アボカドは犬にとって有害ということばかりが強調されているので、ここではアボカドのリスクだけでなく、栄養素やメリットについてもお話していきたいと思います。
ドッグフードの原材料:アボカド
アボカドはクスノキ科ワニナシ属の木の果実で、鮮やかな緑色をしていますが、時間がたつと黒ずんできます。収穫直後は硬い状態を保っていますが、常温で追熟すると柔らかくなってきて生で食べることができます。
この滑らかさとバターのような香り、また豊富な栄養素から「森のバター」とも呼ばれています。生で食べられる性質からペースト状にしたものや、サラダなどにも積極的に利用され、わさび醤油で刺身でも食べられます。
ドッグフードでは非常に珍しい食材
アボカドが使用されているドッグフードは非常に珍しく探してもほとんど見つけられません。
数々のドッグフードを見てきましたが、未だに「アボ・ダーム」以外でアボカドを使用したドッグフードは見つけられていません。
アボカドはペルシンによって中毒症状を引き起こすため一般的にはNG食材
というのもアボカドを犬に与えるとアボカドに含まれるペルシンという成分によって、胃腸への刺激・嘔吐・下痢・呼吸困難・うっ血・痙攣・昏睡状態などの中毒症状が引き起こされ、場合によっては死に至ることもあります。
そのためペルシンという成分を除けば問題ありませんが、アボカドは犬が食べてはいけない食べ物というマイナスイメージが大きい食材です。
このようなマイナスイメージのある食材からペルシンを除いてわざわざ販売するメーカーは少ないのではないかと推測します。
アボカドを使ったアボ・ダームはなぜ問題ない?
以下で紹介しますが、アボカドには非常に豊富な栄養素が含まれており、これらは犬にとっても有益なものばかりです。
アボダームでは、アボカドに含まれるペルシンはいくつかの動物、鳥、ウサギ、馬、羊には有害であるが、犬と猫では今までに中毒になったという報告はないと公表しています。
アボダームは1982年にドッグフード、キャットフードが発売され、アボダームの顧客において30年以上に渡り問題が起こっておらず、安全である上に、肌や毛並みの健康に有益であるようです。
皮膚毛並みに効果的
アボダームが特に評価しているところは皮膚毛並みに十分な栄養を与えることができ、特定の栄養不足が関係する脱毛や薄毛、くすみ、乾燥肌、肥厚した肌、艶のない毛、感染症、臭気などにも効果的な栄養素が沢山含まれているということです。
アボカドの栄養素
栄養評価の高い食べ物
アボカドは「森のバター」と呼ばれるくらい非常に栄養価の高い食べ物です。18のアミノ酸を持ち、そのうち8個が完全なタンパク質になります。果物から取れるリッチなタンパク質は貴重なもののひとつです。
また、アボカドはビタミンやミネラル、また抗酸化物質が豊富です。
脂質、オレイン酸(オメガ9脂肪酸)
アボカドには100gあたり脂質が18.7gも含まれています。他の栄養素と比較しても最も多い割合となっています(水分を除く)。
またアボカドの脂質には、不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。特に注目したい脂肪酸がオレイン酸です。
オレイン酸は生活習慣病の予防効果が期待されている成分で、悪玉コレステロールだけを減らす作用があります。悪玉コレステロールは増えると血管の壁に脂質がたまって血栓をつくり、動脈硬化や心筋梗塞などの原因になります。
現代は犬の生活習慣病も増えてきているので、予防のためにもオレイン酸は効果的と言えます。
腸内を食物繊維が豊富
また、アボカドは6.2gの炭水化物のうち、5.3gを食物繊維が占めています。食物繊維は犬の腸内を刺激しながら掃除を行い、便通を促したり便の量を増やす作用があります。
ビタミンE、葉酸、パントテン酸が豊富
またビタミンの中でもビタミンE、葉酸、パントテン酸が豊富に含まれています。
ビタミンEには抗酸化作用、葉酸には赤血球の生産を助けたり代謝に関与する作用、パントテン酸には皮膚を正常に保ったり成長を促進する作用があります。
ドッグフードのアボカドまとめ
人間は昔からアボカドのペルシンを無毒化する酵素を持っているのかもしれませんね。