ドッグフードの合成添加物とは?犬への影響と危険性

合成添加物 ドッグフード
佐藤さん
ドッグフードの添加物について、合成添加物と天然添加物では安全性や使用方法にどのような違いがあるんですか?
犬田さん
合成添加物と天然添加物の違いは、化学合成か自然由来かという点です。化学由来の合成添加物は、様々な危険性が指摘されています。

合成添加物(指定添加物)とは

人工的につくられた添加物

合成添加物とは、人工的に化学合成でつくられた添加物で、発がん性や変異原性などの毒性が指摘されています。

化学合成によってつくられた合成添加物は、自然界には存在しない物質であり、使用量が制限されている添加物もあります。使用期間が短いことから長期的な安全性が不明であることも懸念される理由の一つです。

ドッグフードの合成添加物の例

  • BHA・BHT
  • エトキシキン
  • 没食子酸プロピル
  • 赤色102号・106号
  • 黄色5号
  • 青色1号
  • 安息香酸
  • ソルビン酸
  • L-アスコルビン酸

代表的な合成添加物といえばこちらになります。下記の危険な添加物でも紹介しているので、気になる方は下の記事もチェックしてみてください。

ドッグフード 成分表示 危険

ドッグフードの危険な添加物。犬への影響やドッグフードの基準・表示義務を解説

2019年2月26日

天然添加物(既存添加物)とは

動植物からとれる添加物

天然添加物とは、自然界に存在する動植物から得られる自然由来の添加物です。

自然由来の天然添加物は、すでに動物や人間が摂取してきて問題がなかった経験や使用実績から、長期的な服用を行っても危険性が低いことが分かっているので、安全な添加物として用いられています。

ドッグフードの天然添加物の例

  • ローズマリー抽出物(酸化防止剤)
  • ビタミンE、トコフェロール(酸化防止剤、栄養添加物)
  • 緑茶(酸化防止剤)
  • タウリン(栄養添加物)
  • レシチン(乳化剤)

無添加ドッグフードではこのような天然添加物がよく使用されています。一例として上記のような例を出しましたが、他にもドッグフードに使用されている天然添加物は数多くあります。またよくドッグフードの原材料欄でみる「天然香料」も天然添加物の一つです。

天然添加物の落とし穴、注意点

天然だから安全とは限らない

これまでの経験や使用実績から、天然添加物は安全だと考えられていますが、自然由来だから必ずしも安全とは限りません。

合成添加物は、存在しない物質ということで危険性が唱えられている分、試験やチェック、使用制限などがきちんと設けられており、かえって安全だという考え方もあります。

反対に天然添加物は、十分な試験や試験がされないまま使用されていることが多いので、あとから危険性が見つかって除外されることも。

2004年アカネ色素は既存添加物から削除

2004年7月5日、遺伝毒性や腎臓への発がん性が認められたことで、アカネ色素が天然添加物(既存添加物)の名簿から削除されました。

アカネ色素は、セイヨウアカネという植物の根からとれる色素として利用されていましたが、2004年に長期発ガン試験で発がん性の疑いが確認されたことから、食品添加物として禁止されました。

このように、以前までは安全と考えられていた天然添加物の中にも、長期的に摂取することで問題を引き起こす可能性のある物質はあるため、天然添加物であるから必ずしも安全とは限りません。

ドッグフードの合成添加物と天然添加物のまとめ

  • 合成添加物は化学由来
  • 天然添加物は自然由来
  • 合成が危険とは限らない
犬田さん
以上でドッグフードの無添加の意味や合成添加物と天然添加物について紹介してきました。
佐藤さん
無添加のドッグフードをつくるということは、添加物をまったく使用しないというわけではなく、安全な添加物をつかってドッグフードを仕上げているということだったんですね。
犬田さん
はい、添加物はドッグフードの品質を守るために必要なものもあることを理解し、その中で安全な添加物を選んでいく知識が飼い主さんに求められるというわけです。

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。