ドッグフードのタンパク質
タンパク質(proein)とは、体の様々な器官を構成する成分の1つで、生物にとって必要不可欠な必須栄養素の一つです。タンパク質は体の血液や臓器、筋肉、皮膚、被毛など体の様々な部分を構成し、体を正常に機能させるための成分としても様々な働きをします。
ドッグフードにおいてもタンパク質は主成分の一つで、主食となる総合栄養食には幼犬用22.5%以上、成犬用18%以上のタンパク質が含まれる必要があります。
タンパク質の働き
生体構成
細胞構成タンパク質やコラーゲンなどのタンパク質には、犬の皮膚、筋肉、内臓、爪、被毛、神経や骨格などを構成する働きがあります。
化学反応を促進
タンパク質は「酵素」として触媒となって生体内で化学反応を促進させる機能があります。体内にすでにある成分で体に必要な栄養素を作り出すためには化学反応を起こす必要があるので、犬に必要な栄養素を合成するためにも酵素は必要です。
筋肉の収縮
収縮タンパク質が筋肉の収縮を担っています。アクチンタンパク質やミオシンタンパク質が反応を起こし、筋収縮が引き起こされ、細かく繊細な動きや大きく力強い動きをすることができます。
免疫システム
タンパク質は外部から侵入してきた異物を排除する免疫システムの抗体として働きます。免疫が機能しないと外部から侵入してきたウイルスなどを排除することができず、感染症を引き起こしやすくなります。
情報を伝達する
細胞内や細胞間で情報を伝達する情報伝達物質として働きます。神経伝達物質の合成系で、シナプスで情報伝達を介在します。
糖質や脂質、酸素などの運搬
タンパク質は栄養成分の運搬も担っています。ヘモグロビンやラクトフェリン、トランスフェリン、トランスポーター、膜タンパク質など「輸送調節タンパク質」となして体に必要な糖質や脂質、酸素を運ぶ働きがあります。
エネルギー源となる
タンパク質は1gあたり4kcal分のエネルギーになります。エネルギー源といえば糖質や脂質のイメージがありますが、タンパク質もエネルギー源として利用することができます。
アミノ酸の貯蔵形態
タンパク質は必要なアミノ酸をまとめて貯めておくことができる形態です。タンパク質は20種類のアミノ酸によって構成されているので、分解されアミノ酸の状態になることで利用することができます。
タンパク質が豊富なドッグフード
タンパク質が豊富なドッグフードのメインの食材には肉や魚が使用されています。また、大豆には植物性タンパク質が豊富に含まれています。
穀類などには炭水化物が豊富なので、糖質や食物繊維の量が多くなるのでタンパク質は控えめになりやすいかもしれません。
ドッグフードに必要なタンパク質の量
アメリカにある「全米飼料検査官協会(AAFCO)」のガイドラインには、総合栄養食のドッグフードにおけるタンパク質の最低値は、成犬期18%以上、子犬・成長期22.5%以上と設定されています。
ドッグフードのタンパク質の最低基準値は18%以上または22.5%以上ですが、プレミアムフードや肉を主原料にしたドッグフードでは40%、50%超えのフードも存在します。
タンパク質の注意点
アレルギーを引き起こすのもタンパク質
タンパク質は犬にとって欠かせない栄養素ではありますが、中には食べ物がアレルゲンとなって犬にアレルギー症状を引き起こしてしまうことがあります。
アレルゲンは特定のタンパク質の型(組み合わされ方)によって免疫が反応し、必要以上に体を攻撃してしまうことが原因なので、他の形のタンパク質や、アミノ酸の状態に分解されていれば、アレルギー反応は引き起こされません。
ただ、食べ物によるアレルゲンを完全に避けることは非常に難しく、何を食べてもアレルギー症状が出ないという犬も多いので、あまり深刻に考える必要はありません。
事前にできる対策としては、単一動物性タンパク質でグレインフリーのドッグフードを選ぶ(原因を特定しやすい)、また加水分解タンパク質のドッグフードを選ぶ、などの方法があります。犬がアレルギーを起こしやすい食材については下の記事に詳しくありますので、ぜひご覧になってみてください。
アレルギー反応が出た時の対処
アレルギー反応が出た場合、アレルゲンとなっている食材を特定してその食材を制限するようにする対処を行います。
アレルギー反応が出ていなければそこまで神経質に気にすることはありませんが、犬のアレルゲンになりやすいと言われている肉や魚などはドッグフードを選ぶ時に基準のひとつとして見ておいてもいいかもしれません。
ドッグフードのタンパク質まとめ
犬にとってドッグフードは体を構成する成分でもあり、生命活動を行う上で必要不可欠な成分になりますので、ぜひ割合をチェックしておいた方が良いとい思います。
他の成分も気になった方は下の記事からご覧ください。