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ドッグフードの原材料:舞茸(Maitake mushroom)
舞茸(Maitake mushroom)はカサの部分がひらひらとしたサルノコシカケ科のキノコで、旨味成分が強く独特の香りと歯ごたえがあります。
調理した時にダシがよく出ます。また冷凍すると風味が良くたつので、冷凍フレッシュドッグフードでもよく使用されています。もちろん手作りごはんにもおすすめで、愛犬が食べやすい大きさに合わせて裂いて使える便利な食材です。
舞茸はキノコの中でも舞茸特有の栄養素が多く、その効果や働きが今注目されています。
犬における舞茸の栄養素、注目の効果と働き
成分 | たんぱく質 | 2.0g |
脂質 | 0.5g |
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炭水化物 | 4.4g | |
鉄分 | 0.2mg | |
ビタミンB1 | 0.09mg | |
ビタミンB2 | 0.19mg |
舞茸特有βグルカン「MDフラクション」の抗がん作用に大注目
きのこにはβグルカン(キノコキトサン)という多糖類が含まれていますが、舞茸には他のきのこに含まれるβグルカンの化学構造とは異なる舞茸特有のβグルカン「MDフラクション」が含まれています。
MDフラクションには強い抗がん作用があることが分かっており、その効果や作用が今注目されています。
マイタケ(Grifolafrondosa)から抽出された多糖類であるD-Fractionは、Tヘルパー1細胞と2細胞のバランスを調整することで、マクロファージやT細胞を含む免疫細胞を活性化することにより、抗腫瘍効果を示すことが報告されています。
2005年の研究で、乳がん細胞を持つマウスに舞茸を連続投与したところ、免疫細胞の増加が達成され、腫瘍細胞の増殖を抑制したという結果が出ています。舞茸に含まれるMDフラクションによって治療で投与される化学療法剤の量を減らせる可能性が示唆されています。
ナイアシンやビオチン、ビタミンD前駆体が豊富
舞茸にはナイアシンやビオチン、ビタミンD前駆体など体の調子を整えるビタミンが豊富です。
中でも、タンパク質や脂質、炭水化物の代謝を促すナイアシンの含有量が豊富で、皮膚や粘膜の健康維持に役立ちます。
また、舞茸にはビタミンD2の前駆体であるエルゴステロールという成分を含有しています。エルゴステロールは紫外線に当たると体内でビタミンD2に変化し、カルシウムやリンなどのミネラルを調節するので骨や歯の形成を助け、丈夫にする働きがあります。
血糖値・血圧の上昇を抑制、コレステロール減少
また、舞茸は他にも、血糖値・血圧の上昇抑制や、コレステロール減少作用など様々な効果や働きがいくつも報告されています。
旨味が強い理由!旨味成分のグアニル酸が豊富
また、舞茸には旨味成分のグアニル酸も非常に豊富です。植物に豊富なグルタミン酸や、肉や魚に豊富なイノシン酸など、他の旨味成分と組み合わせることでさらに旨味の相乗効果を得られるため、愛犬の食いつきも期待できます。
タンパク質を分解する酵素「マイタケプロテアテーゼ」
舞茸には、タンパク質を分解するマイタケプロテアテーゼという酵素が含まれています。肉と一緒に調理すると柔らかくなるので、赤身が多い低脂質なお肉料理とも相性抜群です。
愛犬用手作り食の舞茸調理ポイント
カサの色が濃く肉厚でハリのある舞茸を選ぶ
新鮮で良い舞茸を選ぶなら、カサの茶色が濃く、肉厚でハリのある舞茸にしましょう。
60~70度で長時間加熱させると旨味成分UP
舞茸を調理する時に60~70度の温度をキープすると旨味成分のグアニル酸が増えて、より美味しくなります。
汁物にする場合は、汁ごと与えると舞茸に含まれる栄養素を余すことなく愛犬に与えられます。
キノコアレルギーの犬にはNG、生では少量の青酸化合物を含むことがある
稀にきのこにアレルギー反応が出る犬もいるので、きのこアレルギーの犬には舞茸は与えないようにしましょう。
また生の舞茸は少量の青酸化合物を含んでいることがあります。体に悪影響を与える程の量ではありませんが、加熱すると無害化されるので、生では与えず加熱調理してから与えるようにしましょう。
まとめ
- 舞茸特有のβグルカンには強い抗がん作用がある
- 血糖値や血圧上昇を抑制、コレステロールを減少
- 旨味成分のグアニル酸が豊富
- 肉を柔らかくするタンパク質分解酵素プロテアテーゼが豊富