ドッグフードのエンドウ豆。栄養や成分の特徴、アレルギー性は?

ドッグフードのエンドウ豆。栄養や成分の特徴、アレルギー性は?

ドッグフードの原材料:エンドウ豆

最も使われる豆類の一つ

エンドウ豆はドッグフードでは最もよく使われる豆類の一つです。特にグレインフリーレシピでは穀物の代わりに、エンドウ豆が炭水化物(エネルギー)源として芋類や他の豆と一緒に多めに配合されることも多く、アレルギー対策用のフードや療法食に使用されることもあります。

エンドウ豆の加工品である「エンドウ豆蛋白」や「エンドウ豆繊維」もドッグフードにはよく利用されています。犬

エンドウ豆の栄養素

グリーンピース、豆苗、サヤエンドウすべて同じ

グリーンピースも豆苗もサヤエンドウも、実はすべて同じエンドウから収穫されています。

豆苗やサヤエンドウ、グリーンピースも同じエンドウ豆(Pea)です。豆苗はエンドウ豆から生えてきた細くて小さな若菜です。サヤエンドウはまだサヤが柔らかい若いエンドウ豆で、サヤごと食べることができます。グリーンピースはサヤエンドウの時期から種子が成長してエンドウ豆の大きさになる前に収穫したものです。最終的に豆がしっかり成長してサヤから取り出されたのがエンドウ豆と呼ばれます。

同じエンドウから収穫される食材ですが、収穫時期や食べられる部分の違いなどで呼ばれ方が異なります。

栄養成分分析値

エンドウ豆は水分量が少ないため少ない量で栄養が沢山含まれます。同じ100g中に含まれる栄養価を見てもサヤエンドウが全体的に多いです。

成分エンドウ豆グリーンピースサヤエンドウ
タンパク質21.7g6.9g3.1g
脂質2.3g0.4g0.2g
炭水化物60.4g 15.3g7.5g
食物繊維17.4g7.7g3g
モリブデン280μg65μg24μg
ビタミンK16μg27μg47μg
ビタミンB10.72mg0.39mg0.15mg
カロリー100g352kcal93kcal36kcal

エネルギー源となる炭水化物が豊富

エンドウ豆は60%以上が炭水化物なので、犬にとって主要なエネルギー源となります。エンドウ豆は穀物と比較してもエネルギー量が高いですが、GI値(Glycemic Index:グリセミック・インデックス)という血糖値の上昇度は高くありませんので、肥満が気になるわんちゃんにもおすすめの食材です。

窒素の代謝に必要なモリブデン

またエンドウ豆にはモリブデンというミネラルも豊富に含まれます。モリブデンは金属元素の一つで豆に多く含まれています。窒素の代謝に必要な成分で、多めに摂取しても過剰症などが起こりにくい毒性の低い成分です。

エンドウ豆のアレルギー性

エンドウ豆のアレルギー性は低い

エンドウ豆は植物性タンパク質が豊富に含まれるものの、穀物や他の成分と比較してアレルギー性は低いです。このためアレルギー対策ドッグフードや食物アレルギーの療法食にエンドウ蛋白が使用されることが多いです。

大豆やピーナッツアレルギーの犬は注意

エンドウ豆自体のアレルギーのリスクは低いですが、同じマメ科にはアレルギー性の高い大豆やピーナッツなどがあり、これらにアレルギー反応が出る犬の場合、アレルゲン間の交差反応でエンドウ豆にもアレルギーが出る場合があると言われています。このためすでに大豆アレルギーやピーナッツアレルギーを発症している犬はエンドウ豆にも注意しましょう。

エンドウ豆と犬の心臓病

アメリカのFDAがエンドウ豆などの豆類や芋類を使用したドッグフードを食べていた犬の拡張型心気症の症例が多く報告されたということで、グレインフリードッグフードは拡張型心筋症などの心臓病の関連性について警告を発表しています

ただしこの情報はまだ断定できるとは言えず、グレインフリーが問題なのか、エンドウ豆などの豆類や芋類に含まれる成分が原因なのか、その他の要因がある可能性など、エンドウ豆と犬の心臓病との因果関係はわかっていないので、新しい情報や確かな研究が入りましたら随時情報更新してきたいと思います。

エンドウ豆を使用したドッグフード例

  • ドクターズケア アミノプロテクトケア
  • カナガンドッグフード
  • モグワンドッグフード
  • ファインペッツドッグフード
  • アーテミスドッグフード
  • シュプレモドッグフード
  • ピュアラックス エリートニュートリション
  • ウェルネスコアドッグフード
  • ナウフレッシュドッグフード
  • アルモネイチャードッグフード
  • ハロードッグフード
  • ロータスドッグフード
  • ギャザードッグフード

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。