FEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)とは
ヨーロッパを代表するペットフード業界団体
FEDIAF(フェディアフ)は、ヨーロッパの18カ国のペットフード協会や団体、企業メンバーによって構成されている欧州を代表するペットフード業界団体です。日本では「欧州ペットフード工業会連合」と呼ばれています。
日本では、総合栄養食のドッグフードはFEDIAFではなくAAFCO(米国検査官協会)の成分基準をクリアする必要があるので、あまり聞き馴染みがないかもしれませんが、ヨーロッパではほとんどの国やペットフードメーカーはFEDIAFに加盟しており、FEDIAFを基準をクリアした商品が多く製造販売されています。
また、日本で販売されるドッグフードでも、原産国がヨーロッパの場合、AAFCOとFEDIAFの両方の基準をクリアしていることが多いです。
栄養基準やガイドラインの発行、工場の認定
FEDIAFではペットフード製造に関するガイドラインや栄養基準を定めたり、HACCPという衛生管理システムの導入をしている工場に対して工場認定を行っています。
HACCPとは食品事業者が食中毒や異物混入などを防ぐために用いられるシステムで、消費者からはわかりにくい製造環境を管理することで衛生面や安全性を守ります。
FEDIAF加盟国
- オーストリア
- ベルギー
- チェコ共和国
- デンマーク
- フィンランド
- ノルウェー
- スウェーデン
- フランス
- ドイツ
- ハンガリー
- アイルランド
- イタリア
- オランダ
- ポーランド
- ルーマニア
- スペイン
- スイス
- イギリス
加盟国のほとんどがヨーロッパの国々であることがわかります。ヨーロッパ31カ国のうち18ヶ国が加盟しています。
FEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)のドッグフード栄養基準
FEDIAFでもドッグフード、キャットフードそれぞれの栄養基準を設定しています。
FEDIAFの成分表は、AAFCOやNRCと同様、細かい成分基準のガイドラインが設けられています。写真は日本語でまとめられた栄養基準ですが2009年と古い情報なので、2019年に更新されているFEDIAF公式のガイドライン(FEDEIF Nutritional Guidelines 2019)の数値を表にしました。
最低基準 | 最高基準 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
成犬 (95kcal/kg 0.75) | 成犬 (110kcal/kg 0.75) | 成長期初期 (生後14週未満) | 成長期後期 (生後14週以上) | L=EUの法的制限 N=栄養学上 |
||
タンパク質 | 21% | 18% | 25% | 20% | ||
脂質 | 5.5% | 5.5% | 8.5% | 8.5% | ||
ミネラル | カルシウム | 0.58 g | 0.50g | 1.00g | 0.80a 1.00b | 成犬:2.50 (N) 成長期前期:1.60 (N) Late growth: 1.80 (N) |
リン | 0.46g | 0.40g | 0.90g | 0.70g | 成犬: 1.60 (N) | |
カルシウム:リン | 1:1 | 成犬:2/1 (N) 成長期前期&繁殖期:1.6/1 (N) 成長期後期:1.8/1a(N) or 1.6/1b(N) |
||||
カリウム | 0.58g | 0.50g | 0.44g | 0.44g | ||
ナトリウム | 0.12g | 0.10g | 0.22g | 0.22g | ||
塩素 | 0.17g | 0.15g | 0.33g | 0.33g | ||
マグネシウム | 0.08g | 0.07g | 0.04g | 0.04g | ||
銅 | 0.83mg | 0.72mg | 1.10mg | 1.10mg | 2.80mg (L) | |
ヨウ素 | 0.12mg | 0.11mg | 0.15mg | 0.15mg | 1.10mg (L) | |
鉄 | 4.17mg | 3.60mg | 8.80mg | 8.80mg | 68.18mg (L) | |
マンガン | 0.67mg | 0.58mg | 0.56mg | 0.56mg | 17.00 mg(L) | |
セレン | 35.00µg | 30.00µg | 40.00µg | 40.00µg | 56.80 mg(L)d | |
亜鉛 | 8.34mg | 7.20mg | 10.00mg | 10.00mg | 22.70 mg(L) | |
ビタミン | ビタミンA | 702.00IU | 606.00IU | 50.00IU | 50.00IU | 40 000 (N) |
ビタミンD | 63.90IU | 55.20IU | 55.20IU | 50.00IU | 227.00 (L) 320.00 (N) |
|
ビタミンE | 4.17IU | 3.60IU | 5.00IU | 5.00IU | ||
チアミン | 0.25mg | 0.21mg | 0.18mg | 0.18mg | ||
リボフラビン | 0.69mg | 0.60mg | 0.42mg | 0.42mg | ||
パントテン酸 | 1.64mg | 1.42mg | 1.20mg | 1.20mg | ||
ビタミンB6 | 0.17mg | 0.15mg | 0.12mg | 0.12mg | ||
ビタミンB12 | 3.87µg | 3.35µg | 2.80µg | 2.80µg | ||
ナイアシン | 1.89mg | 1.64mg | 1.36mg | 1.36mg | ||
葉酸 | 29.90µg | 25.80µg | 21.60µg | 21.60µg | ||
ビオチン | ||||||
コリン | 189.00mg | 164.00mg | 170.00mg | 170.00mg | ||
ビタミンK |
AAFCOとNRCの栄養基準
FEDIAFでも栄養基準を制定していますが、AAFCOやNRCなど他の団体でも養分基準や使用基準を定めています。
ペットフードが一般的になってきた1970年代当時、世界中の様々な国で採用されていたのはNRC(National Research Council)の使用基準でした。しかしその後、1993年に同じくアメリカの米国検査官協会AAFCOが栄養基準を公表してからは、AAFCOの基準を採用する国やメーカーが多くなりました。
FEDIAFが制定されたのは2008年のことで、他の2つに比べて新しい栄養基準になります。またアップデートの頻度も多く、現在の使用基準は2019年に更新されたものです。
まとめ
- ヨーロッパを代表するペットフード業界団体
- 栄養基準や工場認定を行っている
- AAFCOやNRCよりも新しい栄養基準