦よりも低温や乾燥に強いことから、小麦などの作物が栽培しにくい地域で多く栽培されてきました。
食品ではビールやウイスキー、焼酎、水飴、麦茶、麦ごはんなど、原料として様々な食品に利用されています。
世界で最も古くから栽培されてきた穀物の1つで、二条オオムギ、六条オオムギなど種類があり、もち麦(ハダカムギ)も大麦の一種です。
ドッグフードでは、三大穀物の小麦・米・トウモロコシなどに次いでよく使用される穀物の一つで、玄米などヘルシーな他の穀物と併用されたりもします。犬用手作り食でも材料として大麦を使用したレシピが紹介されています。
大麦を使ったドッグフード
- 北の極ドッグフード
- ソリッドゴールド
- ロータス
- ユーカヌバドッグフード
- 馬肉自然作り
- このこのごはん
- ナチュラルバランス
- プレイアーデン
- ファインペッツ
- ロイヤルカナン
- ヒルズ サイエンス・ダイエット
- ギャザードッグフード
- ニュートロナチュラルチョイス
- アーガイルディッシュ
- ブルーバッファロー
大麦の栄養素、効果と働き
成分 | タンパク質 | 6.2g |
脂質 | 1.3g | |
炭水化物 | 77.8g | |
食物繊維 | 9.6g | |
カロリー | 100g | 340kcal |
水溶性・不溶性食物繊維のバランスがいい
大麦は食物繊維が豊富で、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランスよく含まれています。
小麦やライ麦、エン麦などは不溶性食物繊維が水溶性の倍ほど含まれていますが、不溶性食物繊維は多すぎると消化に時間がかかり、かえって便秘を悪化させることもあるので、多過ぎるのもいいとは言えません。
大麦の場合、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方が含まれるので、血中コレステロールの改善、便通の促進、腸の蠕動運動の活性化、腸内の掃除、善玉菌の餌となって増殖を助ける、免疫力維持等、様々な効果が期待できます。
血糖値を上昇させにくい低GI食材
また、大麦は血糖値を上昇させにくい低GI食材で、βグルカンが豊富に含まれます。
大麦は糖質が多いためカロリーは低くありませんが、糖質を脂肪に代謝するインスリンの過剰分泌を抑制するので、犬の体重管理やダイエットにもおすすめです。
肥満や体重管理を考えている犬の手作りフードに利用するのもおすすめです。
ちなみに人間や猫の場合、低GI食材は血糖値の上昇を抑えるので糖尿病予防にもおすすめされますが、犬が発症する糖尿病は、原因がはっきりと分かっていないI型がほとんどなので、低GI食材が糖尿病対策になるかどうかは分かりません。
犬に大麦を与える場合の注意点、デメリット
炊いて(α化)させてから与える
生のままの大麦は犬にとっても固くて消化しにくく犬の嗜好性も低いので、与える時はごはんと同じように炊いて麦飯の状態で与えます。
大麦は他の穀物よりも食物繊維が多いので、水をやや多めにして柔らかく炊くことでさらに消化しやすくなります。
アレルギー性は低いが交差反応に注意
小麦(グルテン)にアレルギー反応が出ても、グルテンが含まれない大麦であれば、基本的に食べても問題ありません。
大麦はグルテンをほとんど含まないので、食物繊維をとりつつアレルギー原因物質(グルテン)を避けることができます。
ただ小麦にアレルギー反応を示す犬の中には、大麦入りのドッグフードでもアレルギー症状が出てしまうことがあります。
小麦と大麦はタンパク質の型がよく似ていて、大麦にもアレルギー症状が出てしまう(交差抗原性・交差反応)ことがあるので、もし心配であれば穀物を不使用にしたグレインフリーフードもしくはアレルギー療法食が安心かもしれません。
まとめ
- ドッグフードや手作り食でよく使われる
- 炭水化物を多く含む
- 食物繊維(不溶性・水溶性)のバランスがいい
- 大麦はグルテンをほとんど含まない
- 交差反応がなければ小麦アレルギーの犬が食べても問題ない