ドッグフードのめかぶ。コレステロール値を下げ、悪玉菌の増殖を抑制する。海藻は被毛を増やす?

ドッグフードのめかぶ。コレステロール値を下げ、悪玉菌の増殖を抑制する。海藻は被毛を増やす?
佐藤さん
めかぶはドッグフードやおやつの原材料としても使われていますよね。犬にとってどのようなメリットがあるのでしょうか?

また、めかぶそのものをトッピングやおやつとして与えても問題ないのでしょうか?

犬田さん
めかぶは低カロリー・低脂質で食物繊維が豊富に含まれています。

また犬に中毒となる成分が含まれていないので、トッピングやおやつとして犬にめかぶを与えても大丈夫です!

この記事ではめかぶの栄養素やメリット、与えるときの注意点についてご紹介します。

ドッグフードの原材料:めかぶ(Mekabu seaweed)

ネバネバの食感が特徴のめかぶ。わかめの根本の部分がめかぶ、上部の葉の部分がわかめで、実はわかめと同じ食材です。しかし味わいや食感、栄養成分はわかめと異なり、食品・商品としては区別されています。美容やダイエットとしても効果があり、私たちにとっては身近で親しまれている食材です。

めかぶはさまざまなメーカーでドッグフードやウェットフード、おやつ、サプリの原材料として使用されています。メインの原材料とまではいきませんが、他の野菜と一緒に配合されることが多くみられます。

めかぶの栄養素とメリット

下表は、めかぶわかめ/生100gあたりの栄養素です。

エネルギー14kcal
水分94.2g
タンパク質0.9g
脂質0.6g
ナトリウム170mg
カリウム88mg
カルシウム77mg
ヨウ素390μg
ビタミンK40μg
葉酸36μg
食物繊維3.4g
フコイダン10g

※出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

  • ヨウ素:新陳代謝や身体の成長を促進する。
  • ビタミンK:骨の形成やカルシウム沈着に関わるため、骨粗しょう症の予防になる。出血時に傷口の血を固める凝固因子を作り出す。
  • 葉酸:別名ビタミンB9。細胞の生成や再生、神経組織の発達などの働きを持つ。赤血球を生成するため「造血のビタミン」ともよばれる。

また、めかぶは低カロリー・低脂質で食物繊維が豊富なので、栄養をしっかり摂取しつつカロリーや脂質を抑えたいダイエット中の犬におすすめです。

ネバネバ成分フコイダンの作用と犬への効果

フコイダンの作用

めかぶのネバネバ成分の正体は、フコイダンとよばれる水溶性食物繊維の一種で、めかぶやわかめ、もずくなど褐藻類のみに含まれる成分です。

フコイダンは消化・吸収されないまま腸まで届くため、腸で効力が発揮されます。腸内環境を整えて便通を促進したり、コレステロール値を下げる働きがあります。また善玉菌を作り出し、悪玉菌の増殖を抑制することもできます。

さらに、肝細胞の再生促進、抗がん作用、抗ウイルス作用などもあります。

褐藻類のフコイダン含有量

フコイダンの含有量は海藻の種類によって異なります。めかぶはわかめと同じ食材ですが、フコイダン含有量には違いがあります。

海藻類のフコイダン含有量(100gあたり)
もずく25
めかぶ10
昆布4
わかめ1.5

参考:フコイダンラボ|めかぶに含まれる成分とは?効能とヌメリの秘密について

めかぶのおすすめの与え方

茹で汁と一緒に与える

めかぶに含まれるフコイダンは、熱に強い・水に溶けやすいという特徴があります。

めかぶを茹でるとフコイダンはゆで汁に溶け出し、その茹で汁を捨てるのは栄養素を捨てることになります。

そのため、犬に与えるときは茹で汁も一緒に与えましょう。人肌程度に冷ましてからドッグフードにトッピングしたり、おやつとして与えます。

めかぶは茹でると香りが立つので食欲促進につながり、また茹で汁にフコイダンが溶け出してとろとろ食感になるので満腹感を得ることができます。また同時に水分を摂取することができるので、普段あまり水を飲まない犬にもおすすめです。

焼いたものを細かく切る

フコイダンは熱に強いので、めかぶに火を通したとしてもフコイダンの栄養成分が失われることはありません

めかぶは火を通すと固くなるので、犬に与えるときは必ず細かく切りましょう

人肌程度に冷ましてからドッグフードにトッピングしたり、おやつとして与えます。コリコリとした食感がするので嗜好性が高まり、食事への楽しさが増したり、食欲促進が期待できます。

頻度は週1~2に1回、量は10%程度

ドッグフードへのトッピングやおやつとして与える場合は、頻度は週1~2に1回が目安与える量は1日の適正摂取エネルギー量の10%程度となります。

めかぶを与えるときの注意点

加工品は与えない

スーパーやコンビニなどでよく見るパックのめかぶは、塩分や酢などの調味料を使った加工品です。これらの調味料は犬にとっては体調不良の原因となります。

過剰摂取させない

犬はもともとは肉食動物なので、植物の消化が苦手です。めかぶは食物繊維やミネラルが豊富なので、過剰摂取をすると下痢や嘔吐、病気の発症の原因となる恐れがあります。

海藻を食べると毛が増えるのは本当?

佐藤さん
「めかぶなどの海藻を食べると毛が増える」という話はよく聞きますよね。それは犬の被毛にも当てはまるのでしょうか?
犬田さん
実は、人にも犬にも当てはまりません。

「海藻類を食べると、髪にいい」と言われたことがある人もいるのではないでしょうか。髪を生成する機能を助ける栄養素として欠かせないのがヨードやビタミンですが、海藻にはこのヨードが豊富に含まれています。髪そのものを構成するには肉などに含まれるアミノ酸が重要です。海藻だけ食べて髪が増えるわけではないため、海藻に限らず、バランスの取れた食事を心がけましょう。

引用元:アデランス|ワカメが髪の毛に良い?あの都市伝説は本当!?

ヨードとは、ヨウ素のことです。確かにめかぶにはヨウ素が多く含まれていますが、「海藻を食べると髪が増える」というわけではないようです。

これは犬も同じで、

「愛犬の被毛を増やしたい」「もっとふわふわにしたい」と海藻を与える飼い主さんもいますが、むしろ海藻は消化がしづらいため多く摂取すると胃の中に溜まり、それによりタンパク質の消化も悪くして、結果的に皮膚が乾燥したり毛ツヤが悪くなることもあります。

海藻を食べれば被毛が増える・ふわふわになるというわけではないので、注意しましょう

まとめ

  • 低カロリー・低脂質なのでダイエット中の犬におすすめ
  • フコイダンは腸内環境を整え、善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑制する
  • 犬に与えるときは茹でためかぶを、茹で汁と一緒に与えるのがおすすめ
  • 海藻を食べれば被毛が増える・ふわふわになるというわけではないので注意

ABOUTこの記事をかいた人

古川菜々

愛玩動物飼養管理士2級、ペットセラピスト、ペット看護士、愛犬飼育スペシャリスト、ドッグフード勉強会ディレクターとして、ドッグフードに関する情報を提供しています。帝京科学大学アニマルサイエンス学科卒業。文章を通してわんちゃんの魅力を発信し、また多くの飼い主さんの悩みや不安を解決することで、飼い主さんとわんちゃんの幸せのお手伝いになれば嬉しいです。